はるひ野のアメリカザリガニ
10月5日のNHK朝のニュース番組「おはよう日本」で、全国の沼地で繁殖するアメリカザリガニの問題が取り上げられていました。
私(団塊ジュニアのアラフォーです)が子どもの頃から身近にいるアメリカザリガニが外来種ってのも今さら感が高いのですが、外来種です。最近流行りの「生物多様性」の観点から、アメリカザリガニの存在が大変な影響を及ぼしているので、注目が高まっています。
アメリカザリガニは繁殖力が高く、しかも雑食性で草・昆虫問わず食べるので、住みついた沼地は生態系が一変してしまいます。まず考えられるのが、水生昆虫の激減です。そして、水が濁って臭くなるなんて問題もあります。
はるひ野地区にある沼地は2か所。黒川谷ツ公園と、よこみね緑地の西谷戸(水辺のある里)です。このどちらも、アメリカザリガニによる生態系の破壊が危惧されています。
そんななか、黒川谷ツ公園では、地元団体などによって1年くらい前からアメリカザリガニ駆除活動が行われています。
ここでの取り組みは、ザリガニ捕獲のためのトラップを池(水田跡地)に仕掛けておくというもの。けっこう捕獲できるようで、今まで数千匹のザリガニを捕獲しているようです。それでも捕獲数が減ってこないことから、まだまだアメリカザリガニを減らしていくには時間がかかりそうです。
黒川谷ツ公園の水田跡地は、今は何にも利用されていない、半ば放置の池となっています。ヨシが繁っているのですが、数年に一度、大がかりな刈り込みが行われています。一次利用地なのにメンテナンスが行き届いていないのが難点なのですが、農薬などが全く投入されていないという現状のメリットもあります。うまくコントロールすれば、トンボをはじめ、アメンボ、タガメ、ゲンゴロウなど水生昆虫の楽園になるはず、さらにメダカ、ドジョウ、、、が、アメリカザリガニによって台無しになっている感が高いです。
正直言って、いったん荒廃してしまった里山の再生ですので、難しいところがあります。日本固有種・黒川DNAなどを期待する声もありますが、それは非常に困難なこと。でも、アメリカザリガニの単一生態系はどうしても避けたいところ。いろんな生き物が狭いながらも生態系を作り、四季を感じる公園を目指していきたいものです。
アメリカザリガニだって生き物、どうして人間の勝手でアメリカザリガニだけを悪者にして駆除するんだという声も聞こえますが、本来ある里山のバランスのことを考え、このことはぜひともご理解をお願いしたいと思います。
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