2019.01.22

『マスカレード・ホテル』


木村拓哉、長澤まさみの主演という、いわゆる豪華俳優陣によるミステリーエンタテインメント映画である。ホテルという豪華セットもあり、ああ贅沢な映画を観たなという感想になる。

ストーリーに、ホテルマンの信念をこれでもかと練り込んでくるところがポイント。荒くれ刑事の新田(木村拓哉)がホテルマンという堅苦しい役に押し込められる面白みを際立たせる演出である。これがただ単に木村拓哉のキャラ立ちを狙っただけの演出かと思っていたら、結末の伏線だったとは…

ホテル映画といえばグランドホテル形式かと思いきや、本作はそういう進行ではない。その代わり犯罪トリックが込み入って「何だよ、まだ解決しないのかよ!」というハラハラ感を持ち続けて観ることになる。単品映画にしては凝りすぎで付いていけないままストーリー展開しちゃうかもしてないので要注意である。長澤まさみ好き(あるいは木村拓哉好き)なら、1度目は流して観て、複数回観てもよいのではないか。

単なるエンタメ映画をわざわざスクリーンで観るほどでもないけどなと思いつつ映画館に行ったが、結果としてはスクリーンでの視聴に満足。大掛かりなセットでのホテルのロビーの喧騒感を全身に感じることができた。

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2019.01.16

『アリー スター誕生』



レディーガガ主演の成功物語。上司に遅刻を咎められてウエイトレスを辞めて数時間後(スクリーンでは数分後)にスターに登り詰めるスピード感は爽快。

でも、この物語はアリー(ガガ)の成功物語が主軸でなく、ジャック(ブラッドリークーパー)の転落模様が主軸だと受け止めた。どんどん階段を登って行くアリーを横目に、難聴に悩まされながら坂道を転げ落ちて行くジャック。そしてアリーの距離感の掴み方の苦悩。そして、ラスト…

タイトルを見てスカッとする成功を期待して観たら、とても残念な結果になる。そんな苦いドラマだった。

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2019.01.03

『きまぐれオレンジ☆ロード』(全10巻)


Kindle Unlimitedに気まぐれオレンジロードが出ているのを見つけ、1冊ずつ購読。

超能力を持ってる主人公が超能力を隠しながら暮らしていくという話だが、なぜか女の子にモテまくるという展開。ここで、主人公春日恭介が2人の女の子の間で揺れ動く(恭介はまどかを好きだが、恭介のことを好きなひかるにも満更ではない)を延々と描く。

中学生〜高校生ながら飲酒するなど、現在では連載が難しいだろう内容も含んでいる。てか、当時でもどうだったんだろう?80年代には不良への憧れみたいなのが現在と違った感覚であったのかもしれない。

やはり恭介の全能感が醍醐味なんだろう。こういう全能感で読者に夢見させるの、最近でもあったよな…斉木楠雄と同じ構図なのかね。

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2018.12.04

『華氏119』



マイケルムーアが2016米大統領選(トランプが当選したヤツ)を題材に作った映画。

今でも覚えている大ドンデン返しの選挙だったが、本人にも予想外の展開だったというのかムーアの主張。本人の思いつきにメディアが面白おかしく飛び付き、ってやっているうちに当選しちゃったってノリ。

作品の半分くらいはフリント水道汚染問題を取り上げている。ムーアの取り上げ方は一面でしかなく、これではフェイクと言われてもやむを得ないが、オバマの飲んだふり演説にうまく誘導しているのはさすがである。

最後は、トランプとヒットラーを重ね合わせ米国の現代社会に警鐘を鳴らす。こんなこと日本では対岸の火事でありコメディとして楽しんでいるが、米国民にとってどう見えているのだろうか。そして彼らはこの映画をどう観たのか。

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2018.11.26

『人魚の眠る家』



脳死した子どもの延命という課題。生と死を、人間が決めなければいけないという重い課題。延命が幸福の追求なのか、自己満足なのか。幸福の仮面を被った不幸を他者に押し付けることの是非。

ここに未確立の科学技術も登場させ、うまく複雑な状況、観る者に嫌悪感を与える状況を作っている。

故に、劇場で涙を流してしまうし、鑑賞後感も非常に苦い。込み入った作品だった。

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2018.11.25

『新古今和歌集(角川ソフィア文庫)』


短歌を勉強するにあたってどうしてもクリアしなきゃいけないっぽい古典が「新古今和歌集」。
でも2000首を読むわけにもいかないし、初心者向けに80首の解説本をKindleでセレクト。

「新古今和歌集」は鎌倉時代の勅撰和歌集。その「勅」は承久の乱でお馴染みの後鳥羽上皇です。ちな壇ノ浦の安徳天皇の弟。

飛鳥時代から続く和歌の文化、なんだか新古今の時代にはネタ切れになっていたような感じになっています。本歌取り(パロディ)が重宝されたりとか、恋の歌い方もルールが決まってたりとか、800年前に成熟された文化もすごいなと。

とりあえずいろんな要素が詰め込まれた本書解説の80首と百人一首あたりを脳みそに詰め込んで、作歌の糧にできるかな。

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2018.11.22

『経営戦略の基本』



タイトル通り、経営戦略の基本。この手の教科書的で有名なのにグロービスの『MBAマネジメントブック』があり、分野も登場するフレームワークも共通。しかし、アプローチが違う。

MBAマネジメントブックではフレームワークをガチガチに使う、どちらかというと「カッコイイ」経営戦略立案を志向する。対して『経営戦略の基本』では、フレームワークを示しつつフレームワークの限界にも言及し、現場現場の融通を優先する方向性。出来上がる経営戦略は泥臭いものになると想像。

どちらがいいというものでもなく、どちらが理解しやすいというものでもないだろう。教科書的に「経営戦略の基本」を理解し、リファレンス的に「MBAマネジメントブック」を参照する使い方がいいのではないだろうか。

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2018.11.07

Kindle paperwhite第10世代が届いた

Kindle paperwhiteが届きました。さっそく開封して設定、読んでる最中の本をダウンロードしました。

以下、今日まで4年間使ってた第6世代paperwhiteとの比較

・機能そのものは大して変わってなさそう。ホーム画面はオススメが表示されるデフォルト画面から、旧来の画面(ライブラリ)に設定を戻した。

・固定レイアウト雑誌は目を凝らせば何とか読めるレベル。旧機では目を凝らしても読めなかったので、若干の進化。期待していたピンチイン/ピンチアウトは旧機よりかは若干速くなったものの実用レベルには未だ達せず。バーチャルパネルは若干動作が早まった。Fire7が手元にない時に仕方なく固定レイアウト雑記を読めなくはない。

・固定レイアウトのブルーバックスは「量子コンピュータ 超並列計算のからくり」のサンプル版を見てみたところ、旧機では読みにくかったものの、新機ではちゃんと読めるようになっている。212dpi(758x1024)→300dpi(1072x1448)になったおかげでしょうか。

・ベゼルとディスプレイがフラットになった。これが使いやすいか使いにくいかは好みだろう。たぶん防水にするためのデザイン変更かと。

・電源ボタンが押しやすくなった。誤って押されちゃう頻度が高くなりそう。

全般的には、1万数千円も出して買い換えるほどだったかは微妙です。

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2018.10.27

『フルタイムライフ』



美大出てたまたま事務職のOLになった主人公の新入社員一年間の日常。本当に日常で、これと言って何も起こらない。そんな中、バイトだけどカッコいい仕事をやってる同級生への憧れやら、気になる男子やら、細かい感情を描いてる。

昔で言う一般職の「女の子」らしさを描くが、時代遅れ感が漂う。この時代遅れ感も作者の狙ったところだろう。そして、そんなところにいる自分をなんとなく肯定し、満足する。

ふつうであることの安堵とか幸せとか、そういう感覚を描くのは難しいが、うまくまとめたなと思います。

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2018.10.19

『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』


最近なにかと目につく「GAFA」。Google、Apple、Facebook、Amazonの4社を並べて言う言葉です。このうちApple以外はネット時代の新興企業。この4社が世界を牛耳っている感は、Kindleで本書を読んでiPhoneで感想を書いているこの瞬間にもあります。

さて、なぜこの4社が短期間に世界を牛耳ったか。安い資本を使うことができたからなのか、垂直統合で顧客を知ることができたからなのか。ここは各社いろいろあり、結論として市場の勝者となったということなんでしょう。僕が本書から読み取ったポイントは2点。
・安価に広範な顧客動向を手に入れる手段を持つ
・Aクラスの人材を雇う

まあ、僕が4社の間に割り込む会社を起業するのはあり得ないので、ならAクラス人材になりたい!って夢はあります。しかし、著者もAクラス人材になるために最初の結婚と髪の毛と20代を犠牲にしている。でもそうしないと「300万人の領主と3億人の農奴の国」の300万人側になれないと解きます。そう、GAFAはGEやIBMと違い、ごく僅かな、Aクラスだけの従業員で運営しているんです。ああ、農奴から逃れるための道は険しい。

本書ではところどころジョークを入れて場を和ませています。Facebookについて「離婚届の写真や、木曜日にどれだけ疲れているかを投稿する人はいない」と書かれているが、Twitterではこれらを見せびらかすことがメインだよなあと。なぜFacebookは収益化に成功してTwitterは厳しいままなのか、この辺の視点からも考察してみてもらいたいところです。

「穏健派へのマーケティングは金がかかるわりに効果が薄い」と書かれている。Facebookでの政治的誘導がずっと話題になってるが、効果が高い政治勢力に資源が寄るように仕組みができちゃっているのかもしれない。世間が極端な方向に偏ることが心配だ。

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