2018.04.18

『大格差 - 機械の知能は仕事と所得をどう変えるか』


先日『AI vs 教科書が読めない子どもたち』を読んだ時に、長いあいだ積ん読棚に置きっぱなしのこの本のことが気になりました。2014年9月18日初版、2014年12月8日初版第4刷とあり、かなり3年半近くも積ん読放置されていた様子で、本に申し訳ない感じ。

案の定というか、本書の内容はAIが万能ではないが、高度教育のない層の雇用は脅かされるという、AI vs と同じ論調でした。

AI vs がAIに入試問題を解かせようというアプローチからの論述に対し、本書はコンピュータの読み手をを活用したチェス競技(フリースタイルチェス)からのアプローチというかなり違ったところからスタートして、よく似た結論に到るところが面白い。AIが実用化するにしたがって、人間がどのような能力を身につけなければいけないか、凡そ示されたということでいいのか。

本書後半では、「中国との熾烈なライバル関係に刺激されて、アメリカ人のナショナリズムが強まり、秩序と現状維持が重んじられるようになる」「アメリカでいま保守主義の力が最も強いのは、所得水準と教育水準が最も低く、ブルーカラー労働者の割合が最も多く、経済状況が厳しい地域だ」と、のちのトランプ現象を的確に言い当てていることに驚いた。もしかしたらアメリカではリーマンショックあたりから強烈なナショナリズムは台頭しつつあり、僕がそれに気付いたのがトランプ現象からでしかないのかもしれないが。

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2018.04.14

『ストリップの帝王』

ストリップ劇場の支配人をしつつ踊り子のマネジメントをしていた男の半生記。

ストリップは性風俗であり、踊り子は明らかに性の対象。しかも「まな板」「個室」という売春行為があり、劇場管理や踊り子のマネジメントは管理売春に該当する、人身売買業に近い仕事。明らかにカタギの仕事ではない。

この本で追っている瀧口は、戦後のストリップの隆盛から衰退まで、長い間にわたり業界の主人公であったようだ。自らの逮捕勾留までもきちんと管理しているように思える。ここまでストイックに生きないと、欲望が渦巻く性風俗で信頼を得て成功することはできないのだろう。

己に対する自信の強さが滲み出る生き様。それ故に、引退して田舎に引っ込んでからの貧しい生活が重い。月収1億を稼ぐ世界で、いったい誰が幸福になったのかと。

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2018.04.12

新百合ヶ丘駅多摩線ホームのベンチが撤去されている

新百合ヶ丘駅の多摩線ホームに降りて、光景に違和感。よく見たら、ホーム中央にあったベンチが撤去されています。



下り江ノ島線快速急行が3番ホームに到着するようになり、3番線から4番線への乗り換えの障害になっていたのかもしれません。

しかし、多摩線は新百合ヶ丘駅折り返しのホーム待機時間が短く、ホームで長い時間待たなければいけないこともあります。立ったまま待つのは嫌だなあ。


記事内容とは関係ないですが、北口に降りたところのミニコンビニ跡地は散髪屋になっていました。しかし屋外に向けて看板がなく回転灯だけ。なぜこんな地味な営業をしているんだろう。

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2018.04.04

すごい立地戦略

別にすごくはなかった。

店舗を出店するにあたっての立地選択の重要性と、どういう立地が集客に有利かを説明した本。タイトルに「すごい」とあるので奇をてらった秘策でも書いてあるのかと思ったら、立地選択の基本が易しく書かれている本でした。

当たり前と言えば当たり前なことしか書かれていません。しかし、個人で出店計画を立てる時などは基本に忠実にあるべきでもあり、こういう基本をキチンと説明している本は押さえとかないとなとは思います。

この本の中で「すごい」と思ったのが、セブンイレブンの出店戦略ですね。ふつう店を出す時は「空き物件」を探すのでしょうが、セブンの場合は空いていようが使ってようが、出店したいところにピンポイントで用地確保に動くのですね。ここまでやってこその他の追随を許さない店舗日販なのでしょう。妥協を許さないことで取れる数字なのです。

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神田川の桜はとっくに終わってた(2018/4/3)

桜のシーズン恒例の神田川(淀橋〜東中野)の散策に、4月3日(火)に出かけました。

週末にはあちこちで満開だった桜、火曜日にはもう散り終わってましたsweat02




それでも、遠景で撮ったら少しは花が残ってるっぽいか?



3.5kmの昼休み散歩でした。

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2018.03.30

『RPAの威力』

なんだか流行している「RPA」(ロボティック・プロセス・オートメーション)の三文字。バズワードっぽい雰囲気もしますが、ミニマムに業務効率を向上させるにはいいツールなのかもしれないとも思いつつ、本書をダウンロードしました。

本書はシステム導入コンサルティング会社が書いたもので、基本的にRPAツール導入支援サービスの紹介といったものに感じます。無料で配布したらいいのにって思うくらい。(見込客にはきっと無料で配りまくっているに違いないと思いません?)

RPAは各現場のPC業務の自動化なので
(1) ユーザ部門がロボットを各々作りこむ
(2) 情報システム部がロボットを設計し現場に適用する
の2通りの導入アプローチがあります。これが曲者で、(1)だと野良ロボットが大量に出没して手に負えなくなる、(2)だと結局のところウォーターフォール的な手続きが発生し稼動までに時間がかかり、変更の柔軟性も失われます。これって、EUC(エンド・ユーザー・コンピューティング…業務で謎マクロが動いていたりしませんか?)の是非を議論していたときと同じ構図ですね。そう、結局RPAってアプリ跨ぎのEUCなんじゃないの?って思ってしまいました。

本書では情報システム部や現場部門の理解と「素晴らしい」スキルによってこんなに立派な成果が出ました!と好事例をさらによく脚色して書かれているように思うのですが、事例に挙げられたロボットたちが導入時の担当者が出て行ってしまった後にどのように動くのか、気になるところです。

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2018.03.21

『AI vs 教科書が読めない子どもたち』

『AI vs 教科書が読めない子どもたち』
AIブームの中、AIとはあまり関係のないように思える「教科書を読めない子どもたち」という言葉が新聞広告に掲載されていて、気になりました。

この新聞広告には、こんな例題が載っていました。

次の文を読みなさい。
Alexは男性にも女性にも使われる名前で、女性の名Alexandraの愛称であるが、男性のAlexanderの愛称でもある。
この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから1つ選びなさい。
Alexandraの愛称は(    )である。
①Alex  ②Alexander ③男性 ④女性

この文章、比較的論理的に複雑にできており、穴埋め設問が本文に対し不自然ではあります(論理の順序が、本文と設問で逆向けに作ってある)が、解答としては明確に一つしかありません。本書によれば「係り受け」の問題だそうで、AIで解ける種の問題だそうです。この問題の正答率が、中学生の3分の1、高校生の半分しか正答できないということです。(ちなみに、広告を家族に見せたところ、小6の息子は難なく解けましたが、妻は誤答し、正解を言ってもなぜだかをすぐに理解できませんでした。おそらく、小6向け文章読解ドリルと同等の難易度と思われます。)

この広告が気になり続けていたので、本書を読むことに。

本書の前半は、数学者の視点でAIのシンギュラリティは来ないと断言することに割かれています。講演会でシンギュラリティの到達についての質問が多く辟易していることまで書かれています。まあ、マスコミはAIが人間を乗っ取るシンギュラリティがすぐそこまで迫っていると囃し立てているので、自らAIを研究する人でもなければそう思って当然でしょう。質問者が悪いわけではありません。一部のAI専門家はそう煽ることをメシのタネにしていることも事実でしょう。ただ、本書では、数学者の視点から、AIには何ができて何ができないのかを解説しています。本書いわく、コンピュータでできることは計算だけで、計算でできないことはコンピュータでできないのです。そもそも著者は「AIはまだ存在しない」とまで言い切っています。AIの定義にもよりますけど。他の視点からの解釈を見ないままこれを受け入れるのも危険ですが、かなりわかりやすく書かれているかと感じます。蒸気機関や内燃機関が発明されても、人間の営みの全てを代替できたわけではないことと同じような気がします。

そして、後半は、(世間一般が日本の代表的なAIだと思っている)東大ロボくん(コンピュータに入試を解かせ、東大合格レベルまでもっていこうというプロジェクト)の研究によって得た知見から、日本の中高生の読解力を調査した結果についてです。本ブログ冒頭の「Alex問題」も、その考察に用いられた素材です。

自然言語を解釈するのに必要なスキルを、本書では次の6つに分類しています。
・係り受け解析
・照応解決
 ↑ここまではAIで精度よく解釈できるが、↓これ以降はAIで未解決
・同義文判定
・推論
・イメージ同定
・具体例同定
この分類において、日本の中高生や大学生にリーディングスキルテストを行ったというものです。

本書に示されている結果は、衝撃的でした。正直、日本人の多くが、こんな文章すら解釈できないのかという驚きです。しかも、問題文の出展が中高生用の教科書や、中高生向けのニュース記事だというのです。当然、これらは中高生が理解してくれることを目的として書かれていているもので、本書いわく、これらの文章を理解できないと不利を被るものであるものです。示されているのは、AIですら解釈できることを解釈できない人間が相当数いるという事実です。正直言って、現在の職場でも、文章を理解できない従業員に対し物事を理解してもらわなければいけないケースが多く、苦労することがあります。本書を読んで、腑に落ちてしまった部分がありますね。理解できない人が稀ではなく、大きな割合でいるのです。推論スキルを要求しない文章を作らなけらばいけないとなると気が重いし、複雑なビジネス環境を示す文章でそんな工夫は困難です。

著者はAIが実用化した近未来の社会を想像し「企業は人不足で頭を抱えているのに、社会には失業者が溢れている」という状態を描いていますが、これは現代でも発生している事実があります。論理が入り組んでいる事象を理解出来る人間が少なく、報告を求めても理論的な文章で回答できない人間が多いことは実生活で思い知っています。著者が恐れている近未来は、現場ではもう始まっています。しばらく前までは、こんなことを感じることはありませんでした。それは著者が中教審を批判して「自分の半径5メートル以内にいる優秀な人たちの印象に基づいて絵を描いている」と表現していることと同じだと思います。ビジネスとしては「イノベーションに代替可能なタイプの人の労働価値が急激に下が」るに従いAIに代替する(か労働の対価を相応に減らす)選択をしなければいけないのですが、その前に社会として行うべきことは何かがわからないままというのがもどかしいです。

本書内容とは無関係ですが、Kindleで読んでると所々に無意味な改行が入っています。電子化する作業でしくじっているのかなぁ。

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2018.03.18

『発達障害は最強の武器である』

なぜか突然、有名人の「俺たぶん発達障害」アピール。最近、発達障害が流行ですし。『他人を攻撃せずにはいられない人』で発達障害を徹底的に排除しようとしていた時代とは隔世の感です。

しかし、ネットで発達障害の特徴を調べてみると、あるある的なことばかりで、素直にネットで診断すると発達障害の可能性が高いと言われるのは大抵の人が当てはまるのでは?と思います。特にIT系で働いている人間なんて、いわゆるマトモなんていないだろとか思います。そんな素人診断でわぞわざ本を出さなくってもって思うんですが、精神科医(と言っても和田秀樹や香山リカですが)が肯定しているんだから、そんなものか。

一昔前は、異端児こそが世界を切り拓くような感じだったのですが、昨今は社会に適応できず困ってる人も、トンがって成功を収める人も、同じカテゴリーなんですね。これじゃ本当に困ってる人に救いが差し伸べられないような気がします。


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2018.03.17

『なぜアマゾンは今日中にモノが届くのか』

アマゾンの物流戦略の本。…と思って読み始めたのですが、あまり具体的なことは書いてないですね。

アマゾンは徹底的にお客様のことを考えて戦略的に物流に投資しています。ってのが延々と書いてある。顧客満足のために資金と知恵をふんだんに使ってますよという、アマゾンのアピールなわけで。

ただ、この本を読んでわかるのは、アマゾンは正解だけを選んで成長してきたのではなく、試行錯誤し、失敗を積み重ねて今の成功があるんだということ。(この部分は本書ではそんなに強調していませんが。) いずれにせよ、大胆な投資と、意味のある失敗によって現在の成功があるんだと思いました。

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2018.02.25

45歳になってTOEICを受験した



2000年前後にインターネット環境が整い、2010年代に入るとスマートフォンの普及もあり「世界」との距離も近付きました。しかし、僕と世界を大きく阻むものがあります。それは、言語。英語が理解できるようになれば世界が広がるはずという感覚は、インターネットの普及でより強く感じるようになりました。

手持ちのデバイスで英語に近付こうと、いくつか英語勉強のために取り組んだことがあります。まずひとつめが、NHKのWebサイトにあるニュースで英会話で比較的短めの日本人読み上げの英語を聴くこと。もう一つがKindleで米アマゾンのロイター誌を購読することでした。しかし、自分がどれだけの語学力があるか不明なのにこれらの教材が効果があるのか、疑問を抱えていました。

NHK語学のアカウント管理方式変更やReuters(Kindle版)の配信トラブルなどがあったときに、これらを続けるか再考。ここで、自分の語学力を把握して、それに合った英語学習をしようと思いました。

語学力の把握で一番わかりやすいのがTOEICだと判断。TOEICの点数を把握し、勉強もTOEICの点数を上げることに焦点を絞ることで方向性を明確にしようと考えました。

勉強方法もネット教材の活用や書店で参考書を買うなど、比較的安価な方法があるものの、いまいちターゲットが絞れない。奮発して、通信教材を買うことに。

ネットで評判を見て、アルクのTOEIC対策講座を受講することに。アルクのサイト内にあった簡易テストの結果が40%台前半だったので、自分の現在位置が約430点と想定、半年後の目標点を600点に定め、まず最初の3ヶ月は「500点コース」を受講することにしました。

さて、初回の受験日を決めようとカレンダーを見ます。3ヶ月後の3月中旬の試験日は、既に予定が入っています。4月だと「6ヶ月後」の目標の中間確認には遅すぎる。で結局1月下旬の試験日を選択しました。1ヶ月半しかない。困った。アルクの通信教材は1日30分×3ヶ月なのですが、これを1日1時間×1.5ヶ月でこなすというハイペースで勉強することになりました。と言っても1日1時間なので、勉強時間の確保は苦にならず(毎朝の日課にしていた10kmのサイクリングをやめて時間を確保)ほぼ毎日こなすことができました。

教材の内容は、単語を覚え、短い文を読んで聞き、オーバーラッピング(英語音声に重ねて自分で発音する)やシャドーイング(英語音声に遅れて自分で発音する)をするというもの。1週間分が1セットになっていて、4セットで1冊(1ヶ月)、それが3冊です。覚えなきゃいけないとされる単語の数も週36語とそれほど多くなく、それほど苦ではない印象です。

中高生の頃は英語のヒアリングというとカセットデッキでガチャガチャ操作しなきゃいけなくて面倒だったのですが、今時はスマートフォンやタブレットのアプリで簡単な操作で聴くことができ、楽ですね。通勤途中でもイヤホンで音声を聞くことができるので、効率的です。僕は単語集の音声(単語→例文の順に英語で読み上げる)を電車の中や歩きながら聞くことでヒアリングの練習にしました。

教材を始めて思い知ったのが、TOEICは低得点者でもネイティブ速度の音声を聞かなきゃいけないこと。そりゃそうです。TOEICは500点を目指す人も990点(満点)を目指す人も同じ試験を受けるんです。やられた、という感じですね。気付いて、一気に自信をなくしました。

それでも、教材をこなしているうちに、TOEICでは何を試験されるかってのがだんだんわかってきました。これが、TOEIC専用教材のいいところ。500点を目指すレベルでは台本全部を聞き取ることはできないのですが、教材をこなすことで聞き取るべきポイントがだんだんわかってきます。この効果は大きい。月ごとの小テストをオンラインで提出する事で、通信教育ならではのステップに応じた訓練により自分が伸びてきていることが実感できます。

1ヶ月半で3ヶ月分の教材をこなし、通信教材の模擬試験にチャレンジ。邪魔の入らない2時間を確保し、取り組みます。ヒアリングは問題が次々と進みます。教材で流れをつかんでいたものの、本番の問題数となると別。だんだん疲労も入ってきて集中力の維持が大変です。ヒアリングが終わったら読解問題。これも読まなければいけない分量が多く、60分の試験時間では読みきれません。通信教材に時間の使い方が書いてありましたが、本番ではとてもそれ通りには進めることができません。それでも122/200問の正解(610点相当?)とかなりの高得点を取ることができました。

本番は1月28日(日)試験会場は明治大学生田校舎でした。前週に降雪し、まだ雪の残る丘の上のキャンパスでの受験でした。若干寒く、3時間の拘束ではトイレの心配もある試験環境でしたが、結果は640点とかなりの高得点。これで高得点なんて喜んでいるようではまだまだなんですが、僕にとっては高得点なんです。1ヶ月半の詰め込みでしたが、TOEICの点数を取る技術に関しては十分な成果だと感じてます。

「半年後に600点」の目標があっさり達成できちゃったので困惑。勉強のスタート地点が400点台前半かなと思ってたのですが、その時点で500点台前半くらいはあったのではないかと思います。それでも1ヶ月で多分100点くらいは伸ばした。

次、どうするか。たぶん640点では何かに役に立つことはなく、周囲から評価される点数でもないので、一般的に評価される始点になる730点を目指そうかと思います。そうすれば、洋書の読書も楽になるだろうし、洋画も字幕を見る頻度を減らせると思います。(字幕なしで観るのは990点の人でも難しいらしい。)そうすると当初考えていた世界との距離もうんと近づくような気がするので、引き続き頑張ります。

…730点に向けての次の教材は「ヒアリングマラソン」を選びましたが、これはかなり難易度が高いですね。

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