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2009.05.13

『螢川・泥の河』

『貧民の帝都』を読んだときに頭を過ったのが、水上生活をする母子を描いた『泥の河』。ずいぶん昔に読んだのですが、読み返そうと手に取りました。

『泥の河』は馬車で轢死する車夫の話で始まります。生きることが死と隣り合わせであることを知らしめたあとに、「廓船」で生きる貧しい母子の物語を展開。どん底に追いやられながら生きることの悲しさを、美しく重く表現しています。

『螢川』では、死をもっと前面に押し出し、物語を展開しています。

予期された死と、突然の死を描き、どちらに対しても無力であることを少年に思い知らせます。この物語で少年の恋心を美しく表現しているのが、文学って感じがして素敵です。ラストシーンのホタルは、いろんな事柄の象徴なのでしょう。


螢川・泥の河 / 宮本輝 / 新潮文庫 / ISBN : 4-10-130709-1

~余談~

実は、宮本輝は、一時期ご近所さんでした。息子さんと私の妹とは小学校で同じクラスになったこともあり、「宮本君のお父さんは小説家なんだって」ということも聞いていましたが、その当時は小説に興味もなく、宮本輝なんて聞いたこともありませんでした。これが昭和60年頃の話、すでに泥の河・螢川が発表されて7~8年経っており、大作家です。なんと!

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