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2014.04.17

『アメーバ経営』

京セラ創業者による、京セラ流独立部門採算制を紹介する本です。

タイトルにある「アメーバ」とは独立部門採算制における採算組織単位のことです。一般の会社では「課」だとか「係」だとかいう組織単位が該当するのでしょう。実は、私が以前勤めていた会社では独立部門採算制を採用していました。採算計算組織範囲は「営業所」「課」といった課長クラスが掌握する組織でした。それくらいの規模の組織で収益を管理するというのが、いちばんコントロールしやすいのだろうなと感じています。きっと「アメーバ」もそれくらいの規模感が妥当なんだと思います。

しかし、以前勤めていた会社はサービス業であり、在庫・仕掛品といった勘定科目は存在せず、部門間取引も車両の貸借、繁閑の部門間労務提供、倉庫面積の貸借などで、部門間売上計上が比較的容易でした。しかし、京セラのようなメーカーで独立部門採算制を採用しようとすると、仕掛品の価値に前工程の部門利益を乗せる必要があり、その利益水準については前工程と後工程の利益相反がが生じてしまいます。
最終的に判断する経営トップ、事業部長などは、アメーバリーダーたちが納得するような正しい判断基準とすばらしい人格を兼ね備えていなければならない。(p.186)
と、京セラでも利益相反の調整にそうとう苦労している様子が窺えます。

本書を読んでいて気付いたのが、採算の基準が「時間あたり」であること。労働生産性ではなく、時間あたり総付加価値が基準にあることがわかります。

労働生産性=(生産量-経費)/人件費 … (1)
時間あたり総付加価値=(生産量-経費)/時間 … (2)
これは
人はコストというより、付加価値を生み出す源泉であるという考えられている(p.195)
という考え方に基づいてるようです。でも最終的に(2)と労務費単価を比較していることから
(生産量-経費)/時間 : 人件費/時間 を算出しており、結局は(1)を導いているんですけどね。

京セラ会計原則の実践(p.149〜)に、京セラの厳しさを垣間みました。
独立部門採算制を採用していると部門収支が直接個人の業績に反映してしまうことから、会計不正が発生するリスクが高まります。京セラもこのリスクを認識し、「一対一対応の原則」「ダブルチェックの原則」「キャッシュベース経営の原則」「ガラス張り経営の原則」ということで厳しい内部統制対応をしていることが窺い知れます。また、「完璧主義の原則」「筋肉質経営の原則」「採算向上の原則」で採算単位における業績のコミットがかなり厳しいこともわかります。結局はこの厳しさが世界有数の電子部品メーカーを育て上げたんだろうというのが感想です。


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