2018.05.17

『失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織』

根強いジャンルの「失敗本」の一冊。

この本では、失敗事例を隠蔽する医療業界と、失敗事例と徹底調査する航空業界の対比から、失敗事例を公開し学ぶことがいかに大事かを説く本です。

失敗に対する責任追及は、失敗を正しく周囲に公開することの妨げになります。しかし現代の社会では、失敗者に対するバッシングが強く、とても本書のように失敗を公開し評価する仕組みを築けるようには思いません。本書でも「人はその経緯よりも、「誰の責任か」を追及することに気をとられる傾向がある。」とあり、この傾向は日本のマスコミに限ったことではないようです。

この本の中で気になったことが、システム開発の考え方。「Minimum Viable Prodoct」(最低限実装した製品)という考え方が示されています。アジャイル的なものですね。ウォーターフォールは前行程が失敗しないことが前提ですので、こうはいきません。ただ、失敗ありきでなにかを進める風土は、うちの会社にはないなぁ。

あと、本書で覚えておきたいことが「RCT」(ランダム化比較試験)。統計学の引っ掛け問題としてよく出てきそうな項目です。確かに現に生きている人間を対象にRCT実験を行うことは躊躇ってしまいがちですが、どちらかの群が改善するのであれば、実験を行って結果を確かめた後にその方法を適用するのが全体最適ですよね。これで結果がよくなかったほうの対象群(失敗してしまったほうの集団)に対する責任って言われても、難しいのですが。

失敗は責任の対象にするのか、改善の糧にするのか。結局のところ、本書はその根本を問うています。

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2018.05.14

iPhone8に買い替えた

5月7日に茨城県まで遠征して、こんな写真を撮ったり。



ってなことをやってると、帰路にバッテリーが枯渇してしまいました。

帰宅して充電してから電源を入れると、なぜかモバイル通信(4G/3G)を掴まず、表示が「検索中」のまま。



電源再起動、SIM抜差し、ネットワーク設定リセットをやっても改善しません。サイトを見たら、ここまでやってダメならショップに行けと。でもショップに行って修理すると日数がかかるし、修理代もそこそこかかる。

このiPhone5Sは2013年9月に購入し2015年10月に交換修理したもの。4年半も使った機種なので、そろそろ潮時だろうと、急ですが買い替えすることにしました。

5月7日の夜のうちにiPhoneをPCにフルバックアップ。5月8日朝にやはりモバイル通信か復活していないことを確認してauのオンラインショップで注文。auのサイトはログイン認証をSMSで送ってくる仕様なんですね。モバイル通信機能が死んでいるとSMS認証は機能しないんですが…My auアプリにIDを登録していたので詰まずに済みました。危ない危ない。さて、機種をどうするか。本当は4インチの次期機種(iPhoneSE2?)が欲しかったのですが今春の発売はなく、4インチのiPhoneSEか、4.7インチのiPhone8、iPhone7の選択。大きくなるのは残念だけど、新しい機種の方が将来的に何かといいだろうとiPhone8を購入することに。

5月9日の午前中には家に届いていたみたいで、5月9日夜にiPhoneの復元作業。難なく終わりました。シリーズ上位への買い替えは、楽でいい。しかも2年半前と違ってPC(iTunes)でのフルバックアップからの復元は何ら不便なことはないし。

しかし、大きい。これでも、最新機種の4.7インチ/5.5インチの小さいほうだと言うから驚きです。



なお写真は左からiPhone4S(3.5インチ)、iPhone5S(4インチ)、iPhone8(4.7インチ)、Kindle Paperwhite(6インチ)、Kindle Fire7(7インチ)、左上が15cmの定規です。

やはり、大きい。これ、使ってるうちに慣れるのかな?

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2018.05.10

小動

用事で藤沢に行ったので、休みだし海でも見ようと江ノ電に。しかし、雨が降り出してくる。適当な駅で降りて海岸に降りるのは無理だな…と、とりあえず鎌倉高校前駅。ここだと屋根の下にベンチがあるので、しばし雨の海を眺めながら休憩。



雨は続いているものの雷鳴は遠のいたので、小動まで。岬の上の神社。



階段上には、こじんまりとした境内。



境内に、コンクリート造りの台場が、これが展望台になっています。



展望台からは江ノ島を望むことができます。



隣の腰越漁港から見上げる小動岬。



腰越から片瀬方面に歩く。ここは江ノ電が併用軌道になっているところ。スーパーの軒先を電車が通ります。




帰路にモノレールに乗ってみました。
地上から見上げる軌条。かなり高いところにあるなあ。



始発駅ではガラガラだったので先頭かぶりつき場所を確保。

出発してすぐにトンネル、そのあとも急勾配を登る、急カーブをカントを付けて曲がるなど、ジェットコースター並みの迫力。他の乗客はのんびりとスマホに見入ってますが、やく平気だなと感心してしまうくらい。



目白山下や片瀬山からはすてきな海が見えます。その後もさらにトンネルをくぐったり、バスの上を併走したりとドキドキが止まらない車窓を堪能して大船に着きました。





大船に着いたら、今さら晴れてきた。sun

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2018.05.02

『百貨店の展覧会』

戦後の高度成長期からバブル辺りまで隆盛であった、百貨店での美術展・博物展について情報収集した著者が、時系列に時代背景や展覧会事情を整理して語っています。

著者は小田急美術館の館長を務めた人物。まさしく、百貨店展覧会の隆盛と衰退のど真ん中にいた人です。その人がノスタルジーに浸ることなく客観的に情報を収集し、自身の経験を取り混ぜながら評論しているところはすごいなと思います。百貨店の人というより、学者さんチックですね。

美術分野を一般大衆に広めた点で百貨店文化催事は日本文化に大きな寄与をしたでしょう。その場が大幅に縮小している現代、次にその役割を担うのはどういうところなのか。

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2018.04.30

『ザ・サークル』

SNS社会が極端に進んだら?自分の全ての経験を世界中と共有したら?

架空のSNS会社「サークル」に入社したエマ・ワトソンが同僚に繋がりを強制され、そんなことしているうちにプライベートを全て世界に晒すことになるという物語。

映画の上映時間という制約があることで仕方ない部分があるが、物語の展開が急だし強引だし不自然。社長の社内講演会もAppleの新製品発表やTEDみたいな設定で、演出にやりすぎ感があるかなと。

実際には我々は自分の体験を選択しながらShareしていて(Facebook、Twitter、LINEそれぞれ風土は異なるが)、全てをShareすることはないのですが、極端に走ってみたらどう感じる?と問いかけの作品として、観ながら考えるのにちょうどよいかなと。

すでにSNS疲れしてしまってる人にはどうでもいい作品かも。

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2018.04.25

『あゝ荒野』


映画誌の評価が高かったので観に行きたかったが機会を逃した作品。前後編で5時間もある作品なので時間を作るのが難しかったが、Amazonビデオで鑑賞。

社会から弾かれ転落したりしそうな人間たちの群像劇。転落の表現が自殺だったり身体障害だったり吃音だったりで、その重さが作品全体を支配する。舞台の新宿は、華やかな新宿ではなく社会の肥溜めのような街として描かれる。

転落した人間は、自分を転落させた人間を恨むのか、転落を選択した自分を恨むのか。方向性が定まらないまま、内なる力を溜め込んで、昇華する力の逃し先に困る。逃し先が自殺か、闘争か、繋がりか。

物語はボクシングの試合で締めくくられる。この試合に、いろんな人間の、いろんな憎悪と愛が集中する。一発一発のパンチが重い。命を削り取っていく。命を削ってでも得たいものは何だったのか。

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『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』

トレーラーから機密文書の輸送に関わるアクションが主題かと勘違いしていたのですが、本作の主題は意思決定。政府に不都合な事柄を報道しようとする報道機関のあり方が問われます。

本作の意思決定において冷や冷やする設定は、(1)主人公が経営する報道機関が地方紙と全国紙の中間くらいの位置付けにある中途半端な立場であること(2)報道機関が家族経営から上場会社に移行する中途半端な時期であること(3)女性の社会への進出が認められる始めている中途半端な時期であること、という3つの要素があり、これらが重なり合って作品を構成しています。

こういう映画が権力側の勝利に終わったり、主人公が日和って終わったりすることはないので結論ありきで観てしまうのですが、それでも意思決定の難しさをいろんな要素を演出に加え、エンタテインメント性を持たせて見せてくれます。

最終的な意思決定ののち、輪転機のスイッチが入り一気に新聞が出荷されていく様子がとても迫力があるのですが、それこそが意思決定の大きさを視認できる形にしたものです。新聞スタンドに新聞が届くまでの緊張感を楽しみましょう。

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『Alex's Adventures in Numberland』

TOEICのリーディング対策に英文をたくさん読もうと考え、TOEIC参考書ばかりじゃ面白くないので一般書も読もうとKindleで購入しました。

読み始めは推定残り時間が80時間からスタートし、しばらくして推定残り40時間まで減ったのちなかなか残り時間が減らず、それだけでかなりイヤになってました。でもまあ読書だと思わず勉強だと思って頑張って読んで、残り一桁時間になった時はようやくゴールが見えてきてホッとしました。

読み終えるまでの平均時間が7時間51分のところ40時間かかってるので、普通の読書時間の5倍かかってますね。期間で言うと、3ヶ月と少しかかってます。

これだけ時間を掛けて読むと飽きちゃうものなんですが、題材が数学小話で自分が興味を持てるものを選択したのが幸い。数学史とトリビアを取り混ぜて、数学のいろんな分野を面白おかしく説明しています。

「算盤」「折り紙」「数独」と日本発の数学技術についても述べられていて、洋書ながら身近に感じられるのもいい。東洋の小国は数学の世界でも異文化の特異な国なんだろうか。

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2018.04.22

『名探偵コナン ゼロの執行人』


コナン映画。今まで興味をほとんど示さなかった息子がテレビで流れた昨年の「から紅」で興味を持ち、友だちを連れて観に行きたいと、結局息子の友だち、娘の友だち含め5人の子どもたちを連れて多摩センターまで映画を観に行きました。

主人公の世話人である私立探偵、毛利小五郎が誤認逮捕されるところからストーリーが始まります。東京サミット開催と火星探査機帰還という大イベントを前に、毛利の逮捕後も事件が時限付きでテンポよく展開します。アニメならではの大げさなアクションも見どころ。

物語は、警視庁公安部と検察庁公安部の組織間の力関係の話に。この辺り、一般生活を送る大人ですらよくわからない行政組織なのに、子どもらにわかるのか?がかなり疑問。まあ、そんな細かいことはわからなくても楽しめるように作ってあるんですけどね。観た後に息子に警察と検察の違いわかってんの?と聞いたら、知ってるよ!との回答でしたが、本当はどうか。数ヶ月前に「今日は仕事で裁判所に行ってくる」と言ったら「お父さん逮捕されちゃうの?」という頓珍漢な質問をしてきた息子なのに。

あと、ネットに繋がる熱源や動力を持つ機器は、ネットから独立した安全装置が必要ですよね。

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2018.04.18

『大格差 - 機械の知能は仕事と所得をどう変えるか』


先日『AI vs 教科書が読めない子どもたち』を読んだ時に、長いあいだ積ん読棚に置きっぱなしのこの本のことが気になりました。2014年9月18日初版、2014年12月8日初版第4刷とあり、かなり3年半近くも積ん読放置されていた様子で、本に申し訳ない感じ。

案の定というか、本書の内容はAIが万能ではないが、高度教育のない層の雇用は脅かされるという、AI vs と同じ論調でした。

AI vs がAIに入試問題を解かせようというアプローチからの論述に対し、本書はコンピュータの読み手をを活用したチェス競技(フリースタイルチェス)からのアプローチというかなり違ったところからスタートして、よく似た結論に到るところが面白い。AIが実用化するにしたがって、人間がどのような能力を身につけなければいけないか、凡そ示されたということでいいのか。

本書後半では、「中国との熾烈なライバル関係に刺激されて、アメリカ人のナショナリズムが強まり、秩序と現状維持が重んじられるようになる」「アメリカでいま保守主義の力が最も強いのは、所得水準と教育水準が最も低く、ブルーカラー労働者の割合が最も多く、経済状況が厳しい地域だ」と、のちのトランプ現象を的確に言い当てていることに驚いた。もしかしたらアメリカではリーマンショックあたりから強烈なナショナリズムは台頭しつつあり、僕がそれに気付いたのがトランプ現象からでしかないのかもしれないが。

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