2022.05.25

『流浪の月』


他人の人生を壊してしまった後悔が呪縛となり、抜け出せないもどかしさ。異質なものを背負った人生は、周囲を傷付けながら生きていかなくてはならないのか。あるいは、周囲から傷付け続けられることが運命なのか。

もどかしさに、雨が追い討ちをかける。雨が運命を変えたことを観客に印象付けることで、その後に雨のシーンを見るたびに主人公たちの不運を共感するように作られている。そして、水、月もである。

松本というなんてことはない地方都市を美しく描いた映像という表現もできるだろうか。地方都市ゆえの匿名性と世界の狭さも絶妙だし。

| | コメント (0)

2022.05.21

『女のいない男たち』

映画『ドライブ・マイ・カー』の原作を含む村上春樹の短編集。キザでエロティックななファンタジー。

村上春樹を物語として楽しもうと思ってはいけない。春樹ワールドを楽しむんだというスタイルで読まなきゃいけない。気軽に春樹ワールドに浸れる短編集でした。

| | コメント (0)

『はじめてのグラフィックレコーディング』

日本の会議室からホワイトボードと「文章」が消えつつあります。ホワイトボードはデジタルツールに置き換わる。記録は文章から図解に置き換わる。ただ、図解は頑張っちゃうと時間がかかる。加減が難しい。

本書では、会議記録としての図解にどれくらいの丁寧さを求めるのかの指針を示しているのではないだろうか。そして、小手数で効果のあるイラストの書き方を示している。例えば、棒人間でもリアリティのある人間でもなく、箱人間を提示している。顔も、ごく簡単な基本パーツとバランスで表現。これを実践することで、効果的なビジュアル会議記録を取ることができ、効果的なファシリテーションも可能だ。

ただ、一つ一つ、難易度が高い作業がサラッと書いてある。イラストレーター、デザイナーだから実践できるのであって、事務職にこれは無理ではないか?いや、実践を積むべきか。Img_9784798164885_1

| | コメント (0)

2022.05.04

『ノマドランド』

昨年に気になっていたが観ていなかった映画をようやく観た。

・美しい自然
・過酷な人生

これを、どう融合させて作品に仕上げるか。これに注力したのだろう。意図したであろう通りに美しく仕上がっていて、圧巻であった。アメリカの広大さもディスプレイから伝わってくる。

平穏な定住生活の選択肢もありながら、あえて過酷な放浪生活を選択する。フランシス・マクドーマンドの意思の強さの演技に引き込まれた時間だった。

| | コメント (0)

2022.05.01

『パリ13区』

大都市パリの辺縁にある団地街なのだろうか。無機質なコンクリート住宅の概観から映画は始まる。そして、徹底的に無機質なセックスシーン。これをモノクロで美しく表現する。


人との繋がりを感じられない都会の生活で、それでも僅かな繋がりを確かめるために肌を合わせる。あるいは、繋がりなんてないから一時の快楽を求めているだけなのかもしれない。快楽すら得られないかもしれないのに。


モノクロだから大胆に描けたのだろう。カラーで生々しく表現してはいけない。心が折れそうな孤独を美学として描いた作品だ。


R18指定の映画にも関わらず観客はほぼ年配女性だった。ジャンルとしても、かなり特殊なのか。

https://longride.jp/paris13/

https://youtu.be/y1aYOFr389g?list=TLGGbDPFy22qufkwMTA1MjAyMg

| | コメント (0)

2022.04.25

『頭がよくなる「図解思考」の技術』


前月入社した会社の会議がZOOM主体で、基本的に資料はPowerPointを画面共有。今まで好きでなかったPowerPointをむりやり使わされている状態に。報告もWordに文章ではなく、PowerPointに図解です。

PowerPointにぎっしり文章を書いてしまう人もいますが、やはり図解でしょ。で、Kindle Unlimitedを検索して出てきた本を読み始めました。

図解を複雑に考えちゃタイヘン。なので、基本的に使う要素は四角と矢印のみ。で、要素の組み合わせも次の6つだけと考えるとわかりやすいそうです。
・ツリー
・マトリックス
・フロー
・サテライト
・サイクル
・グラフ

主要なビジネスフレームワークもだいたいこの形。なのでこの基本さえ押さえておき、基本に立ち返るように図解をしていけばシンプルでわかりやすい図解になるようです。

本書は手書き図解ベースでPowerPoint図解とは少し勝手が違いますが、きっと基本は同じ。意識して仕事に取り組もう(=パワポ作りに勤しもう)。

| | コメント (0)

2022.03.21

『説明がなくても伝わる 図解の教科書』

Kindle Unlimitedで見つけた本。いまの勤務先はZOOM会議が多くPowerPointでの報告が主流なので、いろんな課題や方針、結果報告を図解で示す必要に迫られています。(本当はPowerPointではなくWordでの報告スタイルが好みなのですが、でもやっぱり環境に仕事スタイルを合わせる必要がありますし…。) で、図解を勉強です。

本書は考え方を軽く簡潔に伝えています。でも、実践しようとするとかなり時間がかかる、丁寧な図解方法を示しているように感じます。でも、読み手がこんなことに躓く(=理解を諦める)、こんなことを負担に思うなど、意外に気づかないことを示してくれました。

覚えておくことは大変ですが、次の資料作成にちょっとは活かせるといいな。

| | コメント (0)

2022.03.17

『実践スタンフォード式デザイン思考』


JISTAの会合で「デザイン思考」が話題になのを思い出し、Kindle Unlimitedで探して見つけた本。これで、デザイン思考って何なのかがわかるかなと期待して読み始めました。


結論から言うと、この本ではデザイン思考が何なのかは分かりませんでした。本書に書いてあるのはデザイン思考をベースとした発想〜設計までの「手順」であり、デザイン思考ソそのものの説明はありません。


https://amzn.to/3icJnQa

| | コメント (0)

2022.03.12

『上流思考』

まず、ここで言う「上流」とは日本で言う「上流階級」とかの上流ではない。川上とか前工程と言った方がわかりやすい、そういう上流のことです。問題があるとき、目の前の事柄に対処するよりもっと前工程に対処した方がいいですよ、ってのが論旨。

日常を生きてきて肌感覚で理解している人も多いと思いますが、上流に手をつけるのは難しい、ほんと難しいんですよ。何でかわからないその難しさが本書で言語化されているので、ようやく手を打てそうです。

でも、間違った上流介入はかえって悲惨な結果を生む?これが怖いんですよね。しかも予防系の介入は成功に終わると無駄だったと言われ、失敗すると袋叩きなわけです。

上流に手を付け、効果測定を正しく行い、成否を正しく判断し、次の手を打つ。けっきょく「PDCAを回せ」って話やん、これ。


2026380b023947baab1557e01838efb1

| | コメント (0)

2022.02.27

『アイネクライネナハトムジーク』

これといった事件が起きない群像劇。運命とか背中を押される何かとかを作品に渡ってボヤっと表現する。心に刺さることがなく、それでいて心の底にじわっと残り続ける作品でした。

主演俳優の遺作でもありますが、ここは出演者のその後の予備知識を持たずに観ておきたいところ。そして、いろんな選択と決断をしてからこそある今ここの現実の幸せを噛み締めたいところ。

| | コメント (0)

«『考える技術・書く技術』