『天才』
総理大臣を務めた田中角栄について、石原慎太郎が一人称「俺」を使ってその生涯を描いた小説。
全編にわたり「俺」を使っているため、かなり傲慢な人間模様に映るよう仕上がっています。この傲慢さと豪腕さを描くことで、「天才」政治家を総括しようとしています。
石原慎太郎にとって、田中角栄は相当な先輩政治家。石原初当選のときに角栄は既に大臣や幹事長クラスなので、そう簡単には近づけない存在だったと思います。石原がどれだけ角栄に近づき、心情を捉えてこの小説を書いたかは不明です。
今や一番の傲慢政治家と思われる石原慎太郎が、わざわざこの口調で田中角栄を描いたのには理由があるのでしょうか。石原が角栄を見て学び、自分の政治スタイルを確立したと言わんばかりの書きっぷりに思えます。
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