『商品と売場の計数』
小売業の仕入担当者が品揃え計画をするための基礎知識の本です。たぶん、商学部の講義テキストなんだろうなと思います。
このへんのジャンルはあまり勉強してこなかったので、本の中で書かれている数字を実際にノートに取り、電卓をたたいて計算をしながら読み進めました。おかげで、数ヶ月もかかってしまいました…
売上高、粗利益高、回転率、売価還元法による在庫計算などは今まで「結果の数字を算出する」という知識しか勉強してこなかったのですが、この本では利益計画から必要売上高、値入れ率、仕入高を求めるという「計画」の視点から書かれています。そういえばそうだよな、仕入計画を立てるのに大事なのは結果よりも計画なんだから。そんな視点も抜け落ちていた自分にがっかりしてしまいます。
本書はなんだか独特の言い回しがあったり、数字が全角フォントで書いてあったり、1,320万円などという中途半端なとことにカンマが入っていたりと正直言って読んでて違和感がありました。なんだか宗教かかったような恩師への崇拝とかも気持ち悪かったり。実際のところは、小売業コンサルタントの著者が現場で使っている道具を出版用に洗練させることもなく本に落とし込んでいるんだろうなと思います。
そんな不思議な書籍ですが、このジャンルの教科書的な本は意外と少ないのが現状。この本でも必要な知識はだいぶ得られたと思います。理論よりも現場臭の強い本ですが、そこが案外いいのかもしれないですし。
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