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2011.05.07

企業の目的

企業の存在目的。経営理念などを掲げ、社会に貢献する事業を行うことがその企業の存在目的であるとすることが多いですね。

私が社会人になって最初に入社した会社の6ヶ月めの研修で、講師に「会社は何のためにある?」と聞かれたことがあります。答えは、儲けるためです。経営理念などは、儲けるための手段でしかないのです。実際には世間には色々な組織があり、利益追求が目的ではない組織もたくさんあります。しかし、公開・上場している株式会社は、利益追求の目的を免れることはできません。

東京電力や中部電力も、上場企業です。事業の目的は利益追求です。ありとあらゆる活動が、利益目的である必要があります。(電力会社は利益追求が目的でなく社会基盤整備が目的だとすれば国などが事業を行うべきですし、少なくとも上場すべきではありません。)

福島第一原発事故においても東京電力の社員や経営者が様々な活動を行っていますが、これらは全て利益追求の(あるいは損失拡大を食い止めるための)活動だと考えるべきです。いくつかのアクションに対してマスコミなどが「保身だ」と意見していますが、上場企業の構成員としては会社を守る動きしかできないよう仕組みが作られているのです。

昨日、首相から中部電力に対し、浜岡原発を停止する「要請」が出されました。これを受けた本日の中部電力の取締役会ですが、なんと結論保留。浜岡原発を停止すれば年間2500億円の費用増につながるので、取締役会も非常に難しい問題を投げ掛けられているのだと思います。話をややこしくしているのが、首相からの「指示」ではなく「要請」だということ。拘束力がないわけです。別に従わなくてもいいのに停止したとすれば、取締役会は2500億円の損失を出す決定をしたことになります。取締役会は利益追求のための決定をしなければならないのに、損失を選択することになってしまいます。この選択は株主代表訴訟を起こされた場合、非常に不利になることが想定されます。

だからと言って、運転を継続することは高リスクを受け入れることになり、見えない損失を重ねることになります。首相要請を断ることによる営業活動面での不利益もあるでしょう。

こんなわけで、非常に難しい判断を突き付けられている中部電力取締役会。近日中には何らかの判断が下されるでしょうが、どんな要素をどう解釈し判断に至ったか、そんなところもぜひ知りたくなります。

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