1月20日に東急百貨店から東急百貨店東横店の営業面積の変更についてというニュースリリースがありました。山手線渋谷駅東口にある東横店東館を来年(2013年)3月をもって閉館するというものです。
渋谷東急って、東急文化会館跡地の渋谷ヒカリエに出店して増床するんじゃなかったっけ? ここでなぜ減床のニュースリリース?と思ったのですが、整理してみるとこういうことです。
|
西館・南館
|
東館
|
東横店計
|
シンクス(ヒカリエ)
|
渋谷駅計
|
本店
|
渋谷店計
|
現在
|
19
|
13
|
32
|
|
32
|
35
|
67
|
2012.4 ヒカリエ開業
|
19
|
13
|
32
|
16
|
48
|
35
|
83
|
2013.3 東館閉鎖
|
19
|
|
19
|
16
|
35
|
35
|
70
|
(単位:千平米)
参考…「渋谷ヒカリエ」のお知らせ - 東急百貨店
おそらくシンクスは百貨店と駅ビルの中間のような業態でしょうから、IFRS基準の面積あたり売上高は百貨店業態と比べて随分と減ってくると思います。若干の営業面積増ですが、トータル的には微妙なところでしょうね。
そもそも東急文化会館がメトロ副都心線渋谷駅設置のために取り壊しになり、副都心線開通後に建設工事を行ってこの春に竣工するもの。副都心線絡みでは、東横線代官山~渋谷を地下化して副都心線に直通させる計画も進んでいるので、直通後は現在の東横線渋谷駅が不要になります。東急百貨店渋谷店東館は東横線渋谷駅の駅ビル状態ですから、一連の副都心線工事において閉鎖取り壊しになることは当然なんですね。
さて、この大々的な渋谷駅大改造ですが、このほかにもさらに大きな計画になっていることに気づきました。
渋谷駅街区土地区画整理事業の施行認可について - 東京都
これによると、東横線渋谷駅と東館の廃止にとどまらず、さらに続きがあります。
・現在山手線ホームを跨いでいる銀座線ホームを東口に移設
・現在恵比寿寄りにある埼京線ホームを山手線ホーム並びに移設
・渋谷川は国道246号以北を移設(?)
・山手線ホームを跨ぐ形で超高層の駅ビルを建設
これを2026年まで(14年後)までに終える計画です。
この絵を見ると、東急百貨店東横店は東館のみならず、西館、南館もいったんは閉鎖しないと新駅ビルを建設でないような気がします。実際にはビル構造を何分割かして東口部分を先に建設して西館と南館の売り場を新駅ビルに移設、西館と南館を取り壊して駅上部分と西口部分を建設するのでしょう。
こんな大きな計画が、本当に14年で終わるのか?と疑問なのですが、土地区画整理事業の地権者が3名(東急電鉄、JR東日本、東京メトロ)と少なく、しかも全て交通事業者ですしメリットをうける事業者ばかりですから、意外と一気にやってしまうのかもしれません。
ところで、一番気になるのが銀座線ホームの移設です。小田急線沿線から東京都心に行くときに、下北沢駅→井の頭線→渋谷駅→銀座線という経路を取ることが多いと思いますが、小田急線下北沢駅地下化で下北沢駅の乗り換えが遠くなり、銀座線渋谷駅移設で渋谷乗り換えも遠くなってしまいます。都心に行くには千代田線というルートがやはりメインになってくるのでしょうか。