『ネット選挙解禁がもたらす日本社会の変容』
2013年参議院選挙から
「インターネット選挙運動解禁に係る公職選挙法の一部を改正する法律」が適用されます。で、政治家にとって、僕らにとって、社会にとって何が変わるの?と急いで整理して出版された本です。
本書の前半は、これまでのインターネットと選挙との関係の歴史を説くことに割かれています。1998年に新党さきがけが自治省に選挙戦へのインターネットの利用是非について問合せたところから、日本のネット選挙の歴史が始まっているとのことです。
その後、選挙期間に入ると候補者のブログ更新やツイッター投稿が停止するなど不思議なネット利用の状態が継続したことは記憶に新しいところ。特にSNS大流行下で実施された2012年12月の衆議院総選挙は記憶に新しいところです。
さて、来月(2013年7月)にはいわゆる「ネット選挙」がとうとう始まります。本書を読んだところ…まあ実質的には何も変わらないのかなというのが読後感です。
日本の選挙は何かとお金がかかるイメージがあるのですが、本書によると公職選挙法でなるべくお金がかからないように規制をかけ続けていたのですね。それが、ネット選挙解禁に伴い候補者や政党が負担する費用負担が大きくなりそうです。ネット広告やSNSへの投稿も外注の専門家が行なうのでしょうし。本書ではあまり触れられていませんが、SNS投稿や検索情報を分析して有権者の関心を探り、それを臨機応変に政策に取り入れて演説や自身のSNS投稿に盛り込んでいく技術も必要だし、それにも大きな資金がいるのだと思います。
こうなると、だんだんと2大政党での大規模選挙合戦の様相を呈してきて、アメリカ大統領選挙みたいになっちゃうんじゃないかなと感じました。アメリカ大統領選挙、韓国大統領選挙のネット利用の状況についても本書で解説されていて…よけいに心配になってしまいます。
僕が「ネット選挙」に求めるのは、候補者側からの発信の自由化ではなく、有権者(僕自身のこと)が候補者の政策をもっと効率よくかつ公平に収集して比較すること。あとは、選挙期間中くらいはTwitterで選挙区の候補者の方向性を観察するくらいでしょうか。Twitterでフォロイーが候補者について議論しているようすを観察するのも、投票行動への手助けになるかな。(でも、自分が政策是非についてツイートするのはあまりできないかもとか。)その程度なんですよ、僕にとってのネット選挙。あまりたいそうなものになってほしくないな。
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