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2016年12月の8件の記事

2016.12.28

『暗渠マニアック!』

暗渠。蓋をされたり地下に埋められてしまった川です。平面を都市化するにあたり、どうしても元の地形に逆らえなかった痕跡を見ることができて、人間が克服できなかった自然を見るようで楽しかったりします。僕の身近で言えば、例えばガスト若葉台店の西側に流れる暗渠(マクドナルド裏の貯水池から三沢川に流れる暗渠です)や、玉川上水緑道(おなじみ玉川上水の跡地)なんかがありますね。こういう場所、微妙にうれしい。新宿周辺では蛇崩川や、神田川支流など細かい暗渠もたくさんあります。

微妙に暗渠が気になっていたところ、本屋でこの本を見てしまいました。「暗渠」なんて言葉が書店で平積みされているなんて。(どうやら「ブラタモリ」効果らしい。)

暗渠マニアがアンソロジー的に集めた暗渠探検記。暗渠の目印や加工度による分類など、さすが書籍にするほど暗渠を研究してしまう著者です。これは、参考になったし、もっと暗渠を探検したくもなってきます。

過去のブログを検索したら、いくつか暗渠絡みの記事がありますね。

五反田川探索
向ケ丘遊園駅南口の河川跡通路


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2016.12.27

『棋士の一分』

10月に騒動になった三浦九段のカンニング疑惑、12月26日の第三者委員会会見で疑いが晴れました。この3ヶ月間の出来事は、将棋界に大きな禍根を残してしまいますね。

その騒動の中でひときわ声が大きかったのが、橋本崇載八段。騒動の勃発時に「1億パーセント黒」など過激な発言をしていました。その前も、電王戦で「将棋に似た別のゲーム」など、将棋ソフトを全否定する発言があったり、ソフトと関わっているもの(関わっていそうなもの)を極度に避ける様子が感じられました。

その橋本八段が、この騒動の最中に出版したのが本書。やはり、将棋ソフトに対する極度のアレルギーを持たれているようです。

本書を読んで感じるのが、棋譜は人間が残すものだから価値があり、ソフトが残す棋譜には価値がないと考えているということ。研究も、ソフトが編み出した手については価値がなく、人間が考え抜いた手こそが価値があると考えていますね。研究にソフトを用いることを公言している若い棋士(千田翔太六段のことです)のことなんか、正直言って全否定なんでしょうね。とにかく棋士がソフトと関わること全般的に否定しています。

(1) 棋士の棋力とソフトの棋力が比較されること
(2) 棋士がソフトを用いて研究すること

この2点を否定しているのですが、本文中ではこの2点が混同されていて、意見がわかりにくく感じます。

僕個人としては、上記2点とも否定するのはこれからの将棋界にとってマイナスと感じます。まず(1)のソフトの棋力。これは、ここ数年間が拮抗状態ですが、あと数年でソフトが圧倒的に強くなります。ディープラーニング手法などAI技術が進化しているのとCPU性能が向上を続けていることから、どうしようもないことです。これは、棋士も将棋ファンも認識しているはず。正直言って、ファンにとってあと数年だけの楽しみなのです。その後は、どうでもいいことになってしまいます。そして(2)のソフトを用いての研究。これも、いままで固定観念に縛られて気付かなかった手がソフトを用いた棋士の手により開発されることを期待しているのがファンではないでしょうか。しばらくは従来の研究手法を用いた棋士とソフト研究の棋士とのぶつかり合いが楽しくもなるでしょうし、そうやって新しい定跡が棋譜として残ることをファンは期待しているのではないでしょうか。

棋士こそが将棋の最良の棋譜を残すべきで、ソフトではなく棋士こそが頂点にあり続けなければならないというのは、橋本八段が持っている強迫観念のように感じます。ファンは、ソフトという世界と棋士という世界が隣接して存在していることは認識しています。そのうえで、例えソフトの棋力が棋士を上回ったとしても、棋士の対局と棋譜を毎日楽しみに待っているのです。

いくつか本書に同意する部分もある。例えば、タイトル戦のニコニコ生中継。生中継をするサービス自体は素晴らしいのですが、他の生中継動画と同様に「弾幕」と呼ばれるユーザのコメントが画面を流れる方式を取っている。(それを表示しない設定もあるのだが。)これが、いかにも品がない。弾幕禁止で、コメントは脇表示限定などの設定で生放送できないものだろうかと思う。

あと、将棋連盟の運営。現在、将棋連盟の運営は棋士によって行なわれている。しかし、棋士は将棋を指すことにプロではあっても、組織運営においてはプロではない。「マネジメントやストラテジー、交渉といった部分においてスペシャリストを起用する発想が足りない」(P.99)のだ。正直、現在の連盟の運営は、棋士だけではそろそろ立ち行かなくなる。将棋という価値あるコンテンツを組織運営の素人が管理すると、それこそソフト業界などが面白みを全部持って行ってしまうかもしれない。まだ新聞が棋譜を高く買ってくれるこの時期のうちに、新聞社の管理部門から出向を受け入れるなどして、組織運営のプロに組織を運営してもらうべきではないか。そして棋士の理事会は名誉職化することで、谷川会長のA級復帰なども望めるかも知れないではないか。


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妻のiPhoneSEを購入(LINEの移行に失敗)


妻がガラケー使いだったのですが、いろいろ不便になってきてとうとうスマホに機種変することに。MVNOやらAndroidやらいろいろ選択肢はあったものの、結局iOSデバイスが楽そうとiPhoneに。iPhone7とiPhoneSEとの比較では使いやすそうな大きさのSEに軍配が上がり、iPhoneSE(64GB)をauショップで購入しました。

自宅でゲーム用に使用しているiPhone4sから復元を目論み、ガラケーのアドレス帳をauのデータお預かりサービスに移行し、その他の端末設定はなしで帰宅。フィルムはauショップのお姉さんに貼ってもらいましたけど。

前夜にWindowsのiTunesにバックアップを取っていたiPhone4sの情報から復元開始。しかし、いくつかのアプリが「復元中」の暗いアイコンのまま復活しません。2時間ほど待っても復活しないため、諦めてアプリを削除して再インストール。その中で微妙だなと思ってたのがfacebookとLINE。facebookは妻のメールを使いアカウントを復元できましたが、LINEは携帯電話番号のSMS認証しかしてなかったので、アカウント復活できませんでした。いつの間にか、アカウントのキーが電話番号じゃなくメールアドレスになってたんですね…

で、新規アカウントを作成したら次々にメッセージが届く。届くたびに妻に見せなきゃいけない手間が面倒。まあ、あまり凝っても仕方ないので、設定はこの辺でおしまいにするかな。

iPhoneSEを触っての感触ですが、iPhone5sとの差異は全く感じませんでした。CPU性能などは相当良くなっているはずですが、実感できるものはないですね。Minecraftなどグラフィック性能に依存するゲームやぴよ将棋などCPU性能をフルに使うアプリでは差があるのでしょうか。

何と言っても、LINEの移行に失敗したのが痛い。

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2016.12.21

『女流棋士の春』


香川愛生女流三段が主演のショートムービー。聖の青春、3月のライオンと将棋映画が続くところ、間を縫っての上映。と言ってもミニシアター単館上映というマイナー映画です。下北沢まで観に行きました。水曜日20時の回、50席ほどの7割くらいが埋まってました。女性は3人で、あとはオッサン。

ストーリーは、単に男子大学生と女流棋士が目隠し将棋をするというもの。その棋譜の裏にあるストーリーを間に挟む進行。後悔を捨て最善を指す…と、将棋を指す心得を人生になぞらえるところがハイライトで、この手の格言(僕は「指した手が最善手」と捉えていますが)人生の視点に及ぼす影響はやはり大きいなと。

この映画のほとんどは目隠し将棋の進行で、すなわち主演と助演が棋譜を延々と読み上げるのです。一生懸命棋譜を追って局面を考えちゃうと映画が頭に入らなくなるので注意。

香川女流三段が主演する映画「女流棋士の春」。観る前にゼッタイ知っておきたい3つのキーワード - 日本将棋連盟

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2016.12.15

『海賊とよばれた男』


出光興産の創業者出光佐三をモデルにした経済小説の映画化。

その強い情熱とリーダーシップで難局を何度も乗り切り、最後には自社タンカーで英国と対立するイランの石油を買い付けるまでのストーリー立てで、なかなかにハラハラさせるストーリーになっていました。

強いリーダーシップを体現した佐三を岡田准一が演じきっている。演技に迫力があり、この演技を見るだけでも映画館に行く価値がありますね。

海賊とよばれた男

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2016.12.06

ガールズアンドパンツァー(テレビアニメ全12話)

アマゾンプライムビデオにガールズアンドパンツァーのテレビアニメ版(30分番組×全12回)が期間限定で公開されているので、3日間に分けて通しで観ました。

第1話オープニングは3D酔いするような戦車からの視点での映像で始まりますが、しばらくして学園ものの流れに。女子高生+メカ+爆撃という、男子になかなか嬉しい要素を詰め込んだ映像を次々に送り出してくる感じでトータル10時間ほどの映像が続きます。

ストーリーはそんなに深くない…。戦車の隊列を統制を取って動かし勝利に結びつけなきゃいけないので、隊長〜車長〜乗組員の指揮体制と情報連携の精度を問われる競技なのですが、学園ものということもあるのか、そこまで突っ込んで描いてませんよね。

ガールズ アンド パンツァー 公式サイト

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2016.12.05

来年の手帳

12月になり、書店には来年の手帳が並んでいます。スマホ(iPhone)を使い始めて5年、手帳でのスケジュール管理はしなくなったのですが、カレンダーやメモを持ち歩いていないのは微妙に不便だったりします。

そんなわけで、何年かぶりにカレンダー付き手帳を買いました。





でも、細かいスケジュール管理はスマホに入れる、出先で突然メモをたくさんことは滅多にないので、それほどたくさんのメモ欄も不要。な訳で、スマホを買うまで使っていた見開き1週間の手帳ではなく、見開き1ヶ月というかなり薄い手帳を購入。




で、ここに何を書くか?勤務シフトくらいは書くでしょうが。

案としては
・将棋の戦績
・読み終わった書名
・観た映画
くらいかな。

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2016.12.01

『経済数学の直観的方法 マクロ経済学編』


先月読んだ「物理数学」の姉妹書。今度は経済学で使う数学の説明です。

フェルマーの定理、ラグランジュアン、オイラー方程式といった力学系の数学ツールを、大胆な例えを用いて観念だけ解説するという、前作通りの試みです。

そもそも僕は本格的に経済学を学んだことがなく、経済誌(週刊東洋経済や週刊ダイヤモンド)の経済学特集をたまに読む程度。この程度では、本書に出てくる数学は必要なかったですね。

この本を読むと、ちょっと本格的な経済学の書籍にチャレンジしてみてもいいかな?なんて気になっちゃいます。



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