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2013年6月の12件の記事

2013.06.30

『ツール・ド・フランス』


昨日始まったツール・ド・フランス100回大会。昨年までの99回の中の名勝負、伝説などを搔い摘んで解説した新書です。

私自身は自転車ロードレースの観戦にそれほど興味を持っておらず、ここ数年ようやくジロ、ツールをレース翌朝にネットでチェックする程度です。それでもネットでの記事はレースの白熱を伝え、興奮するものです。(ライブ観戦は時間帯が遅く、レース時間も長いので敬遠しています。)

5時間ほどのレースですが、勝負どころは限られていて、それが故にいろんなドラマが展開するのがグランツールの面白さ。その面白さを本書では少々理屈っぽく説いています。そして、いくつかの名所。例えばラルプデュエズ。10%13.8kmとのことですが、僕が登ったらどれだけの時間がかかるんだろう…(34x27Tでは登りきれないような)

99回の歴史でいろんなところにちりばめられた伝説を追いながら、100回大会が始まりました。今回のツール、これからのツールではどんなドラマが繰り広げられ、どんな伝説を残していくのか、楽しみです。


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2013.06.21

『ネット選挙解禁がもたらす日本社会の変容』


2013年参議院選挙から
「インターネット選挙運動解禁に係る公職選挙法の一部を改正する法律」
が適用されます。で、政治家にとって、僕らにとって、社会にとって何が変わるの?と急いで整理して出版された本です。

本書の前半は、これまでのインターネットと選挙との関係の歴史を説くことに割かれています。1998年に新党さきがけが自治省に選挙戦へのインターネットの利用是非について問合せたところから、日本のネット選挙の歴史が始まっているとのことです。

その後、選挙期間に入ると候補者のブログ更新やツイッター投稿が停止するなど不思議なネット利用の状態が継続したことは記憶に新しいところ。特にSNS大流行下で実施された2012年12月の衆議院総選挙は記憶に新しいところです。

さて、来月(2013年7月)にはいわゆる「ネット選挙」がとうとう始まります。本書を読んだところ…まあ実質的には何も変わらないのかなというのが読後感です。

日本の選挙は何かとお金がかかるイメージがあるのですが、本書によると公職選挙法でなるべくお金がかからないように規制をかけ続けていたのですね。それが、ネット選挙解禁に伴い候補者や政党が負担する費用負担が大きくなりそうです。ネット広告やSNSへの投稿も外注の専門家が行なうのでしょうし。本書ではあまり触れられていませんが、SNS投稿や検索情報を分析して有権者の関心を探り、それを臨機応変に政策に取り入れて演説や自身のSNS投稿に盛り込んでいく技術も必要だし、それにも大きな資金がいるのだと思います。

こうなると、だんだんと2大政党での大規模選挙合戦の様相を呈してきて、アメリカ大統領選挙みたいになっちゃうんじゃないかなと感じました。アメリカ大統領選挙、韓国大統領選挙のネット利用の状況についても本書で解説されていて…よけいに心配になってしまいます。

僕が「ネット選挙」に求めるのは、候補者側からの発信の自由化ではなく、有権者(僕自身のこと)が候補者の政策をもっと効率よくかつ公平に収集して比較すること。あとは、選挙期間中くらいはTwitterで選挙区の候補者の方向性を観察するくらいでしょうか。Twitterでフォロイーが候補者について議論しているようすを観察するのも、投票行動への手助けになるかな。(でも、自分が政策是非についてツイートするのはあまりできないかもとか。)その程度なんですよ、僕にとってのネット選挙。あまりたいそうなものになってほしくないな。


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2013.06.20

鶴牧第2公園→奈良原公園→宝野公園→多摩中央公園

アクアブルーで泳いだあとに妻と若葉台で待ち合わせ。小田急と京王を乗り継ぐのも無駄なような気がしたので、多摩センターまで歩くことに。あいにく雨が降りそうな天気ですが、それほど長距離でもないので構わないでしょう。

尾根幹を鶴牧第2公園まで。展望台斜面にはアジサイの群落。
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奈良原公園の芝生を正面から見てみました。


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奈良原公園と宝野公園の間のスロープ。

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宝野公園の桜並木が青々としています。
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こちらはタウンハイツ落合の花壇。近隣の住民の方が丁寧に整備しているようです。

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プロムナード多摩中央団地からD'グランフォートを望む景色。

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むかし「ウェルサンピア」があったところは桜美林大学の施設になっていました。

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多摩中央公園の芝生と噴水
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パルテノンの上の池ではカモのヒナが泳いでいました


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パルテノン大階段から駅方面の景色

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そういえば、パルテノン大通りからモノレールの駅を気にすることってあまりないですね。いつもは小田急→モノレールの乗換の方向からしかみないので、違った角度からだと新鮮。

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多摩センター駅からは「区間急行」に乗車。相模原線内は各駅停車です。
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いつも自転車でうろうろしているエリアですが、徒歩だとまた視点も違って新鮮です。


京王線に乗って諏訪隧道を抜けると、右手に黒川谷ツ公園とはるひ野の街並み、右手に若葉台車庫と見所が一瞬にして通り過ぎて忙しい。

若葉台駅構内のツバメは、ティッシュ箱に住んでいました。(写真には写っていませんが、ちゃんとヒナがいます) 巣、壊れちゃったのかなぁ。


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2013.06.16

『Googleを支える技術 巨大システムの内側の世界』


Googleは世界中のWEBをクロールして蓄え、要求に応じて吐き出す超巨大システム。この巨大システムを、超大型コンピュータではなく一般的で安価なコンピュータ(たぶんIAサーバ)を組み合せて築き上げています。その仕組みをわかりやすく解説した本です。2008年出版と、この流れが速い世界においてはやや古い書物ですが、それだけに枯れてきて実用的になってきた技術を勉強するちょうどいいきっかけだったりします。

検索を高速化するために、いろんな仕組みをかなり極端に最適化しているなと感じます。書き換え機能を考えないファイルシステムであるGoogle File Systemや関係型データベース(RDB)の考え方を放棄したBigtableなど、よくそこまで踏み込んだなとびっくりしてしまいます。業務で行なわなければいけないことが既存の技術でできないとき、その基礎技術さえも根本から作ってしまうところにGoogleの本気度を感じてしまいます。

これらのGoogleの技術開発のあとHadoopというオープンソース技術体系が整備されて「そういう世界」がなんとなく出来上がり、昨今のビッグデータの流行に結びついていく流れなのでしょう。世界がここまでになっちゃうと、ユーザ企業に身を置いている人間として基礎技術に触れなければいけない事態はほとんどないとは思いますが、業務がどういう基礎で成り立っているのか知っていたほうがいいのでしょうね。でも、この本を読んでもまだ漠然としたイメージしか掴めません。分散システムは本当に奥が深そうです。

なお、本書はGoogleが公表している論文を日本語でわかりやすく概要を記したものです。元の論文は下記の通りです。
The Anatomy of a Large-Scale Hypertextual Web Search Engine
The Google File System
Bigtable: A Distributed Storage System for Structured Data
The Chubby lock service for loosely-coupled distributed systems
Paxos Made Live - An Engineering Perspective
MapReduce: Simplified Data Processing on Large Clusters
Interpreting the Data: Parallel Analysis with Sawzall


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2013.06.15

住宅ローンの借り方考

住宅ローン。かなり多くの都市サラリーマンが、この言葉に悩まされていると思います。正直言って、住宅なんて過大資産だし、住宅ローンは非常に大きな負債。でも不動産価格が現状の社会では生活するためにローンを組む選択をするに至った人は相当多いはず。僕だって。

住宅ローンの借り方に関して、たまに新聞や雑誌などで指南を見かけます。

・ローン期間は短めに
・繰上げ返済の効果は大きい
・繰上げる際も期間短縮がおすすめ

といった論調が多いですね。

たまに読んでいる「債権回収担当者の独り言」というブログで、住宅ローンについて取り上げていました。

この記事での主題は、ボーナス返済の是非。でもここで「内入れするとしたら、期間はそのままで返済額を減らす方がいい」という意見を提示しているのが面白い。その理由が、その後厳しくなったときに、期間延長をすることが難しいからというもの。さすが、金融の債権回収担当者の視点です。こういったいろんな意見を参考に、自分の最大の資産と債務に関わる住宅ローンについてきちんと考えなければいけないですね。

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2013.06.14

ササキのハードストロング

雑誌「ブルータス」の日用品(主に台所用品)の特集を読んでいて、日用品はシンプルで高品質なものがいいよねと考えていました。


そしたら、東洋佐々木のハードストロングが紹介されていました。よくファミレスや喫茶店で冷水が入ってるコップです。結局こういうのがいいんだよねと思って調達。

さっそく日本酒を入れて飲んでみました。

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あまりに普通すぎて、何の感想もないくらいです。

コップを覗いてみると「HS」のマーク。喫茶店でよく見かけるマークです。飲食業界の標準品の地位を占めているHARD STRONGシリーズですから。


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ちなみにこのコップ、重ね置きができます。飲食業では食器の保管スペースのことも考慮に入れなければいけないですから、重ね置きは必須条件なのでしょうね。

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東洋佐々木ガラス株式会社

明らかに業務用なのを自宅で使うのってどうよという気持ちもあるのですが、こういうのがいちばんしっくりくるのかもしれません。

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2013.06.13

わたしたちの まちの すごい! びっくり!


小学校の授業参観でした。「せいかつ」の授業の参観。住んでいる街(すなわち、はるひ野と黒川)のスポットを児童が紹介するというものでした。

最初に発表した児童が紹介したのは、セレサモスの先の畑。いろんな野菜がありますと。ここぞ黒川・はるひ野地区の醍醐味なのですが、小学2年生では田園風景に感動することもないらしく、黒川上地区や東地区の農村を紹介したのはこの児童一人だけでした。

人気があったのは「よこみね緑地」(水辺のある里=西谷戸のことを指している)と若葉台公園。最近に生物採集の宿題があった関係で、その採集についての感想がありました。って、水辺のある里で堂々と生物採集して持ち帰ってるやん! 若葉台公園は校区外ですが、徒歩圏=わたしたちのまちという感覚ですね。

意外と、街区公園を紹介する児童が多かったです。街区公園ははるひ野・黒川地区特有のものではありませんが、結局のところ児童が遊び場にするのは街区公園で、いちばん児童に馴染みのある街中施設なわけですね。息子は街区公園での清掃を紹介していました。(公園協議会報告目的用で撮影した写真の借用ですけど…)

しかし、いちばんびっくりなのは、息子の授業態度。一秒たりとも椅子に正しく座っておらず、机に突っ伏す、踏ん反り返って足を引き出しに入れるなど…どうすればいいんでしょ。

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2013.06.09

ブレンドコーヒー

前回に狛江の珈琲工房HORIGUCHIに行ったときに、父の日が近いからか(?) Papa'sブレンドというブレンドコーヒーが置いてありました。ふだんはシングル豆でコーヒー豆を買うのですが、何となく気になってブレンドを購入。

今朝、開封しました。
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エチオピア、ケニアのフルーティーなコーヒーの香りをマンデリンの重さがグンと押さえつける強烈な組み合わせ。でも、口の中で喧嘩することなく絶妙なバランスでコーヒーを楽しめました。スゴいな、HORIGUCHIのブレンド力。

ところで、一杯のコーヒーを飲むのに使う豆って、たったの10g。

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豆の数にしても、大したことがないように思うのです。これだけで、ブレンドの偏りって出ないもんなんでしょうか。

コーヒー一杯あたりの豆数を調べようとしたら、こんな記事に当たりました。
1杯のコーヒーのため60粒のコーヒー豆を数えたベートーベン

じゃ、60粒の分散でどれくらいなの?というのはだれかエロい人に計算してもらうこととして、概算(分散ではなく標準誤差)ではsqr(60)≒7.75ですから、おおよそ8粒(13%)前後のばらつきです。これじゃ、日によって味が変わるのかも。ブレンドコーヒーの本当のところ、どうなんでしょう。

ちなみに僕の場合は毎朝2杯(自分のと妻の)を入れるので、約120粒。おおよそsqrt(120)≒11(9%)のばらつき。

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2013.06.07

『キャリア官僚の仕事術』


キャリア官僚…日本のトップクラスのエリート集団であり、この国の方向性を決めている頭脳集団です。彼らがどのように仕事を進めているのか書いている本です。

読んでみると、意外と当たり前のことが書いてあります。
・企画は論理的に組み上げる
・アウトラインを設定してから細部を詰める
・いろんな立場の人との調整が大事
など、これは官僚でなくても仕事を進める上で当然のことです。しかし、このへんをトップエリートは高いレベルで実現しているんだろうなという感触は本書で得られました。

官僚は常に複雑な事項を簡潔に説明する力が求められるんですね。これも、民間のビジネスでもよく指摘されることで、ビジネス書では「エレベータートーク」という言われ方をする分野です。相手が政治家やマスコミとなると、かなりの頻度で、かなりの期待レベルで求められるということですね。こういったレベルを維持するために常に大量のインプットを必要とする。官僚、大変なお仕事です。

気になるのが「帰納法を用いて文章を書くようになると、日ごろから論理的に物事を考える癖がつく。」と書かれている部分。論理性を追求するならきちんと演繹しようよと思うのですが、どうやら官僚(特に文官)は帰納法的記述で事足りるんだなということです。もしかしたら実際のビジネスでも求められるとは帰納法的な論理説明であって、演繹による厳密な説明は求められていないのかもしれません。僕の仕事の進め方が根本的に間違っていた可能性もあり、ここは世の中の様子をもう少し伺うべきかと思いました。


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2013.06.06

『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』


大ヒットしている、村上春樹の新しい小説です。半歩遅れながら書店入口の山積み平置きから手に取りました。

青春時代の回想、こじらせた哲学、胡散臭く高い教養、大げさな比喩。春樹ワールドをストレートに楽しめる小説に仕上がっています。

恵まれた経済環境と恵まれた知性により深い思考を持ってしまい、世間一般との拒絶感に繋がってしまうというのが村上春樹のパターンで、そういうのがかっこいいよなと思えるような書き方をうまく通しています。

衝撃的な事件と、日常のなんでもない出来事を並列で同等に扱ってシニカルさを醸成する技術もすごい。

冷めて読んでしまうとあまりに香ばしいいので、この小説はキチンと春樹ワールドに浸って読む必要があります。存分に春樹ワールドを楽しんでください。


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2013.06.03

宿題で身近な生き物を持っていく


小学校2年生の息子の宿題で、近所で生き物を捕まえて学校に持っていくというのがありました。

きっと、生活(旧「理科」)の生物分野の学習教材なのでしょう。身近な生物を観察して、生物のことを知るのは大切なことです。

問題なのは、これを2年生176人全員に宿題として出したこと。聞いた話では、若葉台公園の池(上谷戸最上流)にアメリカザリガニを捕獲しに行った家庭もあったようです。こんな風に、無用な生物の人為的移動を大規模に行う結果になってしまいます。

そもそも若葉台公園に生息しているザリガニは稲城市の所有物であり、稲城市役所に無断で持ち出していいものではありません。はるひ野地区の街区公園や近隣公園、保全地区も同様に川崎市役所(麻生道路公園センターなど)の許可が必要ですし、黒川地区の山林に至っては地主個人から譲渡を受ける必要がありますからね。

2年生たちが、どんな風に「宿題」をこなしたのか、心配でなりません。

あと、人為的に移動させた生き物たちが小学校近辺で拡散されることのないようにしてもらいたいものです。

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2013.06.02

『内部統制の知識』


内部統制は経営上の非常に重要な課題だから現場もキチンと対応するようにと言われ続けて5年くらい経っています。で、ボンヤリと理解したつもりの「内部統制」って何よ?と今さらながらに思い、入門書を手に取りました。

内部統制の概念と、制度化されるまでの歴史に前半を割いています。で、後半は経営者による評価と、監査人のあり方について。で、僕ら現場実務に携わる人間が関わる部分の説明はⅤ章「内部統制の構築プロセス」くらいでしょうか。…どうも僕はこの本のターゲットではなかったようで、本当のターゲットは内部統制初心者な経営者といったところでしょうか。

それでも、内部統制の意義を学んだり、内部統制制度が設けられた歴史を遡ることによって内部統制何が求められているのか理解できます。ただ「面倒くさい」内部統制も、基礎知識を得ることで協力しなきゃという気になるものです。

本書に示されている「COSOキューブ」は内部統制の構成全般を理解するのに非常に役立ちます。内部統制の目的(業務、財務報告、法令遵守、資産保全)×内部統制の基本的要素(統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達、モニタリング、ITへの対応)×業務単位で現したブロックの積み上げです。この概念を頭に入れておけば、内部統制の部署の人が来た時に、対応がわかりやすくなりそうです。


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