『将棋の子』
プロになるためには厳しい試練と狭き門を通らなければならない将棋の世界。それでも、多くの少年がプロを夢見てプロ予備軍である奨励会で競い合っています。みんな、地元では敵なし、道場でも皆が一目置く存在なのに、いざ奨励会に来てみると勝負の世界の厳しさをまざまざと見せつけられ、そこで揉まれます。
そんな厳しい場所にも関わらず、実際にプロになれるのは一部の人だけ。多くはプロ昇格を断念して、奨励会を退会していきます。
このドキュメンタリーは、地元道場で強豪だったにも関わらず奨励会で結果を残せず、夢破れて去っていった一人の青年のその後の物語です。
経済的にも精神的にも辛い生活を続け、しまいには居所を周囲に隠す事態に追い込まれる経緯が、著者の視点で鋭く描かれます。厳しい現実です。
将棋に限らず、スポーツや芸能など、類似の現実は数多あることなんでしょう。華やかなトップ棋士の活躍の裏には、こういう厳しい現実もあるのだと。
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