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2013.03.16

『「標準模型」の宇宙』

たまにはやや気合いの入った(でも大学の教科書ではない)物理学の本を読みたいなと手に取りました。入門書以上、専門書(大学の教科書)未満の微妙な立ち位置にいる本です。

統一理論では超紐理論などが話題性がありブルーバックスなどの入門書籍も多いのですが、本書はあえてリー群SU(2)といったゲージ理論一歩手前のところの解説を重視しています。このぶぶんが、かなり面白い。正直僕が物理学科の学部生だったころは素粒子論の教科書に書いてあることはさっぱりわからなかった。(水素原子の電子の波動方程式を解くことと、素粒子の名称と性質を覚えることで何とか単位は取得できた。) この本を読んで、あのたくさんの素粒子の性質はこういう切り口で理解できるのか!と膝を打つ思いでした。

10次元なんていう突拍子もない空間を扱う超紐理論の入門書はなかなか言っていることがわかりにくいですが、あえて地味なところを狙ってリー群SU(2)を丁寧に説明するという、かなり画期的なアプローチです。ほんとうに物理はこういうことをやっているんだよということを読者に知ってもらいたいのだなと感じます。そのかわり、かなり大胆にヤマを張っての解説になっているので、ニュートン物理学から素粒子学の間の部分の解説が全くなかったり(物理学科の学生は量子力学という分野で勉強します)、リー群から素粒子論への接続が甘かったりするので「きちんと」勉強したいひとには不向きな書物ですね。でも、いまの物理学ってそもそも何をやっているの?という疑問に答えてくれる良書だと感じました。

いろんなことを覚えながらでなくてはきちんと先の章に進めないのですが、読み込みが甘いまま最後まで読み進んでしまった。半年後くらいにもう一度読み返したい本です。


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