『宇宙に外側はあるか』
アマゾン・アンリミにあった新書。今度は物理学分野。といっても難しい理論の話は抜きにして、今のところの研究では何がわかってて何がわかってないですよ、わかってない部分は、例えばこんな考えたがありますよと、比較的平易で簡潔な文章で書いてある本です。
後半のわかっていない部分の考察あれこれは、やはり学者ごとの思いがあって面白い。本書後半ではマルチバースの考え方がかなりの紙面を割いて書かれていますが、そこから遡って考えて、そもそも「存在する」って何?あたりの哲学的議論になっちゃうわけで。こうなると読み物としては面白いが、自分で考えるのは億劫で何にしろ現状を受け入れるしかないです。
観測可能な宇宙に絡んで、「生命が存在できるほど十分複雑で、かつそこで何が起きているのか人間にわかるほど単純なもの、それがこの宇宙です。」という記述が、将棋の複雑さを連想しました。将棋も、ゲームが成り立つほど複雑で、ルールを人間が理解できるほど単純にできてますからね。将棋の手の選択も局面ごとに膨大で、その選択ごとに一局という名のマルチバースの世界が広がっていますね。