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2013.05.23

『昨日までの世界』

ゼロ年代のベストセラーと言われた『銃・病原菌・鉄』の著者による本です。

ニューギニアでの鳥類観察の際にまだ文明化されていない現地住民との生活をした著者が、西洋社会(文明化社会)と「昨日までの世界」(伝統的社会…国家社会ではなく小規模血縁社会や部族社会であり、狩猟採集や(機械化されていない)農耕社会のこと)を比較しています。

比較する分野は、戦争、高齢者への対応、日常生活の危険、宗教、栄養と病気です。

戦争や宗教の比較では、小規模血縁集団での状況を分析することにより、大規模で複雑になってしまった西洋社会のそれらの源流を探ろうとしています。現代社会では国家間戦争や宗教戦争で前世紀には多大な犠牲を払いましたが、それでも人口比率から言えば圧倒的に小規模血縁集団間の戦争のほうが戦死率が高いのだそうです。現代の国家の規模がそれほどに大きいのですね。

下巻の後半は、糖尿病について語られています。飢餓に強い遺伝的形質が、食料調達が困難でなくなったとたん糖尿病を発症しやすくしているという考察と、現代人(西洋社会に生きる人間)が「昨日までの世界」を見習って心得るべき食生活について書かれています。

ところどころ出てくる、日本社会の例示。やはり、たぶん日本という社会は欧米人にとってはややエスニックなイメージを持っているのでしょう。儒教や仏教が宗教か哲学のいずれかが議論されているのですね。そんなもん宗教だよとばかり思い込んでいました。(宗教じゃないって言われたとたん法人税どうする?)

食生活に関する記述で、日本の秋田県民は信じられないくらい極端な塩分摂取だとも書かれていました。ま、総じて日本人は塩分摂取気味でしょうから、このへんはふだんから心がけるべきですね。



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