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2017.11.15

『人工知能の核心』

夏頃に人工知能を取り上げるNHKスペシャルの番組があった。ここで代表的なAIとして取り上げられているのは、将棋ソフト。この番組の取材にトップ棋士の羽生善治が大々的に協力しているのですが、その取材の際に得た知見を文書化したのが本書です。

本書は技術書でもなんでもなく、また著者の羽生善治棋聖もAIの専門家ではありません。ただ、日本人のなんとなくのイメージで現在の日本の頭脳を代表するものは羽生であり、進化するAIに対峙すべきは羽生だという感覚があるのでしょう。なので、この人選。

本書を読んで、専門家ではないけどAIの近くにいてAIに思うところがあり、聡明で常識的な感性を持つという羽生善治に取材協力してもらったという実績は、今後AIを実用化していくにあたり非常に有益だったと思います。AI専門家の観点ではなく、それを受ける側の観点を専門家に示し、「人間」の頭脳の権威として意見を言ったことが、専門家に今後の方向性を与えたのではないでしょうか。

本書の書評として、AIの入門に!なんて表現を見かけますが、本書はそういう目的で読むと肩透かしです。専門家の意見を聞いて、素人としての解釈を本に落としただけです。AIの専門家の話はわからないけど、一般人としての解釈だけストレートに知りたい目的ではいいかもしれませんね。

後半はAIの倫理関係。サンデルの例題みたいな人間でも解けないような倫理の課題をAIが与えられちゃうかもしれないなんて考えると、恐怖ですね。

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