カテゴリー「書評」の483件の記事

2018.07.20

『1分で話せ』


プレゼンテーションで、相手に「動いてもらう」。そう、伝わるとか感動させるとかがゴールじゃなく、相手に動いてもらうことがゴール。そのための要所をスッキリ・カンタンに解説してくれている本です。ロジック、簡潔化、例示、そして動かす。もう、これだけ。

この本だけ読むと、プレゼンとか、たかがこんだけのことかと思いますが、本書に至るまでに著者はロジカルシンキングやらピラミッド技法やら、かなりの勉強を積み重ねているはず。その上で成功した体験を単純化して本書に落としています。ということで、みなさんいろいろ勉強したのち頭が混乱してきたら本書で整理することにしましょう。

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2018.07.19

『How Starbucks Saved My Life』


英語多読の目的でKindleに落とした本です。

文章は平易。でも284ページと長い。Amazonによると読み終えるまでの平均的な時間は3時間48分だそうですが、僕は19時間くらい要しました。これではTOEICのReadingは相変わらず間に合いませんね。

広告代理店エリートビジネスマンがクビになってスタバでバイトをする話。そこで年寄りながらも認められ、今更ながらの成長物語を描きます。ところどころ挿入される少年期のセレブ生活や中年期のビジネス成功物語。これがどのように物語にスパイスになっているのかが、正直読み込むことができませんでした。やはり4時間で読まないとリズムが途切れて物語全体が把握できなくなってしまうようです。しかも、感情などの曖昧な表現を英語では理解できず読み飛ばしている部分も多いのかも。

この284ページで、読解力は上がりましたでしょうか?

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2018.07.18

『猫組長と西原理恵子のネコノミクス宣言』

元インテリヤクザで経済事件を生業としていた暴力団組長によるエッセイ。

全般的に、話がでかい。正直、大ホラ吹きの話にしか思えないし、実際かなり盛っているんだと思う。でかい見せ金を元手に大金を動かすとか、テロ組織が絡む危ない石油を世界を飛び回って調達するとか、まあネタとして面白いではないか。ラノベでも小説でもなく、体験記形式ってのが新鮮。ああ、そんな考え方もあるんだなとは思うけど、本の中の世界だけにしておきたいね。

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2018.06.27

『自閉症の世界』


最近なんだか発達障害ブームである。成毛眞が勝手に発達障害を(たぶん無診断で)表明したり、堀江貴文が多動なんて言葉を用いて本を書いたり、NHKが少数の事例をキレイごとで報道したり。

結局、発達障害の全容を掴む情報が見つからないと思ってたところ、本書が見つかりました。

結論から言うと、本書は自閉症って何?の疑問に答える内容ではありません。自閉症に対する研究史をまとめたものと言っていいでしょう。

自閉症の一つの症例に自身の名が付いているアスペルガーや米国での上司であるカナーの研究過程が根幹。ただアスペルガーはオーストリアの医師で、ナチスによる民族浄化との関わりが微妙なようである。特別小児病棟の究極的医療支援(精神病の子どもは殺す)なんておぞましい記述も本書にあり、ちょっと前まで差別や偏見どころではないところに患者が追いやられていたと知ることができる。日本の優生保護法の問題は、問題のごく一部でしかないのだろう。

後半の、例えば「DSM-Ⅳ修正版」のくだりで、自閉症診断の手法がまだまだ定まっておらず、手探りであることが推測される。この分野、まだまだ最先端の研究者ですら難しいのだ。適当な有名人がしたり顔で発言すべきじゃなさそう。

本書にもあるし成毛の本などでも触れられているが、自閉症スペクトラム患者は従来社会では活躍しにくいもののシリコンバレーでは主役であるという論説。これは、ごく一部の自閉症スペクトラム患者が活躍の場にIT分野を見出した(少し前なら芸術分野もそうだったか)に過ぎず、自閉症スペクトラム患者がみんなIT分野で活躍できるわけではないということに留意したい。その上で、患者が社会でどのような活躍ができるか考え、場を提供する組織が必要であろう。そうでないと、特例子会社での福祉就労的な活躍(と言えるか?)にとどまってしまう可能性が高い。

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2018.06.22

『焼肉ドラゴン』


戦後高度成長期にいわゆる朝鮮部落で育つ姉妹を描いた映画。

戦時の日本の政策と戦後の朝鮮半島の混乱の結果として不法占拠地のバラックで生きている故の複雑な環境。ホルモン屋を営む父は「働いて、働いて、働いて」貧乏ながら子どもらを何とか育てる。貧乏ながらも何とか生き抜いている、という感じ。とても良い暮らしをしているとは言えないが、だからこそ小さな幸せを噛み締め泣き笑いしている。

不法占拠バラックに人生があるとに今まで目を向けてこなかったし、今世紀になって不法占拠バラックはかなり解消している。でも、どう解消したのか、解消する過程でどんな人生ドラマがあったのかは知らない。(在日4世が今や中高生くらいだが、すでに差別もなく安全で清潔な住宅に住み普通に学校に通っていることを願う。)

平成の時代すら過ぎ去ろうとし、戦後日本が忘れ去られようとしているこの時代、いいタイミングで映像化できたのではないかと思う。これから次の時代の日本、戦前戦中のことだけでなく、戦後のことも反省した上で次の時代を築いていきたい。

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2018.06.17

『VISION』


山奥に籠って住む男と、フランスから幻の薬草を求めてやってくる女性の物語。山、森、雨。雄大で神秘的な映像が続く。台詞にフランス語を持ってきたのも、神秘さを際立たせるための選択だろう。

神秘さを描くのに「素数」を用いる。何も交わらない素数と、孤独な山守りとの対比。計算できないことが計算ずくである。

娯楽作品ではなく、芸術作品。ストーリーは曖昧に描き、観客側に委ねている。ここはあえてストーリーを追わないのが好手かと。

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2018.06.11

『万引き家族』

是枝裕和監督の作品。『誰も知らない』のテイストの。誰も〜と違い、この作品には社会から見捨てられた子供を救う大人がいること。この救いが血縁に拠らず、社会的にも認知できない縁での救いというのが物語のポイント。

血縁だから、産んだから家族なのか、共に時間を過ごし共に苦楽を味わうから家族なのか。豊かだからいい家族で、貧しいから悪い家族なのか。適法だからいい家族で、違法だから悪い家族なのか。終盤、引き裂かれてゆく「家族」を見ての感想は、怒りなのか、安堵なのか。そして最後に「自宅」の前の廊下から見たものは、何だったのか。


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2018.06.07

『マンガで身につく多動力』


飲み会で堀江貴文と同い年である事を言ったら同僚が貸してくれた本。

いくつかのケンカ腰の格言が痛快。

「経費精算を自分でやるサラリーマンは出世しない」
→非コア業務をアウトソーシングする考えには同意だが経費精算のような結合度が強い業務はインタフェースに要する労力が大きくアウトソーシングには不向き。やるなら個人秘書を雇ってモジュールそのものを大きくするくらいしなきゃ効果が出ない。

「大事な会議でスマホをいじる勇気を持て」
→出るな。

「見切り発車は成功のもと」
→オマエはライブドア事件で何も学ばなかったのか。懲役が全くのムダやん。

とまあ、ツッコミどころ満載である。ホリエモン流の煽ってナンボな感じが著書からも溢れ出てて愉快。

このマンガの本編で描かれている会社のことだけで言うと、会社での仕事は出資者から資産を預かり定められた役割を果たすのがサラリーマンの任務なので、主人公「堀口」の働き方は全くのNG。こういう人間はとっとと起業するかフリーランスで興味を持ったものに飛び付きつつ生きるべきだと思う。そもそも、人に雇われる人生の否定が主張なのかもしれないが。

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2018.05.31

『友罪』

人の命を奪った者の、その後を描く作品。

罪はいつまで償い続けなければならないのか。許されないなら、どう生きればいいのか。テーマも重いが、映像もかなり重い。加害者の家族は罪を償い続けて当然だというのか、加害者家族は解放されるべきだいうのか、この作品の意見の視点も難しい。

広告では「少年A」に焦点が当てられているが、作品ではいろんな贖罪が同時並行で描かれていて構成がかなり複雑。長い小説(読んでないが)ならともかく、短い映画作品の中でこれだけのものを盛り込むことに無理があったのではなかろうか。とにかく課題だけばら撒いといて、制作者に逃げられてしまった感すらある。

大人になった少年Aを頭のおかしなヤツ的な描き方をしているのも、少し気に食わない。



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2018.05.24

『孤狼の血』


東映ヤクザ映画。って言っちゃえばそれだけの作品。豚小屋での拷問、ヤクザ事務所で踏ん反り返る捜査二課の刑事。親分とチンピラと、ナイフと拳銃。血が飛び散り、美女の乳房が揺れる。テンコ盛りである。

本部エリートと現場叩き上げの確執が伏線なのかメインなのか、松坂桃季が広島大学出身の県警本部の人間、役所広司が所轄捜査二課でヤクザべったりの刑事という関係。「広大の学士様」という言い方で昭和の娯楽映画の雰囲気を出しているのだろうか。(東京の大企業で働いていると旧帝大卒の人も何とも思わないが、昭和時代の地方の現場だと感覚が違うのかも。)

捜査二課のトップ刑事が正義を持って守るものはヤクザなのかカタギなのか警察組織なのか自分の保身なのか。そんな事を考えながらも、ヤクザがスナックで女を侍らす昭和の悪いヤツを堪能させてもらいました。

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