« アクアブルー多摩と公営プールのあり方 | トップページ | 小野路宿里山交流館って何? »

2013.07.17

『謎の独立国家ソマリランド』

東アフリカの国「ソマリア」は長い間内戦状態で、無政府状態が続いているという認識を持っていました。確かにWikipediaなどを調べても、内戦が進行状態であることがわかります。なのに「謎の独立国家」って?と興味津々で本書を手に取りました。

本書は探検家の著者が二度にわたりソマリランドおよびプントランド、南部ソマリアを現地取材した紀行文の形式をとっています。構成が紀行文なので、ソマリランドなどソマリア内戦の現状を系統立てて整理して読者に伝えるものではありませんが、「なんだかよくわからない」ソマリアの状態の緊迫感と、現状の「平和」状態が肌で感じるように伝わってきます。この先どうなんの?マジで大丈夫なの?なんて思わせる展開もあります。

ソマリア北部のソマリランドは、ソマリア内戦から勝手に独立して、国際社会からも孤立しているというイメージがもたれています。実際に、ソマリランドは国家承認されていません。でも、著者はなんとかビザ(?)を取得し、入国。いちおう国際社会とつながりはあるんですね。

超インフレで、出稼ぎの仕送りで成り立っている経済。アフリカ最貧国の一つとして挙げられますが、この本を読んでいる限りではそんな悲惨さは感じられません。みんなつかの間の安定した国家を満喫しているようです。著者は2回めの訪ソマリアで、東部のプントランドや南部ソマリアにも訪れますが、これで北部のソマリランドとの治安の違いが明らかになります。いちおう国家承認されている南部ソマリアの治安がヒドい状態で、北部のソマリランドは治安がよいという皮肉な状態。

この本では、ソマリアの各地域の氏族を平安後期や戦国時代の武将に例えて説明しています。それはそれでいいのですが、本文でも「イサック奥州藤原氏」などと書かれています。読者にわかりやすくイメージしやすい工夫をしたつもりなのでしょうが、かえってわかりにくくなっているかなという感触を持ちました。この点が残念でした。

エチオピアやルワンダなど、紛争が絶えない東アフリカですが、ソマリアの状態は終息の気配もみせません。そんななか現地に乗り込んで行った著者の貴重な紀行文は一読の価値ありです。


|

« アクアブルー多摩と公営プールのあり方 | トップページ | 小野路宿里山交流館って何? »

コメント

>紛争が絶えない東アジアですが
東アフリカですよね(^^;

しかし「イサック奥州藤原氏」??なんじゃそれですね。

投稿: カノン | 2013.07.20 19:16

カノンさん>ご指摘ありがとうございます。本文修正します。

投稿: くろかわポタリング研究所 | 2013.07.21 22:01

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« アクアブルー多摩と公営プールのあり方 | トップページ | 小野路宿里山交流館って何? »