『経済物理学の発見』
Kindle Unlimited の光文社新書から。夏休みにもう少し読書をしようと思ってたけど、この本だけになっちゃいました。この本も一般的な新書で、読むのにそれほど時間はかかりませんけど。
語感から「経済物理学」を「金融工学」だと思い込んで本書を読み始めたのですが、どうやら別物らしいと途中で気付きました。金融工学は正規分布として金融取引データを取り扱うのに対し、本書の経済物理学では取引データはむしろベキ分布に相似し、カオスやフラクタルを考慮しなくてはいけないと。
統計=正規分布だと教え込まれてきた自分にとっては当初は違和感がありましたが、まあ妥当なんでしょうね。そんなわけで、なかなか収束しない為替相場なんてのも、なるほど納得です。ただ、まだ研究が始まって浅い分野ということもあり、経済政策やブローカーの取引手法に実用化されるまではまだ遠く、これから研究者を増やしたい分野とだと感じます。
「統計学が最強〜」なんて本もありますが、そこに近似されない統計理論があることを本書のような経済物理学解説書で知っておきながら、現実の生活で実用的な統計理論を学んでおくことが大切のように感じます。
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