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2013.01.17

『システム障害はなぜ二度起きたか』

タイトルにある二度のシステム障害は、
2002年4月に発生した、富士銀+第一勧銀+興銀合併の際のシステム障害
2011年3月に発生した、東日本大震災義援金振込集中をきっかけとしたシステム障害
の、みずほ銀行で発生した大規模システム障害のことを指します。

これらの障害の発生原因について、みずほフィナンシャルグループの経営組織体制を疑い検証した書籍です。

本書は
・とにかく経営が悪い
・システムベンダーは無罪
・情報システム部頑張れ
という論調です。

責任を取らない経営がとにかく悪く、情報システムを理解しない経営が悪く、システム投資をケチる経営が悪い。そんな論調です。当然、企業活動はすべて経営者に責任があり、従業員は経営者に対して責任があります。なので、経営のせいにしてしまえば正論です。でも、どこか違和感が残るのです。

メガバンクの情報システムは巨大で、全体像を掴むことは非常に難しいことだと思います。だからこそ「人間」に全体像を掴ませるのではなく「組織」に全体像を掴ませる必要があります。そのための「組織」を作り上げるのは経営の責任であり、組織に属する全ての人間が組織の目的のために動く責務があります。いままでは全体を俯瞰できる人間が組織を率いればよかったのですが、複雑化してくると俯瞰できる人間なんかもういないんだという割り切りも必要なんだと思います。俯瞰するための組織を俯瞰する経営者。これからはそういう人間が求められているのだと思います。

日経コンピュータ誌はいろんな企業活動のなかで情報システムだけに興味がある集団ですから、経営の大部分が情報システムにあるとの視点を持っても仕方がありません。でも、情報システムは企業経営の一つの道具でしかなく、経営そのものではないことは明らかです。しかし、非常な道具であることも明らかです。

これからの経営は、非常に大事な「道具」である情報システムに対して過度に恐れず、過度に避けることなくバランスを取った舵取りをしてもらいたいものです。

そういうバランスはどこにあるのか?ということを各企業の経営が探るために、みずほ銀行の二度のシステム障害が教訓になれば、と思います。


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