『ストーリーとしての競争戦略』
昨年に大ヒットし「スト競」なんて略語で呼ばれるまでした本です。流行っていることは雑誌を読んで知っていたのですが、手に取る機会がありませんでした。
夏に受けた昇進試験の課題発表。その評価基準の一つに突然「ストーリー性があるか」というのが出てきました。きっとスト競の影響でしょう。本書を読んでいなかったので「ストーリー性」の意味が理解できず、この評価項目は端から捨てることになってしまいました。
そんなわけで試験後に慌てて買った本書ですが、用事は終わっているので積読になってしまい、ようやく読むことに。
本書の要点は
(1) 経営書に出てくる「テンプレート」は点の記述でしかなく、それより流れの記述のほうが重要
(2) 部分的に非合理てきでも全体最適になる戦略を見出だせ
と言ったところでしょうか。なるほど、です。全体を俯瞰できないと戦略構築はなかなかうまくいかないということを「ストーリー」という言葉を使い表現しているのです。
正直言って、全体を俯瞰して把握してから物事を考えなければならないのは百も承知です。ただし俯瞰できる認識力や想像力が僕には欠けているのも事実。そんなわけで経営戦略本に書かれている道具がどうしても必要なんです。この本を真に受けると、スティーブ・ジョブズにしか製品作りができないように感じてしまいます。
そんな、天才向けの本ではありますが、ポイントポイントでは心得なきゃいけない教訓も示されています。実践はできないにしても、読んでよかったなと思う本でした。
ストーリーとしての競争戦略 / 楠木建 / 東洋経済新報社 / ISBN9784492532706
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