『金米糖の降るところ』
江國香織の新刊です。
なんだか軽い小説が読みたいなぁと思っていたところ、新刊書コーナーに平積みされていたので手に取りました。江國香織はそんなときに読みたい作家だったので。
アルゼンチンの日系移民の子孫の姉妹、姉は東京で飲食店を経営して成功している夫と所沢在住、妹はアルゼンチンでシングルマザーというのが物語の設定です。帯には「少女の頃、恋人を<共有すること>を誓った姉妹の運命は…。」とあります。
ブエノスアイレス近郊のエスコバルという場所の設定とか、代々木上原の別宅マンションとか、なんだか鼻につく設定が多いです。なんて言うのかな…トレンディドラマのような感覚です。冷静と情熱のあいだ以降の江國香織はこういうタッチの小説が多い感じがするのですが、この本も同様でした。
↓多少ネタバレあり
夫が不倫を重ねるものの妻は容認、しかし妻に男が現れ…というストーリー展開で、最後には東京からブエノスアイレスに舞台が移ります。この、ブエノスアイレスへの舞台移動がなんとも軽い。いや、著者としては多少含みを持たせたのちに舞台を移動したんだとは思うのですが、なんだかイマイチでした。
正直言って、作品としての完成度よりも、商業的な成功をあからさまに狙っている小説に感じてしまいます。まあ、こういう舞台設定にしたほうが映像化しやすいでしょうし。
ということで、小説だけで終わらせるであろう僕としてはあまり満足できない作品になってしまいました。
金米糖の降るところ / 江國香織 / 小学館 / ISBN9784093863100

ちなみにエスコバルはこんなところ
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