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2017.05.24

『午後8時の訪問者』


知らない誰かの死に対する、後悔。タイトルの「午後8時の訪問者」は、主人公が営む診療所に逃げ込もうと診療時間後にベルを鳴らしたところの描写。主人公が扉を開けなかったことにより「訪問者」は何らかの原因で死んでしまう。主人公は後悔の念に苛まれ、事件を追う。

サスペンスものだが、サスペンスものの派手さはない。徹底的に地味に映像を作っている印象だ。予告編にもある黒人に車を止めさせられるシーン、そのシーンを印象的にするためのコントラストだろう。

低所得者層の居住地区の診療所の医師という設定。登場人物の中で自分だけがエリートという立場。途中に出てくるセリフ「偉そうに」が、この立場を集約している。不法移民が多い社会を描いているが、それが物語の本線なのかもしれない。エリートが、誰ともわからない黒人女性を悼むという心だけで、なんとかストーリーが進む危うさを味わうのが、この映画の楽しみかもしれない。

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