『将棋・名勝負の裏側』
将棋の月刊誌「将棋世界」の連載記事を単行本にまとめたもの。棋士の対談で、修行時代(主に奨励会三段頃)の苦労話(師匠や先輩の面白話)、対談相手の名手あたりがネタです。
将棋は81マスの盤面に8種40枚の駒を並べるだけのゲームで、1ゲームを通じたった百数手、棋譜にしても400字くらいにしかならないゲーム。それを、人間くさい棋士が、必死に指すわけです。でも棋譜に残るのは機械的な400字くらいなわけで。
棋士のエッセイなんてのもたくさんあり、読むと楽しいのですが、どうしても上品な仕上がりになりがち。対談だと、泥臭い本音が文章に織り込まれますね。こうやって棋士の人間性を知った上で棋譜を読むと、ただの400字ではなく奥行きが出てくるのが不思議です。
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