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2012.12.24

『日本の路地を旅する』


このタイトルにある「路地」とは、いわゆる被差別部落を指します。

部落差別問題が何となくスッキリしないのは、結局現状はどうなのかさっぱりわからないことです。

同和対策事業が終了し、しばらくしてハンナン事件が発生したりで、その頃に部落差別問題は終わったのだろうな程度に軽く考えていました。しかし週刊朝日の「ハシシタ奴の本性」で、まだ部落差別問題は残っていたんだと知りました。

本書は路地出身の著者が全国各地の路地を訪ねた思いを綴った随筆です。路地特有の職業や食べ物があり、その縁で路地同士が繋がっている様子が描かれています。筆者は路地の実態を調べることを目的にしているというより、自分の故郷との縁を探すために旅をしているという印象を受けます。

旅先で会うのはたいてい年配の人。戦前生まれの人が多いのではないでしょうか。その世代の人は、路地で生まれ育ったことをずっと背負って生きてきたのだと思います。筆者は僕と同じ段階ジュニア世代。おそらく、同和教育が盛んだった最後の世代ではないでしょうか。時代の変化で路地出身者のアイデンティティを失い、そのアイデンティティを求めて旅しているという受け止め方もできます。

本書の終盤では、路地出身の若者に会ったこと、そして半ば逃亡者のように生活している兄のことが書かれています。でも、筆者にとっての結論を得られぬまま、この本は終わってしまいます。


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