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2012.10.04

『商店街はなぜ滅びるのか』


商店街の話というより、高度成長期に最盛期を迎え、バブル崩壊期に終焉を迎えた個人商店の栄枯盛衰について語った本です。

個人商店とその集積である商店街は、昭和時代の古い規制によって成り立っていたものだと筆者は説いています。実際に、バブル期前後からの規制緩和によって個人商店は崩壊していったのですから、個人商店の存在は規制の賜物だったんでしょうね。

本書では、雇用調整の観点からの個人商店維持のための規制強化の経緯を詳しく書いています。でも、本書のタイトル「なぜ滅びる」に至る規制緩和の流れについて議論不足だと感じます。

私自身、個人経営の酒販店の経営が規制緩和によってみるみる悪化していくのを肌に感じて育ってきたので、その根底にあったものは何だったのかとても知りたく思っています。(将来的に規制緩和するにしろ、その規制で実際に生きている人間がいる以上は「人間」を淘汰するわけにもいかないので、規制緩和の速度は制御すべきだというのが私の持論です。)

個人商店や商店街が政府のいろんな思惑で形成されていったということを本書で学びました。そういう時代の終盤に形成された多摩ニュータウンの近隣商店街の現状が見るに忍びない状態なのですが、転換期に残されたものをこんな形で残しておくなんて…とさらに憤りは大きくなりました。

あとがきにある筆者の境遇が、私の育った環境を思い起こさせるのが何とも…

ところで、社会学者たちの喧嘩を売るような断定口調はなんとかならないものでしょうか。


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