『なれる!SE 2週間でわかる?SE入門』
ブラックIT企業スルガシステムに入社してしまった新卒新入社員のドタバタを描いた、いわゆるライトノベルです。
ラノベなので上司がミニスカート、キャミソールな幼顔女子だったりして、それがたまに挿入画で派手に登場したりします。萌え系ハラハラドキドキな場面もあったり。
IT業界=多層下請構造=ブラックなんてイメージがずいぶんと定着しています。ITの現場ってのが実際には手作業の蓄積で成り立っているという事情に加え、成果物が目に見えるものになりにくい、仕様変更がわりかし頻繁に生じるという特性があるから、ガンバリと忍耐でこなしてしまう→ブラックということになってしまうのでしょう。システムエンジニアなんて響きは格好いいけど、実態は…。
本書に書かれているシチュエーションは、小説しかもラノベということからかなり極端に描かれています。でも、方向性としてはこんなもんなんでしょうね。でも、なんの教育もされずに現場に放り込まれ、OJTだけで育成するような危なっかしいことが本当に行われているんでしょうか…そうではなく業界標準の基礎知識をOffJTで学ばせるためにわざわざ経済産業省が情報処理技術者試験制度を運用しているのだとは思うのですが。(実際にOJTだけて教育してますなんてベンダーがあったら危なっかしすぎて発注出せません)
本書の設定は零細だけど元請という珍しいパターンです。まあ、ユーザー企業のちょっとした仕様変更が元請を経由して下請までにいくまでに無茶振りに変化していく様子を短い小説のなかに織り込むのは難しかったのでしょうけど。
ラノベなのでIT業界への課題を突き付けたりとかいう意図はなく、たぶん世間が「IT=ブラック」と騒いでいるのに乗じて娯楽小説を書いたまでだと思います。娯楽として読んで、ハチャメチャぶりを楽しむことのできる小説です。
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