« iPhoneが起動しない騒動 | トップページ | 『ぼくのニセモノをつくるには』 »

2015.07.04

『荒木村重』

戦国時代に伊丹城主となり摂津を治めた武将、荒木村重の時代小説仕立ての伝記です。

下剋上で池田城を乗っ取り、織田信長に仕えて摂津国主となり、信長への謀反で伊丹城(有岡城)に籠城、敗戦直前に逃走というのが村重の略歴。伊丹での社会科の歴史の授業でも悪い城主、伊丹の黒歴史的な触れ方を少しされるだけで、詳しく語られることはありませんでした。

昨年のNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』でかなり大きく村重が取り上げられ、そういえば荒木村重の生涯をもう少し知りたいなと手にした(実際にはKindleにダウンロードした)本です。

浪人のようなものから池田家に抱えられたような記述があるものの、荒木家伝来の茶道具が物語の中心として取り上げられているあたり、チグハグな感が否めません。北摂地方において荒木家は名家であり、堺の茶の文化を存分に浴びることができた立場だったのでしょう。無骨な武将のイメージが先立ちますが、実際はかなりのインテリ武将だったのかもしれません。

戦国時代は戦国時代の武将のルールがあり、あえてそこから外れて余生を送った村重。おそらくのちの大名からは「悪い例」として村重の名を知ることとなり、伊丹の黒歴史になったんだろうなと思います。



|

« iPhoneが起動しない騒動 | トップページ | 『ぼくのニセモノをつくるには』 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« iPhoneが起動しない騒動 | トップページ | 『ぼくのニセモノをつくるには』 »