« 2016年2月 | トップページ | 2016年4月 »

2016年3月の12件の記事

2016.03.30

神田川の桜はまだだった

昨日(3月29日)のランチ帰りに常円寺に行ったら、門前のソメイヨシノ(?)が満開でした。



境内の枝垂桜は、もう少しというところ。



ソメイヨシノが満開なら、神田川を歩こうと、淀橋から神田川に。今回は趣向を変えて、左岸から対岸の桜を望む経路で。



うーん、まだ満開にはなってないなあ。



大久保通りより北は、ほとんど咲いてもいません。






ということで、まだ気が早かったようです。週末〜来週くらいに歩くべきか。

| | コメント (0)

2016.03.22

『坂の途中の家』


娘を浴室で溺死させた母親の裁判を描く小説。この裁判に主人公である2歳児の母が補充裁判員として裁判に参加することで、主人公と被告の心理を重ね合わせながら、母親という難しい立場を描きます。

自分は夫から、親から、姑から何を期待されているのか。その期待には応えられているのか。「普通」って何だ。その普通のことが、自分はできているのか。考えるうちに劣等感に苛まされ、それを否定するためにムキになる。そしてだんだん自分をコントロールできなくなる。

人間のイヤな部分をこれでもかと見せつけるのが角田光代の小説の醍醐味なんだろうか。読んでて不愉快なんだが、やめられない小説。

最後の数ページで、ようやく救われました。


| | コメント (0)

2016.03.16

『聖の青春』

羽生世代の一人として活躍しながら29歳で亡くなったA級棋士、村山聖の人生を綴った本です。

5歳で重病を患い、病院のベッドで覚えた将棋を極め、突き詰めていく様子を将棋雑誌の記者が書き起こしています。常に死と隣り合わせの人生。それでも自分の存在意義を確認するため、一局一局を生きるか死ぬかという重みを持った勝負として闘い、奨励会から棋士へ、そしてA級へと登りつめます。谷川浩司に勝ち「名人」になることを目標にしながら。

死と隣り合わせにあることを認識しながら、麻雀や深酒など、東京で無茶な暮らしをする村山。周囲は心配だっただろうけど、きっと短いだろう人生の密度を高めるために目をつぶっていたんだろうと思います。付き合う周囲も、どう付き合えばいいか難しかっただろう。

そして、癌の再発でいよいよ自身の寿命が近づいていることを悟る村山。A級に昇級して直後の休場。広島市民病院での闘病。A級で手が届きそうになったところで、遠く宇宙の彼方に飛んでいく「名人」。プロ棋士はみんな将棋に命を懸けて生活をしているのでしょうが、村山のようにこれほど濃く、目に見える形で命を懸けて対局してきた衝撃は、棋界でも重い歴史ですね。

村山聖の人生は、この秋に映画化されます。将棋界では、大イベントとして取り上げられていますね。

村山が亡くなって18年、まだ同世代の棋士(いわゆる羽生世代)はA級などで活躍を続けています。


| | コメント (0)

2016.03.13

『鏡花水月』

一世を風靡した女流棋士、中井広恵女流六段の対談集です。

本文ではサラリと書かれていますが、稚内から東京に出てきて、将棋に人生を賭けて生きてきた一人の女性の芯の通った生き方がツンと突き抜けていく本です。自分や息子はただのゲームとして将棋を楽しんでいるのですが、人生の中心に将棋を置き、それを軸に生活のあらゆることを疎かにしない中井女流の生き方に感動を覚えます。




写真は、中井広恵女流六段が息子に向けて書いていただいた直筆サインです。


| | コメント (0)

2016.03.10

新聞にセブン&アイ、不採算事業の止血急ぐという記事がありました。そごう柏店と西武旭川店を閉鎖するとのことです。と言ってもどうな百貨店か知らないしなあ…と思い立ち、柏に行ってみることに。

柏なら多摩急行で栗平から一本なのですが、千代田線の端から端まで乗る気分にはなれず日暮里から常磐線で行くことに。北千住までは昭和の市街地、葛飾区内は少し猥雑(鶴見〜川崎のイメージ)、江戸川を越えて新松戸までは工場と宅地が混在(南武線幸区〜中原区のイメージ)、新松戸を越えると農村の名残を感じる宅地(小田急線新百合ケ丘〜海老名イメージ)と車窓の景色が変わって、柏に到着です。駅前は東西ともペデストリアンデッキで繋がった高層商業施設。東口がそごう、西口が高島屋です。

東口の景色。



右側に見える建物はそごうではなくビックカメラが入居して、そごうは左奥に見える建物だけで営業しています。

そごう入り口には9月末閉店の告知。



WEBで調べると32,500平米とのことですが、店内はもっとこじんまりとした印象。品揃えも偏りなく地方百貨店として必要なものはちゃんと置いてあるかなという印象です。こういう品揃えは、平凡で特徴なく、どこでも買えるものしか置いてないという印象を持ってしまう人が多いのではないでしょうか。平日午前中の早い時間というのもありますが、買い物客はほとんどおらず、店員も緊張感がありませんでしたね。報道によるとピーク時510億円の売上が近年では115億円とのことですが、集客に苦労している様子が店頭でも感じることができます。

店舗の前に東西自由通路。噴水はそごうの建物のもの。


交番2階に「ふれあいコーナー」があるのですが、扉は固く閉ざされて、何をどうふれあうのか。




西口の高島屋にも行ってみました。そごうよりはるかに入店客が多い。品揃えがどう変わってるってわけでもないんですけどね。強いて言えば、平凡な品揃えをわざと外したものを所々に置いているということか。27,500平米360億円らしいが、そんなもんなのかな。

店内照明の色温度が高島屋とそごうで大きく違うことが気付いたこと。高島屋の色温度が低く(赤く、と言っても3500Kの温白色くらいか)、そごうの色温度が高い(青い、と言っても4000Kの蛍光灯の白くらいか)のですが、そごうに20世紀の印象を持ってしまいます。かなり前から改装投資を控えていたんだろうと想像できます。(もしかしたら平凡で無難な品揃えは大型改装投資をしないことによる長寿ブランドの集積か?)

高島屋の入口前、JR駅からの通路。そごうへの人通りよりはるかに多いです。(写真は人が途切れるのを待って写したので印象が異なりますが。)



高島屋の建物は「本館」「S館」「新館」に別れていて、複雑。しかもS館の半分は高島屋ではなく専門店街扱いです。途中階に連絡通路があるのは東口のそごうと同じ。

連絡通路ではなくペデストリアンデッキで新館方面へ。途中で見える市街地商店街。これといって特徴がない、ふつうの郊外都市です。



新館3階(ペデストリアンデッキ階)にルイヴィトンとブルガリ。百貨店インショップというより、路面店的な感覚ですね。

中心市街地を衰退に追いやる原因になりがちなのが郊外SC。そごうを傘下に持つセブン&アイHDも柏の南郊に大型SCを開業したのですが車じゃないと行きづらい立地なのでパス。そのかわり、市内北郊にある、ららぽーと柏の葉に行ってみることに。柏駅から電車だと東武野田線で2駅の流山おおたかの森でつくばエクスプレスに乗換えて1駅(計3駅)です。つくばエクスプレスの流山おおたかの森〜柏の葉キャンパス駅間は造成工事、大型建設工事がいたるところで行われており、街づくり真っ最中であることがわかります。

柏の葉キャンパス駅東口は、駅前に大型マンション群。


西口にショッピングモール「ららぽーと柏の葉」があります。モール内は他のSCとどこがどう違うでもなく、一般的な郊外SC。でも人通りが多く、柏駅前より歩いている人が圧倒的に若い!街の新旧と人の新旧が完全にリンクしてる気持ち悪さを感じます。ちなみにソースが曖昧ですが、42,000平米175億円らしいです。

ちょうどお昼時なのでフードコートでファストフードを食べ、つくばエクスプレスで帰路に就きました。

| | コメント (0)

2016.03.09

『きっと、うまくいく』


インド映画。アマゾンプライムにあったので、休日に観ました。

インドの超エリート理系大学に入学した3人。うち1人が型破りの学生で、あと2人も巻き込んでハチャメチャ学園生活を送る話と、その型破りの同級生を10年後に探すという話が並行して進みます。

教育とは、人生とはというテーマがのしかかってくるストーリーですが、コメディとして楽しんだ方がよいか。ああ、インドらしい喜劇だなという感想になります。

激しい貧富の差も劇中で描かれるのですが、インドの現実ってどうなんでしょうね。

途中で大人数で踊るというインド映画のお決まりはこの映画でも健在。あのシーン入れなきゃいけないって法律ででも決まってんの?

| | コメント (0)

2016.03.08

『日本の現場 立入禁止の向こう側』『廃墟の休日』


『日本の現場』は新宿東口のコニカミノルタプラザで開催中の写真展。鉱山、工場、工事現場といった「現場」に焦点を当てた写真を撮る写真家の展示会です。

産業のダイナミズムが写真を通して伝わってきます。静的な構図のものが多いけど、迫力があります。

先日Amazonプライムビデオで観た『廃墟の休日』に近い感覚はあるものの、西澤丞の写真は生きているものであり、テレ東のドキュメンタリーは死である対比を強烈に感じます。

人間が作り出すもの、捨てていくもの、2作品群から感じました。

| | コメント (0)

2016.03.07

『失敗の本質 ー 日本軍の組織論的研究』


組織論のバイブル的な教科書。題材は大東亜戦争における日本軍(帝国陸軍、帝国海軍)です。

日本軍の失敗事例として (1) ノモンハン事件 (2) ミッドウェー作戦 (3) ガダルカナル作戦 (4) インパール作戦 (5) レイテ海戦 (6) 沖縄戦 という6つの失敗作戦を指揮命令系統と意思決定の面で分析し、総論に持っていっています。

総論としては、不徹底な官僚主義が目的の喪失と戦術の不徹底を招いたという結論です。

終盤の、アメリカの軍組織・企業組織と、日本の大戦時の軍組織・戦後の企業組織の対比が秀逸。日本は官僚型組織に加え情緒的な人間関係も重視したことにより、帰納的な学習による継続的発展には強みを発揮するが、演繹的学習による革新的発展には弱いと述べています。こんなこと、散々言われていることじゃないかと思うかもしれないのですが、なんとこの本が発行されたのは1984年(昭和59年)というバブル前夜なのです。この後、アメリカ企業は日本的経営に学べと、日本企業に学ぼうとするのですが、それより前に書かれた本なんですよね。結局、日本ではバブルが崩壊し長い構造不況に陥るわけですが、そして2010年代の今になっても、日本企業は革新的な製品開発を行う力がないと非難されているんですよね。日本での組織論の傑作である本書から何も学べていませんね。

結構意外だったのが、本書が日本の敗戦がこれらの作戦の失敗にあるという基調で書かれていること。歴史の教科書では、日本は無謀な戦争に突入し敗戦に至ったという書き方が主流です。この本のテーマがわざと開戦そのものの是非を外して書かれているにしろ、違和感があります。太平洋戦争への見方が変わりそうです。


| | コメント (0)

向ケ丘遊園駅南口の河川跡通路

向ケ丘遊園駅南口です。



微妙なロータリーと、アクセス道路の広大な中央分離帯(駐輪場)はモノレールの名残りですね。

このロータリーの右側、ミスタードーナツの脇に不思議な通路があります。


(ミスドとピンク広告柱の間)

ここが、河川跡っぽい。



しばらく進んで振り返ると、このグネグネ具合、やはり河川跡で間違いないでしょう。



この通路、登戸1号踏切南側の飲食店街方面への通路として使われている様子。しかし、今日は雨だったので通路が水浸しになっていて、かなり歩きづらい状態でした。

ミスド裏に脇道。




私有地か赤道がわからず不安だったのですが、進んでみました。途中で左に折れてかなり狭くなります。



でもまだ通れると進むと…もう人も通れません。



それでも川崎市の杭が打ってあるので私有地じゃなく市有地、きっと道路扱いなんだよなあ…。

元の道に戻って大通り。正面にまだ通路が続いています。ちゃんと横断歩道まであって親切。



建物と建物の間の通路。左側の建物にはこの河川跡通路への出口もあり、生活に使われていることがわかります。

途中に出てきた空き地。ここはミニ再開発でもしない限り、何にも使えませんね。



アパート前みたいなところを通ってダイエーまで出てきました。ここで河川跡通路は終わります。ダイエー作った時に埋めちゃったかな?

<!--image:10-->

通路出口の様子はこんな感じ。ここからミスド前に通路がある事は気付きにくいですね。

<!--image:11-->

この辺は登戸地区市街地再開発にかかっているのかな。河川跡通路がなくなっちゃうと寂しいですか、使いにくい通路だったので、改善してもいいかも…

| | コメント (0)

2016.03.05

『異類婚姻譚』

芥川賞受賞の小説。

家にいる夫が、どんどん「緩んでくる」という流れの小説です。結婚相手のことなんてよくわならないという感覚を大きく広げ、ファンタジー的に仕上げた文章という感じでしょうか。後半はファンタジー色が強くなります。

一緒に収載されている「犬たち」「トモ子のバウムクーヘン」「藁の夫」も、根底に流れる感覚は同じです。

本の紹介では

「ある日、自分の顔が旦那の顔とそっくりになっていることに気が付いた。」

と書かれていたので、もっと現実主義的な小説なのかと思い読み始めてしまったので、すこし違和感を持ちつつ本を読み終えました。


| | コメント (0)

2016.03.04

『二億円のドーナツ』


長時間通勤のサラリーマンに突然降って湧いた自宅売却話と近所の再開発。悩む主人公、新しい生活を夢見て浮き足立つ妻、再開発反対派。そして再開発事業者の剛腕営業。

自分の人生のみならず他人の人生をも揺るがす決断を迫られる主人公ですが、紆余曲折を楽しませてくれる物語の運び。最後の方が盛り上がりに欠け、読後感はもう一つだったのですが、「自分だったらどうするのかな…と考えさせられる小説でした。


| | コメント (0)

2016.03.03

梅ヶ丘に梅を観に行く

小田急線の駅「梅ヶ丘」。わざわざ駅名に「梅」を付けてるし、せたがや梅まつりなんてポスターも見かけたりするので、観梅が名物なんだろうと出掛けました。

往路は小田急線がダイヤ乱れでけっこう大変な思いをしながら梅ヶ丘まで到着。北口から歩いてすぐのところに羽根木公園、これが梅の名物の場所です。




小高い丘にたくさんの梅が植わっていて、なかなかの見応え。テキトーに来たけど、ちゃんと観梅できた。




頂上の広くなっているところで売店があったので、梅羊羹を試食して梅ザラメかりんとうを購入。白玉ぜんざいで小休憩。




梅林の中に中村汀女の碑。対抗して公募の俳句がたくさん掲示されていましたが、30ほどの句で「梅」を使ってないのは3つだけでした。

山腹に茶室みたいなのがありました。ここは有料貸室で、茶道の練習などで使っているらしい。今日はイベント日でもなく、入れず。





小田急線はダイヤ乱れでたいへんなので、帰路は東松原から帰ろうとグランドを迂回。途中にあった子どもの遊び場「羽根木プレーパーク」のハチャメチャ感がすごい。








禁止事項を廃して好きなように遊べる場所を目指しているんだそうだ。

北側に山を降りたところが東松原。軽い梅散歩はここまで。

| | コメント (0)

« 2016年2月 | トップページ | 2016年4月 »