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2017年11月の8件の記事

2017.11.29

『必勝法の数学』

アマゾンでふと目に留まってポチった本。その名も「必勝法」。完全情報ゼロ和交互ゲームで先手必勝型、後手必勝型のゲームの数学的解釈をわかりやすく書いた本です。

この本の基本的なベースになっているのが、2山くずしというゲーム。実は僕はこのゲームをやったことがなく、ルールを本書から読み込んで娘を巻き込んでゲームをして、ゲームの進行を覚えるという手間がありました。やってみれば単純なゲームなのですが、なるほど数学で取り上げそうだなという感のゲームです。ゲームのルールはWikipediaを参考)

これを最終局面から機能的に辿り、後手必勝型、先手必勝型の局面分析をします。この分析で2進分銅表現から派生させた「ニム和」とかいう怪しい関数を作り出しちゃうところが数学の面白さ。

その他も随所に数学で遊ぶ楽しさが散りばめられています。

この本の難点が、酒を飲んじゃうと内容が全く理解できないことと、内容を理解するのに紙と鉛筆が必要なこと。ビール飲みながら寝転んで気軽に読む本を求めてたら、読み終わりません。酒を我慢して机に向かって読むとか、いつ以来だよ。

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2017.11.17

『イレブン・ミニッツ』

劇場公開の頃に気になってたけど行けなかった作品を自宅のテレビで鑑賞。

午後5時からの11分間、いろんな人物の動きを切り替えて見せます。監視カメラのモニターが関係ない風景を断片的に映すように。

いくつかのストーリーが同時並行で進むのですが、いずれのストーリーも単純で取るに足りないもの。しかし、それぞれの映像を、観客がイラッと来るような見せ方をする事でクライマックスにストレスの頂点が来るようにできています。

悲劇の群像劇と言えばそれまでだけど、そこに至るまでの映像の試みというか遊び方が斬新。決して「見てよかった」との観後感はありませんが、しばらく喉に引っかかった小骨のように心から離れなくなりそうです。

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2017.11.15

『人工知能の核心』

夏頃に人工知能を取り上げるNHKスペシャルの番組があった。ここで代表的なAIとして取り上げられているのは、将棋ソフト。この番組の取材にトップ棋士の羽生善治が大々的に協力しているのですが、その取材の際に得た知見を文書化したのが本書です。

本書は技術書でもなんでもなく、また著者の羽生善治棋聖もAIの専門家ではありません。ただ、日本人のなんとなくのイメージで現在の日本の頭脳を代表するものは羽生であり、進化するAIに対峙すべきは羽生だという感覚があるのでしょう。なので、この人選。

本書を読んで、専門家ではないけどAIの近くにいてAIに思うところがあり、聡明で常識的な感性を持つという羽生善治に取材協力してもらったという実績は、今後AIを実用化していくにあたり非常に有益だったと思います。AI専門家の観点ではなく、それを受ける側の観点を専門家に示し、「人間」の頭脳の権威として意見を言ったことが、専門家に今後の方向性を与えたのではないでしょうか。

本書の書評として、AIの入門に!なんて表現を見かけますが、本書はそういう目的で読むと肩透かしです。専門家の意見を聞いて、素人としての解釈を本に落としただけです。AIの専門家の話はわからないけど、一般人としての解釈だけストレートに知りたい目的ではいいかもしれませんね。

後半はAIの倫理関係。サンデルの例題みたいな人間でも解けないような倫理の課題をAIが与えられちゃうかもしれないなんて考えると、恐怖ですね。

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2017.11.08

『非対称情報の経済学―スティグリッツと新しい経済学』

アンリミ(Kindle Umlimited)の光文社新書から。

非対称情報下の市場経済という分野で2001年にノーベル賞を取ったスティグリッツの考えを一般にわかりやすく新書に示したものです。2002年の著書なので、比較的旬な頃に書かれたのでしょう。

一般的な経済学での需要供給曲線は、経済の参加者が全ての情報を得ていて合理的な選択をする前提で書かれていますが、実際にはそうではありません。合理的云々の部分は最近流行りの行動経済学で詳しいのですが、本書で取り上げるのは参加者が全知ではないこと。片側だけが情報を得ていることで需給曲線にどういう影響があるかをわかりやすく解説しています。

本書で取り上げる題材は、中古車(レモン問題)、保険(モラルハザード問題)、雇用といったものです。題材に対していくつか仮定を入れて需給曲線をいじるのですが、もう少し数学的に遊んでも面白いのになという物足りなさがあります。ただ、当時ブームになったスティグリッツを広く紹介する目的ではこれ以上深く掘り下げると難ありなんでしょうけど。

スティグリッツの人物像や、小泉改革による日本経済など、出版当時に要請されただろう事柄に紙幅を割いていることからも、あまり後年に深く読まれることは想定していないようです…

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2017.11.04

Kindle Fire 7 (2017)

いま使っているKindle PaperwhiteはReuters購読の関係でUSのアマゾンアカウントと日本のアマゾンアカウントを切り替えながら使っています。これがけっこう面倒。Kindle端末もう一台あれば楽なのになあと思いながら過ごしていました。

ふと、アマゾンのセールに屈してFireタブレットを買ってしまった。Fire7という7インチタブレットで、プライム会員用価格で3,780円でした。(年に1度くらい、もう数百円安くなる時期もあるらしい。)まあ、日米アカウント切り替えの問題が解決するなら4千円程度の投資は許容範囲かと。

一昨日の夜にポチって昨日にもう届いたので、早速Wi-Fi設定などして使えるように。

その前に、簡単にスペックを。
【Fire 7 (2017モデル)】
IPS 7インチ 600x1024(171ppi)
192 x 115 x 9.6mm 295g
ストレージ 8GB
バッテリー持続:8時間

で、わが家にあるデバイスと並べて大きさ比較するとこんな感じ。



(左から時計回りにiPadPro9.7(2016)、Fire7(2017)、Paperwhite(2013)、iPhone5s)

輝度は整合性を合わせていないので、この際無視。画面の大きさは面積でiPad9.7の半分、iPhone5sの倍、ほぼPaperwhiteと同じと言ったところでしょうか。ただ写真ではわかりませんが、Fire7はPaperwhiteに比べて若干厚く(9.7mm:9.1mm)、かなり重い(295g:213g)。数字以上に重く感じます。

実際に読んだ感じはどうか。今回は固定レイアウトのA4版雑誌を全画面表示してみました。

↓iPadPro9.7(2048x1536 266ppi)



↓iPad2(9.7" 1024x768 132ppi)



↓Kindle Paperwhite(2013)(6" 1024x758 212ppi)



↓Kindle Fire 7(2017)(7" 1024x600 171ppi)



さすがにPaperwhiteやFire7で雑誌全画面表示はあり得ないのですが、参考に。ちなみに画面サイズが同じiPadProとiPad2では雑誌全画面表示にした時に解像度の違いが明確で、iPad2ではぼやけて見える字がiPadProではくっきり見えます。僕の場合、タブレット等で画面解像度を実用上気にするのは、この使い方だけですね。

Fire7では雑誌全画面表示は画面サイズからしてあり得ないのですが、Paperwhiteと違い簡単に拡大表示ができるので、雑誌を読むのはiPadProで読むほど快適でないにしろ現実的です。Kindle Umlimitedで雑誌を読むことが多いので、これは便利な点。

いくつか、Fire7の残念な点を。

・ロック画面が広告
スリープボタンを押して最初の画面が、広告です。現在は、なんだか派手なゲームの広告が表示されてしまいます。ダサい。

・標準はアプリを削除できない
メールやブラウザなどの標準アプリをアンインストールできません。読書端末にしたいのに、余分なものをずっと持ち歩かなきゃいけない。そのせいでホーム画面も散らかりっぱなし。

・アマゾンアカウントと紐付いちゃってる
これが最大の難点。ショッピングアプリもアンインストールできないので、端末を操作できたら買い物し放題。Paperwhiteの場合は書籍コンテンツくらいしか購入できなかったのがショッピングアプリだと何でも買えちゃうので、さすがに問題。仕方なく端末にロック解除パスワードを掛けるのですが、今度はいちいち広告画面上でパスワード入力しなければならないストレスが。
・何と言っても、重い(Paperwhite比)
Paperwhiteユーザとしては、Fire7は重すぎ。しかも、画面ギラギラ。Paperwhiteの快適さを再認識です。

まあ、いろいろ不満はありますが、次期Paperwhite発売までのつなぎとして、4千円分くらいは活用しようと思います。

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2017.11.03

Fire7をポチった

アマゾンがFireタブレットのキャンペーンをやっていて、最廉価版のFire7をポチってしまった。プライム会員なら4000円以下で買えてしまう、衝動買い誘発設定で、つい衝動買いしてしまった。

てな訳で泥縄ながら今の手持ちのPaperwhiteとスペック比較

【Kindle Paperwhite(第2世代2013モデル)】
Carta E-Ink 6インチ 758x1024(212ppi)
169x117x9.1 mm 213g
バッテリー持続:数週間
ほぼKindle読書アプリのみ

【Fire 7 (2017モデル)】
IPS 7インチ 600x1024(171ppi)
192 x 115 x 9.6mm 295g
バッテリー持続:8時間
Kindle、Amazonビデオ他アプリ導入可

読書端末とだけ考えると見事にスペック劣化。重いし大きいわりに表示ドット数が下がり、電池の持ちも圧倒的に悪くなる。だって、4000円だから。

今のPaperwhite運用は、新聞購読の関係でUSのアカウントと日本のアカウントを切り替えながら使っているのですが、これが不便。アカウントごとに端末があればいいなと思っていたので、Fire7の導入を機にアカウント固定で使いたいです。だとすると、外出先でFire7、自宅(特に寝る前)にPaperwhiteの運用になるでしょうか。

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2017.11.02

小田急が複々線ダイヤを発表

小田急が来春の複々線完成に伴う新ダイヤの概要を発表しました。


ざっと見ても、かなり複雑です。
増発絡みを除き、概要はこんなところでしょうか。
・快速急行の登戸停車
・多摩線快速急行の新設
・唐木田(多摩センター)⇔新宿の急行を新設。うち通勤時間帯上りは通勤急行として登戸通過。
・夕ラッシュ時に江ノ島線快速急行下りは多摩線ホームに到着、多摩線各駅停車に接続
・夕ラッシュ時の江ノ島線特急は新宿毎時15分発で新百合ヶ丘停車。
・多摩急行と多摩線⇔千代田線急行の廃止
・千代田線直通は準急主体(昔みたいだ)狛江、祖師ヶ谷大蔵、千歳船橋を停車駅に追加
・多摩線は始発を30分繰上げ、終電を30分繰下げ(運行時間が1時間増加)

まだまだいっぱいありますね。みんな乗り方わかるのかな?

とりあえず、自分の勤務形態からよく乗る電車のダイヤを調べてみました。

【現ダイヤ】
はるひ野0843→0924新宿
はるひ野0822→0907参宮橋
新宿1907→1942はるひ野
新宿2123→2202はるひ野
【新ダイヤ】
はるひ野0847→0925新宿
はるひ野0829→0908参宮橋
新宿1908→1942はるひ野
新宿2123→2200はるひ野

うーん、あまり変わらないかなあ。ほんのちょっとずつ改善されてますね。

あ、昔に空想したダイヤとはだいぶ違ってましたね。

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2017.11.01

『物流とロジスティクス』

Kindle Unlimitedに物流関係の本があったのでダウンロード。この分野での著書の多い湯浅和夫氏の著書ですね。

本書では、企業物流を単なる「輸送」から「ロジスティクス」に変えるための考え方がいくつか示されています。本書で重要項目のしてあげられているのは(1)適正在庫管理(2)物流ABC(活動原価計算)の2項目です。

従来、在庫量の適正化は物流部門の掌管事項ではないため、仕入部門や製造部門、営業部門の思惑でたいてい過剰に持ちすぎる難点がありました。在庫は棚卸資産に評価されるので企業業績にダイレクトに影響が出るわけでなく、ズルズルと膨らみがちです。だが、物流経費は膨らんでしまうわけで、ここに物流部門がメスを入れ、在庫計画から掌管すべきだと説きます。

続いて物流ABC(活動原価計算)。物流経費を細分化して計測可能にすることにより、顧客ごとの物流費を把握、納品条件の見直しにつなげることを目的にします。大口顧客に対し特別な納品条件(小分け、値札付け、高頻度納品など)を行うことで採算が取れなくなっている事例が多いようですね。

物流の教科書を探すとたいてい湯浅氏の著書に当たるわけですが、何らか湯浅氏の本は読んでおくといいですね。ただ、湯浅氏の視点が全てではないので、一つの視点として捉え、仕事での適用方法の参考にするといいと思います。


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