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2016年6月の8件の記事

2016.06.27

『ひそやかな花園』


幼少の頃に、他の家族とキャンプに行っていた。そんな微かな記憶。でも親はそんなキャンプ知らないと。親は何かを隠している。しかし、何をどうして隠しているのかわからない。

徐々に欠片を手繰り寄せ、だんだん全体像に近づいていく。その全体像が見たかったものなのか、見たくなかったものなのか。

この小説で感じたテーマは二つ。一つめが、出自を、人生においてどう拘って生きていくのか。出自なんて関係なく、今の人生の局面こそが大事と思うか、出自こそ自分のアイデンティティだと思うのか。

もう一つが、劣等感について。沙有美という登場人物が、劣等感を持ち続けている女性として描かれている。そして、同じ出自の仲間に対し、どうして「持っている側」と「持っていない側」に分かれてしまったのかと嘆くシーンがある。しかしこれは、このあと続く話の序文。父親たちの劣等感。自らの欠陥に対する劣等感なのか、自分より優れた能力を持つであろう知らない人間に対する劣等感なのか。

そして、劣等感に潰されてバラバラになっていく家族、生活。

角田光代らしい、重い小説でした。


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セブンイレブン真光寺店

真光寺十字路日曜あるセブンイレブン。この向かいにドラッグストアがあったのですが、いつの間にか撤退していました。

で、そのドラッグストア跡地ですが、こんな感じになっています。





そう、セブンイレブンを作ってますね。

セブンイレブンの横にセブンイレブン?

実は、写真手前にあるセブンイレブンが、道の向かいに拡大移転するのです。



ライバル出現ではないので、ご安心を。

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2016.06.22

『二ツ星の料理人』


過去に敏腕シェフとして鳴らしたが人を騙しキズを持つ男が、再起を試みて奮闘する。

ストーリー自体は、期待したほど重厚ではなかった。残念。

厨房の迫力と料理の美しさ、この映像が次々と迫ってくる。スクリーンで観ると、圧倒される。この映像のための作品で、ストーリーは添え物だと思おう。

若い頃、フランスの地方の三ツ星レストランの厨房を見学してチームワークの迫力に感動したことがあるのですが、それを思い出しました。あの現場感にスクリーンで再開できました。

映画公式サイト

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2016.06.15

『プーチンの実像』


ロシア大統領プーチンが、どのような人物であり、どういう影響と及ぼしてきたかを整理して記載された本。新聞の連載を単行本用に再編集したものです。

プーチンの略歴や言動など、外面的な捉え方のプーチンを理解するのに分かりやすい本でした。しかし、何故にカリスマ性を纏うことができ、どうやって影響力を持つに至ったかという内面的なことが、僕にはこの本では読み取れない。新聞記者の取材がベースだし、プーチン自身がわざと謎ベールを纏っているよう装っている面もあるだろうから、難しいのだろうと思う。

プーチンが目指すロシアは、プーチンの帝国なのか、激動の世界においてロシア国民がよりよい生活をする社会を目指しているのか。それも、この本のページをめくるたびに評価が揺れる。それくらい、プーチンはよくわからない人だってのが、わかりました。


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『人間に勝つコンピュータ将棋の作り方』


AlphaGoや電王戦などで囲碁将棋のコンピュータ優位が決定的になった最近ですが、少し前はどうにか人間に追い付きたいと開発者が「プロ棋士」を目標に開発を進めていました。

この本は、2012年11月に発行された、コンピュータ将棋に関する本です。

αβ探索の基本を説明した後、激指、YSS、GPS、Bonanza、習甦の作者がそれぞれのプログラムの工夫を1章づつ語る形式で構成された本です。最後に、2010年10月に開催された清水市代vsあから2010の対局の事前準備から局面の解説までを入れた観戦記で締めくくられています。

一昔前の書籍ではあるものの、基本的な考え方は変わらないのだと思います。Bonanzaが提唱した自動学習がその後どんどん進化しているというところくらいか。でも、コンピュータ将棋って何をしているの?って基本がわからなかったので、本書で作者の考え方が知れたのはよかった。やはりという感想だが、開発者は泥臭い作業をコツコツとやっていて、プロ棋士よりも人間味がある。対局場ではただ座っているだけだから、ニコ生で観戦しててもそんなことは感じないですけどね。


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2016.06.11

浄慶寺

梅雨、あじさいの季節なので朝のサイクリングの目的地をあじさい寺に。柿生の浄慶寺です。

入口



ここから境内に入ると、たくさんの紫陽花です。






なんか山道っぽいのがあったので、入り込んでみる。



頂上にはベンチ。



寺の大きな屋根を見下ろす風景withあじさい


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上平尾トンネル

上平尾トンネルが開通しているという話を聞いて、1週間くらい前(6月6日)朝に自転車に乗って様子を見に行きました。

栗木台小学校裏から上平尾に抜けれるのかな?と思ったら、これ。



まだ通れない。川崎市側(手前)の道路整備も、上平尾内の道路の整備も終わってそれぞれ通行可能なのですが、都県境だけバリケードで通行止めです。トランプの鎖国政策かよ。

ちなみに説明書き



仕方なく御座松塚から平尾杉山神社を回り上平尾の南側入口に。平尾通りから直進が上平尾地区、学園通りは右折に変わりました。



上平尾入口には広い公園が設置されました。



少し進むと上平尾トンネルの入口です。



中は照明も強く明るい。軽い登坂ですぐにトンネルを抜けます。トンネルを抜けたところは学園通り、稲城二中のすぐ東側です。正面に工事バリケード。この先、鶴川街道まで延伸する準備ですね。



工事バリケードの向こうはこんな感じ。まだ鶴川街道に到達するには時間がかかりそうです。


ここから小田良通りを下り上谷戸を登って朝のサイクリングでした。



2017.5.13追記

栗木台小学校裏から上平尾に抜ける「栗木線」は、既に開通しています。

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2016.06.06

『海よりもまだ深く』


郊外の団地に住む老人(樹木希林)と、その家族(阿部寛など)を描いた映画。主役は阿部寛。

人生こんなはずじゃなかった。どこで私の人生狂ったんやろ。団地の貧しい生活の描写を、離婚した元妻にまともに養育費を払えない状況を、その言葉に重ね合わせる。

自分が夢みた人生ってどんなんなのか。プロ野球選手なのか。そんな夢は叶いっこないのか。なら、公務員という夢なら叶うのか。

過去を悔やみ、将来を夢み、現在をきちんと生きることができないオトコへの戒めの映画だった。でも結局、そんな現在を積み重ねて私の人生がある。全部ひっくるめて私の人生である。

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