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2014.02.11

『原因を推論する』

政治学に用いる論理学の解説書といったものでしょうか。政治学者のTwitterで紹介されていて気になったので手に取りました。

「因果関係」についての解説書になっています。論理学関連のビジネス書はたくさんありますが、政治学を視点に説くものは珍しいですね。しかし、基本からきっちりと書かれています。

社会学者的な独特の文調ですが、そのへんは我慢して読み進めます。

序盤に「因果関係が成立するための三条件」が書かれています。この三条件がこの本で一番重要な事柄です。

(1) 独立変数と従属変数の間に共変関係がある
(2) 独立変数の変化は、従属変数の変化の前に生じている(時間的先行)
(3) 他の変数を統制(コントロール)しても(他の変数の値を固定しても)共変関係が観察される

本書は、この三条件をいろんな政治学の事例に照らして、きちんと因果関係が成立しているかの検証を行なっているという流れになっています。

自然科学では様々な実験を行なって「三条件」を検証することが一般的ですが、政治学など社会現象を扱う学問分野では実験を行なうことはたいてい困難ですので、いろんな事例から統計などで因果関係を推論し、検証することになります。本書の後半では「単一事例研究」という、三条件を捉えることが非常に難しい案件に対する扱い方を解説しています。

特に、最近はプロブロガーの登場などで、組織で議論を検証することなく広く公開される意見が増えているので、因果関係の正しさを読者が検証しなければいけない場面が増えていると感じます。実際には「脊髄反射」的にネット民が反応し炎上するケースも多いのが現実ですが。

ビジネス分野においても、単一事例における因果関係を推論し検証する場面に頻繁に遭遇します。そういう場面で、ある程度正しく因果関係を見極め、意思決定を行なうことが求められますので、本書はそのための訓練にもなったと思います。

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