『淵に立つ』
人は、罪を償わずに生きていけるのか、どう償うのか、その償いは理不尽ではないのか。
下町の工場街の鉄工場という、暗い場所を、暗く描く。耳につくオルガンの音。けっして心地よい音色ではないが、家族の幸せの音色として劇中で演出される。幸せなのか、虚構なのか、わからないもどかしさを抱えストーリーの行方を見守ることになる。
刑務所を出所した八坂を受け入れることで悲劇が起こることは、観客皆が予想していること。そして、その悲劇に着実に向かっていっている。そうして、やはり。
その後の展開で、過去の罪の償いのカタチの理不尽を味わいながら後半を観ることになる。誰も幸せにならない結末に向かいながら。
淵に立つ
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