『宇宙が始まる前 何があったのか?』
原題は『A UNIVERSE FROM NOTING』です。
宇宙論の本ですが、文中に数式などはなく、原題の数学の知識と観察能力、宇宙が誕生して以来の環境に依存する見える範囲において宇宙の何が分かっているのかの解説が半分と、原題の『NOTHING』の哲学的思考が半分といった構成です。
前半は宇宙論の本を他に読んだことのある人なら新たな知識はないと思います。ただ、表面的な知識でなく、考え方に気付きがあるかもしれません。
後半の「NOTHING」が深い。宇宙空間中の真空の無と、宇宙が誕生する前にあった「無」とは全く概念が違うわけで、そんなのイメージできません。
著者はアンチ超紐理論の人っぽく、超紐理論に出てくる10次元や22次元の世界を少しバカにしている様子も。いや、そういう多次元を否定しちゃうと「無」も計算で求められなくなるのでは…
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