『キャリア官僚の仕事術』
キャリア官僚…日本のトップクラスのエリート集団であり、この国の方向性を決めている頭脳集団です。彼らがどのように仕事を進めているのか書いている本です。
読んでみると、意外と当たり前のことが書いてあります。
・企画は論理的に組み上げる
・アウトラインを設定してから細部を詰める
・いろんな立場の人との調整が大事
など、これは官僚でなくても仕事を進める上で当然のことです。しかし、このへんをトップエリートは高いレベルで実現しているんだろうなという感触は本書で得られました。
官僚は常に複雑な事項を簡潔に説明する力が求められるんですね。これも、民間のビジネスでもよく指摘されることで、ビジネス書では「エレベータートーク」という言われ方をする分野です。相手が政治家やマスコミとなると、かなりの頻度で、かなりの期待レベルで求められるということですね。こういったレベルを維持するために常に大量のインプットを必要とする。官僚、大変なお仕事です。
気になるのが「帰納法を用いて文章を書くようになると、日ごろから論理的に物事を考える癖がつく。」と書かれている部分。論理性を追求するならきちんと演繹しようよと思うのですが、どうやら官僚(特に文官)は帰納法的記述で事足りるんだなということです。もしかしたら実際のビジネスでも求められるとは帰納法的な論理説明であって、演繹による厳密な説明は求められていないのかもしれません。僕の仕事の進め方が根本的に間違っていた可能性もあり、ここは世の中の様子をもう少し伺うべきかと思いました。
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