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2011.02.10

『イノベーションのジレンマ』

既存事業の価値観での「よりよいもの」追及では、新たな価値観の競争で敗北する。そんなことを主張した一冊です。

この本で「破壊的イノベーション」と呼ぶ新たな価値観での技術革新。この本で取り上げられているのが、容量増大が至上命題であるディスク装置に小型化という新たな価値観を持ち込んでの技術革新。これに、既存大企業がどうして取り組めなかったのかを描いています。なるほど、今日の顧客の声を聞いていると、明日の顧客の満足は得られないわけだ。

この本ではあまり取り上げられていない小売りでも同じことが言えるのでしょう。洋服にしても、百貨店→駅ビル→ファストファッションと主流が変遷しているのは、この破壊的イノベーションなのかもしれません。特に百貨店などの歴史のある大企業は「お客様のご意見」などを収集する手段を持っていて、顧客の購買行動を分析する手段を持っています。それによって既存の価値観での向上(持続的技術での向上)を常に行い、破壊的イノベーションに追随できないという理屈でしょうか。

既存組織は破壊的イノベーションに取り組めないと本書は説きます。既存組織とは別のプロセス・価値観を持つ小さな新しい組織でないと破壊的イノベーションにおいては成功できないと。ユニクロと別事業になっているg.u.なんかは、そういう意図で作られたのでしょうか。全日空が別会社を設立してLCC事業を始めるのも、同じ理屈かもしれません。

「新たな一歩」を考えださねばならなくなったときには必読の書と言えるでしょう。

イノベーションのジレンマ / クレイトン・クリステンセン / 翔泳社 / ISBN4798100234

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