エコプラザ多摩の廃棄プラスチック圧縮梱包設備
わかはなスプラウトなどで取り上げられて話題になっている、エコプラザ多摩の廃棄プラスチック圧縮梱包設備について、多摩市役所の担当者の方に問い合わせてみました。
エコプラザ多摩に廃棄プラスチック圧縮梱包設備を導入する予定なのは、事実であるようです。
導入の経緯
多摩市では、2008年4月より普通ゴミの有料化を行います。それに伴い、多摩市で生じる資源ゴミの量が増えると、多摩市役所は見込んでいます。現在、資源ゴミについては、エコプラザ多摩にて仕分け・資源化を行っていますが、2008年4月以降は現在の設備では不足すると想定されています。
導入する設備
古紙圧縮梱包設備:建物を新規に建て、そこに現在よりも処理能力の高い古紙圧縮梱包設備を導入します。
廃棄プラスチック圧縮梱包設備:現在の建物の古紙圧縮設備撤去スペースを活用し、廃棄プラスチック圧縮梱包設備を導入します。
廃棄プラスチック圧縮梱包設備の概要
家庭より回収されたプラスチック資源ゴミは、まず破袋機にてゴミ袋を取り除きます。それをベルトコンベアに乗せ、手作業で選別します。(誤って混じっているものを取り除きます。) 選別済みの廃棄プラスチックを圧縮し、梱包します。
杉並中継所との違い
いわゆる杉並病を引き起こしたと推測されている「杉並中継所」との違いについて…
杉並中継所は不燃ゴミを扱う設備であり、家庭から不燃ゴミとしてだされたものを、分別なしに全てを合わせて処理をしていました。食品等のゴミも多く含まれているので、嫌気性細菌発生の原因となりました。多摩で予定している設備は選別したきれいなプラスチックゴミのみを扱うとのことです。
杉並中継所では、排水の中間処理槽が大きすぎ、嫌気性細菌が増し、硫化水素発生の原因となりました。多摩で予定している設備は適切な規模の油水分離槽を設置します。この油水分離槽は月に4回の清掃と月に1回の点検を実施し、適切な性能を維持させるとのことです。
なお、この廃棄プラスチック圧縮梱包設備で発生した排水については、建物地下に設置する油水分離槽にて油分を水分を分離し、水分について公共下水道に放出します。
排気について
圧縮梱包設備は室内に設置し、出入口にはエアカーテンを設置することにより、直接周辺に排気されることは防ぎます。活性炭を使用したフィルタを経由して排気します。
排気に関する課題
プラスチックゴミに付着する液体等が圧縮梱包設備で混じり、化学物質が発生する可能性があります。例えば、酸性洗剤と塩素系洗剤の容器を洗わずに資源ゴミとして収拾し、この設備に持ちこまれた場合、塩素ガスが発生します。選別工程でこれらの容器を洗浄したり除去するのは、現実的ではないそうです。また、飲み物・食べ物が付着した状態で持ち込まれても洗浄・除去できませんので、細菌発生から有毒ガス発生の可能性があります。これらについては、多摩市民に対して、資源ゴミに出すプラスチック容器類は必ず洗浄して出すことを啓蒙していく必要があります。
なお、洗剤については容器洗浄することにより下水道に負荷がかかります。例えば洗濯洗剤の場合は使いきった際にゆすいだ水を洗濯中の洗濯機に投入するなどが望ましいとのこと。食品・飲料については、水でゆすいでキレイになるものはゆすいで資源ゴミに。洗剤や湯でないとキレイにならないものについてはそもそも洗浄を行わず可燃ゴミ(多摩市の場合)として出したほうが環境負荷的にはいいとのことでした。
近隣への説明
近隣への説明会を3月中旬頃に実施する予定です。はるひ野地区については、3・4丁目に案内を配布するとのことです。その他地区の人については、近くなったら問い合わせて欲しいとのことです。
2007年4月着工、11月竣工、2008年4月稼動開始予定です。
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