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2019.04.18

『父が娘に語る美しく、深く、とんでもなくわかりやすい経済の話。』

ギリシャ元経済相が書いた経済本。高校生にもわかる〜系かなと手に取りましたが(実際にはKindleにダウンロードだけど)、中身は経済格差についての筆者の思うところを書き連ねている本でした。

主な論点は、(1)通貨の統制について (2)市場の統制について でしょうか。

通貨の話でギョッとしたのが、筆者がこの本で、銀行や中央銀行はやお金を「どこからともなくパッと出す」と表現しているところです。まあ借主の通帳の残高を増やすのは通帳に書けばいいだけなので、そうなんでしょうけど、それってあまりに偏った思想でありピュアな「娘」に説明すべきことじゃないでしょ。この人、ギリシャ危機に際しても、どこからともなくパッとドラクマを出したかったんじゃないの?って考えると怖いんだけど。(本当にパッと出しちゃってるアベノミクスと黒田マジックはどうするのか知らないけど。)

ゆきすぎた市場化が富裕層と貧困層を隔絶しているという主張は、労働の価値をけっこう雑に扱ってるからどうかなぁと感じます。経済学者のことなので研究室では納得のいくまで計算して、一般書にはそんな計算を書く必要がないので雑に見えるようにしか書いてないんでしょうけど。

かなり極端な論調ではあるものの、通貨と市場について考えるきっかけになるいい本だと思います。娘には勧めないですけどね。


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