『死刑弁護人』
安田好弘弁護士を追ったドキュメンタリー映画です。
凶悪事件の被告弁護人を数多く担当する弁護士です。和歌山カレー事件、オウム真理教事件、光市母子殺害事件など、裁判そのものもニュースになるような重大事件を多く手掛けてきました。
正直言って、被告側に勝ち目がない事件ばかりです。それでも、安田弁護士は闘います。
安田が弁護士になって間もなく担当した新宿西口バス放火事件のエピソードが出てきます。報われない出稼ぎ労働者が被害者意識に苛まれバスに放火したという事件です。犯人の丸山博文は社会的弱者であり、苦しい生活で心神喪失状態であると死刑を回避し無期懲役となった事件です。安田弁護士側の「勝ち」の事件ではあるものの丸山博文はその後獄中自殺してしまう。結局、丸山を守ることができなかったと安田は責任を感じます。
他の死刑事件に関しても、こうすれば死刑を回避できたはずだ、こうすれば被告を守ることができたはずだと、事件の都度大きな責任を感じることになる。その責任の重さや、言葉には言い尽くせないものです。
安田好弘弁護士に対しては、批判的な声も多い。特に、最近の厳罰化の風潮でのバッシングは非常に大きなものです。その最たるものが光市母子殺害事件だと思います。
マスコミは強者の側だという冒頭のセリフ。強者であるマスコミの尻馬に乗って様々な事件を責任なく批評している我々に思いものを投げかけてくる作品でした。
『死刑弁護人』公式HP
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