先日、救急車で搬送されました。それほど大げさにしなくてもよかったのに…という思いから、ブログ記事を書いています。
経緯
新宿駅西口付近から、会社の事務所へ向かって移動中、急に寒気がしてきました。周囲の人は寒そうではないのに、自分だけがガクガク震えている。自分の体調不良っぽいということに気付きました。まずは事務所に帰って、早退するなりの対策を考えようと事務所に向かいます。
京王百貨店正面前から階段を下り、新宿西口地下広場へ。そこで、腕はこわばり、足も力がなくなってきました。歩けるが、階段を上るのは無理そう。なんとか事態を西口地下で解決しようと方針転換。幸いタクシー乗り場もあるので、今やっている医者さえわかれば医者にかかることができるはず。医療機関のことを知ってそうなのは…と思い、献血ルームに行きました。そうすると「ここでは応急措置もできないし、医療機関のこともわからない。交番に行くべきでは」との回答。
新宿西口交番に行き、おまわりさんに「今やっている医療機関を教えてください」と依頼。この時には口がガクガクで話すのは辛かったのですが、僕は自力で歩いて交番までやってきているのです。しかし「医療機関はわからないのですが、救急車を呼びますか?」とのことで、なんと救急車出動要請になってしまいました。
交番のストーブを点けてもらい、その間に事務所から同僚も駆けつけ、しばし救急車を待ちます。そしてタンカがやってきて救急車搬送。毛布をかけてもらい、寒さも和らいで落ち着いてきました。
病院の待合室で救急隊員から「自力で歩けるなら救急車の出動要請をしないで、自分で医療機関を見つけてタクシーなどを使って行ってほしい。医療機関は#7119で案内できる」と言われました。
救急車出動に至ってしまうことについて
東京消防庁 救急車の適正利用にご協力を
ここで問題を2点
・献血ルーム、交番とも「#7119」を知らなかった。
・交番ではすぐに救急車出動を要請した
このことで、タクシーを使って医者に行く意思を持っていた私も、救急車での搬送に至ってしまいました。消防署員は不満を抱いているようですが、救急車出動回避にはまだまだ解決しなければいけない課題が多いと考えます。
#7119の普及について
実は、医療機関案内専用の電話番号が存在していることは知っていました。でも、それが何番だかは思い出せませんでした。その番号くらい知っているだろうと思った2機関が、その番号を知らなかったということは、そうとう周知されていないことと思われます。
で、#7119のことを調べました。この番号は東京消防庁が独自で取り組んでいるもので、他府県では通用しません。非常にローカルな情報です。
東京消防庁 救急相談センター
なお、川崎市の場合は044-222-1919(救急医療情報センター)です。地域ごとに違う問い合わせ先では、普及しないのも当然です。都県を越えた取り組みが必要です。
救急車を呼ばないリスクについて
もうひとつ、今回の搬送に至った原因として、交番の警察官のリスク回避があったと思われます。警察官が救急車出動を要請せず私の病院搬送が遅れ、取り返しのつかないことになったら…警察官は私の症状を見て緊急性を要するものかどうかわかりません(実は、自分自身でもわかりませんでした)ので、大事をとって救急車出動要請をするのは当然だと思います。リスク事項があるときは、過少に対処するのではなく過大に対処するのが当然の場合がほとんどで、今回の事例もそれにあたります。
救急車出動を日常的に判断しなければいけない組織として、今回の交番のほか、鉄道会社の駅窓口、商業施設の案内台、ビルの管理人などが想定されますが、そこでのマニュアルは比較的救急車出動を依頼しやすくできているのではとの疑問が浮かびます。出動までに#7119判断をいれているマニュアルは存在するのかな? 組織としては当然リスク回避に動きますから、救急車出動要請は当然でしょう。
ここで、東京消防庁が救急車出動を抑制したいなら、救急車出動要請をしないことによるリスクを上記のような組織に負担させるべきではありません。法律なり条例で、救急出動を要請せずに他の手段を取って失敗したときに当該組織や関わった個人に責任を負わせないことを明確に約束する必要があります。ただし、失敗で重篤化した患者や遺族には補償が必要ですので、これは東京消防庁なりなんらかの国家機関が補償すべきでしょう。
そこまでやらないと、救急車出動要請の抑制はできないと思います。
最後に余談
献血途中で体調が悪くなったりなど健康面である程度のリスクがあると思われる献血ルームが、自らの処置室もなく、医療機関と何ら連携を取っていないことが意外でした。献血を呼び掛けると同時に、献血者が安心して献血できる体制づくりも必要ではないでしょうか。