『牝猫たち』
『牝猫たち』
池袋の風俗嬢を描いた映画。日活ロマンポルノリブートプロジェクトの作品です。
70〜80分の短編で10分に1回の濡れ場を入れるという制約付きの成人映画のジャンル。このジャンルでいくつか公開されている作品の一つです。機材のデジタル化などで撮影費や配信費が安くなっているから復活したのでしょうか。
で、この作品。ネットカフェ難民、シングルマザー、不倫といった女性が無許可営業のデリヘルに集い、客として描かれるのは引きこもり、高齢者、ヤク中の芸人。ネット炎上を狙う若者や個人のベビーシッター青年なども登場させ、現代社会の暗黒部をステレオタイプに描いています。
退廃的だけど現実的な世界観のなか、ただ彷徨う女性の心を追う映像。そのセックスに愛があるのかどうか、女性にすらわからない。何にしろ今ここで求め求めれ、時が過ぎ去ればいい。そのセックスに現実感なんてまるでない。
妻を連行された夫は、児童虐待の母とヤク中の彼に連れられていった男の子はどうなるのか、その先の物語を想像するとぞっとする。そういう後味の悪い感覚を観客に残すのが製作者の狙いだろうか。
牝猫たち(リンク先は日活ロマンポルノリブートプロジェクト)