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2017.10.17

『LIFE SHIFT - 100年時代の人生戦略』

高齢化社会の進展に伴って就労などを含む人生設計に不安感を持つことが多くなってますが、その中で一つのプランを示した著書です。

この本では、1945年生まれ(日本でいう団塊)のジャック、1971年生まれ(団塊ジュニア)のジミー、1998年生まれのジェーンの3人をモデルに、世代ごとのあるべき人生設計を描きます。

終身雇用と定年制の社会制度で何ら困ることはないジャックの世代に比べ、ジェーンは雇用を固定化せず、いろんなレールに乗り換えてスキルアップし、老いてなお活躍するプランで長い人生を送ります。

これだけ読むと、なるほど、自分の進む道を早い時期に固定せず、寄り道しながらスキルを身につけるべきだと思ってしまいそうですが、ジミーは能力が高く運もいい、極めて稀な成功例だと思います。そうでない多数が長い人生をどう送るかの回答にはなっていないんですよね。このことは終章になってから著者も認めていて、ジェーンのような人生を送ることができるのは高スキル人材だけであって、中低スキル労働者がどう生きるかは社会の課題であると、、、。

あと気になるのが、人が歳を取っても努力を継続すれば能力は衰えないという前提。現実を見ていたら、人によっては50代半ばから事務遂行能力に翳りが見え始め、60代半ばでは一部の人を除き厳しい状態になっているかと。70歳を過ぎてもなお能力が衰えず指導力を発揮することができるのはごく一部に思えるのです。

本書の言うキャリアを中断してスキルを付ける生き方は、現実世界ではなかなか難しい。企業は雇用にあたって「ハズレ」を引くわけにはいかないから雇用が固定化してるのが今の日本の現状。もっと画期的に雇用が流動化する政策を取らなければ本書が前提とするような雇用環境にはならないのですが、移行期に痛みを伴う人が相当多いと想定されるので、そういう政策はなかなか選択されないと思います。

そんな中で、自分はどうするか。まずは65歳まで勤務先に見捨てられないようしがみ付くとともに、せいぜい今の知能の衰えを遅らせるための努力をしないとなあ。

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