対馬の不動産ブームに関する雑誌記事2件
あまり政治ネタは得意でなのですが…
読んでいる雑誌のうち2誌に、ひとつの問題の両論が載っていたので面白くて取り上げます。
WEDGE 2009年6月号に次のタイトルの記事があります。
「韓国に買われる対馬 国境の島を守れぬ日本の欠陥」
国防上重要で、自衛隊機地にも隣接する土地が、韓国人に買収されている。このことに対し日本はあまりに無防備だというのが、この記事の論調です。
クーリエ・ジャポン 2009年6月号には、次のタイトルの記事があります。
「韓国人の「対馬」不動産ブームは日本の安全保障を脅かすのか?」
韓国人による対馬の土地購入はほんのわずかだし、韓国から対馬への観光に大きく寄与するので島の賑わいに寄与するとの論調です。
オピニオン誌を複数読んでいると、たまにはこんな楽しみがあるものです。
他国の土地を所有することが、侵略っぽく見えたりするのでしょうか?
実は、北方領土やパレスチナ問題などの領土紛争で気になることがあります。それは、統治とは別の土地所有問題。国後や択捉には戦前には日本人の地主がいたのだと思いますが、その方々の所有する土地はどのような扱いになっているのでしょう? きっと、そこはロシア人が入植し、「所有」してしまっているのでは? と思います。北方領土が返還されたとき、その土地の「所有」はどのように処理されるのでしょうか。
こうやって考えると、「土地を所有する」ということそのものがよくわからなくなってきます。そもとも土地は誰かが生み出したのではなく(開墾や造成で付加価値をつけることがあるのせよ)、最初っから存在していたものです。なのに、個人で所有? しかも、都市圏の土地はちょっとやそっとの労働では手に入らない高額な地価も付きます。
日本では、大宝律令の反動としての墾田永年私財法で、土地所有が方向付けられ、武家政権による封建制、戦後の農地改正と何度か大きな転換期を迎えて現在の土地所有に至っているのでしょう。そう考えると、土地所有の歴史は、国によってさまざま。アメリカはたったここ数百年の間に土地所有制度が固まった?
なんだか、ますますわからなくなってきました。これをテーマに深く追求すると、かなりボリュームのある研究になるかも知れません。
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