『すぐれた組織の意思決定』
一時期組織論を勉強しようとしていたときに古本を買って、そのまま積ん読になっていた本。ようやく読み出しました。
1999年3月発行とやや古い本ですが、組織変革と意思決定についてかなりベーシックに整理された書かれた良書という印象を受けました。この手の本にしては、特定の思想に偏っておらず書かれているというものうれしい。だが、やや学術に寄っていて、中間管理職が実務に適用するのにはかなりの読み込みが必要かなとも思います。
満遍なく色んな分野のことが書かれています。そのなかで、膝を打つように感じて読んだのが、サンクコストに書かれた部分です。サンクコストについては、色んな経営書にも書かれているものですが、この本の書き方がわかりやすいと感じました。この本では、拓銀による
ホテルエイペックス洞爺への過剰融資が取り上げられています。
本書の全体としては、適切な意思決定を行なうために、いかにして組織変革を継続するかが課題。締めの部分に、次のような文章がありました。
すぐれた組織とは、自己変革能力と自浄能力を備えた組織であり、すぐれた組織の意思決定は、自己の存続のために、絶えず組織の真理モデルの有効性をチェックし、政治プロセスを乗り越えながら、必要な組織変革を行うための合理的な意思決定である。
| 固定リンク
コメント