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2018年4月の10件の記事

2018.04.30

『ザ・サークル』

SNS社会が極端に進んだら?自分の全ての経験を世界中と共有したら?

架空のSNS会社「サークル」に入社したエマ・ワトソンが同僚に繋がりを強制され、そんなことしているうちにプライベートを全て世界に晒すことになるという物語。

映画の上映時間という制約があることで仕方ない部分があるが、物語の展開が急だし強引だし不自然。社長の社内講演会もAppleの新製品発表やTEDみたいな設定で、演出にやりすぎ感があるかなと。

実際には我々は自分の体験を選択しながらShareしていて(Facebook、Twitter、LINEそれぞれ風土は異なるが)、全てをShareすることはないのですが、極端に走ってみたらどう感じる?と問いかけの作品として、観ながら考えるのにちょうどよいかなと。

すでにSNS疲れしてしまってる人にはどうでもいい作品かも。

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2018.04.25

『あゝ荒野』


映画誌の評価が高かったので観に行きたかったが機会を逃した作品。前後編で5時間もある作品なので時間を作るのが難しかったが、Amazonビデオで鑑賞。

社会から弾かれ転落したりしそうな人間たちの群像劇。転落の表現が自殺だったり身体障害だったり吃音だったりで、その重さが作品全体を支配する。舞台の新宿は、華やかな新宿ではなく社会の肥溜めのような街として描かれる。

転落した人間は、自分を転落させた人間を恨むのか、転落を選択した自分を恨むのか。方向性が定まらないまま、内なる力を溜め込んで、昇華する力の逃し先に困る。逃し先が自殺か、闘争か、繋がりか。

物語はボクシングの試合で締めくくられる。この試合に、いろんな人間の、いろんな憎悪と愛が集中する。一発一発のパンチが重い。命を削り取っていく。命を削ってでも得たいものは何だったのか。

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『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』

トレーラーから機密文書の輸送に関わるアクションが主題かと勘違いしていたのですが、本作の主題は意思決定。政府に不都合な事柄を報道しようとする報道機関のあり方が問われます。

本作の意思決定において冷や冷やする設定は、(1)主人公が経営する報道機関が地方紙と全国紙の中間くらいの位置付けにある中途半端な立場であること(2)報道機関が家族経営から上場会社に移行する中途半端な時期であること(3)女性の社会への進出が認められる始めている中途半端な時期であること、という3つの要素があり、これらが重なり合って作品を構成しています。

こういう映画が権力側の勝利に終わったり、主人公が日和って終わったりすることはないので結論ありきで観てしまうのですが、それでも意思決定の難しさをいろんな要素を演出に加え、エンタテインメント性を持たせて見せてくれます。

最終的な意思決定ののち、輪転機のスイッチが入り一気に新聞が出荷されていく様子がとても迫力があるのですが、それこそが意思決定の大きさを視認できる形にしたものです。新聞スタンドに新聞が届くまでの緊張感を楽しみましょう。

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『Alex's Adventures in Numberland』

TOEICのリーディング対策に英文をたくさん読もうと考え、TOEIC参考書ばかりじゃ面白くないので一般書も読もうとKindleで購入しました。

読み始めは推定残り時間が80時間からスタートし、しばらくして推定残り40時間まで減ったのちなかなか残り時間が減らず、それだけでかなりイヤになってました。でもまあ読書だと思わず勉強だと思って頑張って読んで、残り一桁時間になった時はようやくゴールが見えてきてホッとしました。

読み終えるまでの平均時間が7時間51分のところ40時間かかってるので、普通の読書時間の5倍かかってますね。期間で言うと、3ヶ月と少しかかってます。

これだけ時間を掛けて読むと飽きちゃうものなんですが、題材が数学小話で自分が興味を持てるものを選択したのが幸い。数学史とトリビアを取り混ぜて、数学のいろんな分野を面白おかしく説明しています。

「算盤」「折り紙」「数独」と日本発の数学技術についても述べられていて、洋書ながら身近に感じられるのもいい。東洋の小国は数学の世界でも異文化の特異な国なんだろうか。

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2018.04.22

『名探偵コナン ゼロの執行人』


コナン映画。今まで興味をほとんど示さなかった息子がテレビで流れた昨年の「から紅」で興味を持ち、友だちを連れて観に行きたいと、結局息子の友だち、娘の友だち含め5人の子どもたちを連れて多摩センターまで映画を観に行きました。

主人公の世話人である私立探偵、毛利小五郎が誤認逮捕されるところからストーリーが始まります。東京サミット開催と火星探査機帰還という大イベントを前に、毛利の逮捕後も事件が時限付きでテンポよく展開します。アニメならではの大げさなアクションも見どころ。

物語は、警視庁公安部と検察庁公安部の組織間の力関係の話に。この辺り、一般生活を送る大人ですらよくわからない行政組織なのに、子どもらにわかるのか?がかなり疑問。まあ、そんな細かいことはわからなくても楽しめるように作ってあるんですけどね。観た後に息子に警察と検察の違いわかってんの?と聞いたら、知ってるよ!との回答でしたが、本当はどうか。数ヶ月前に「今日は仕事で裁判所に行ってくる」と言ったら「お父さん逮捕されちゃうの?」という頓珍漢な質問をしてきた息子なのに。

あと、ネットに繋がる熱源や動力を持つ機器は、ネットから独立した安全装置が必要ですよね。

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2018.04.18

『大格差 - 機械の知能は仕事と所得をどう変えるか』


先日『AI vs 教科書が読めない子どもたち』を読んだ時に、長いあいだ積ん読棚に置きっぱなしのこの本のことが気になりました。2014年9月18日初版、2014年12月8日初版第4刷とあり、かなり3年半近くも積ん読放置されていた様子で、本に申し訳ない感じ。

案の定というか、本書の内容はAIが万能ではないが、高度教育のない層の雇用は脅かされるという、AI vs と同じ論調でした。

AI vs がAIに入試問題を解かせようというアプローチからの論述に対し、本書はコンピュータの読み手をを活用したチェス競技(フリースタイルチェス)からのアプローチというかなり違ったところからスタートして、よく似た結論に到るところが面白い。AIが実用化するにしたがって、人間がどのような能力を身につけなければいけないか、凡そ示されたということでいいのか。

本書後半では、「中国との熾烈なライバル関係に刺激されて、アメリカ人のナショナリズムが強まり、秩序と現状維持が重んじられるようになる」「アメリカでいま保守主義の力が最も強いのは、所得水準と教育水準が最も低く、ブルーカラー労働者の割合が最も多く、経済状況が厳しい地域だ」と、のちのトランプ現象を的確に言い当てていることに驚いた。もしかしたらアメリカではリーマンショックあたりから強烈なナショナリズムは台頭しつつあり、僕がそれに気付いたのがトランプ現象からでしかないのかもしれないが。

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2018.04.14

『ストリップの帝王』

ストリップ劇場の支配人をしつつ踊り子のマネジメントをしていた男の半生記。

ストリップは性風俗であり、踊り子は明らかに性の対象。しかも「まな板」「個室」という売春行為があり、劇場管理や踊り子のマネジメントは管理売春に該当する、人身売買業に近い仕事。明らかにカタギの仕事ではない。

この本で追っている瀧口は、戦後のストリップの隆盛から衰退まで、長い間にわたり業界の主人公であったようだ。自らの逮捕勾留までもきちんと管理しているように思える。ここまでストイックに生きないと、欲望が渦巻く性風俗で信頼を得て成功することはできないのだろう。

己に対する自信の強さが滲み出る生き様。それ故に、引退して田舎に引っ込んでからの貧しい生活が重い。月収1億を稼ぐ世界で、いったい誰が幸福になったのかと。

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2018.04.12

新百合ヶ丘駅多摩線ホームのベンチが撤去されている

新百合ヶ丘駅の多摩線ホームに降りて、光景に違和感。よく見たら、ホーム中央にあったベンチが撤去されています。



下り江ノ島線快速急行が3番ホームに到着するようになり、3番線から4番線への乗り換えの障害になっていたのかもしれません。

しかし、多摩線は新百合ヶ丘駅折り返しのホーム待機時間が短く、ホームで長い時間待たなければいけないこともあります。立ったまま待つのは嫌だなあ。


記事内容とは関係ないですが、北口に降りたところのミニコンビニ跡地は散髪屋になっていました。しかし屋外に向けて看板がなく回転灯だけ。なぜこんな地味な営業をしているんだろう。

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2018.04.04

すごい立地戦略

別にすごくはなかった。

店舗を出店するにあたっての立地選択の重要性と、どういう立地が集客に有利かを説明した本。タイトルに「すごい」とあるので奇をてらった秘策でも書いてあるのかと思ったら、立地選択の基本が易しく書かれている本でした。

当たり前と言えば当たり前なことしか書かれていません。しかし、個人で出店計画を立てる時などは基本に忠実にあるべきでもあり、こういう基本をキチンと説明している本は押さえとかないとなとは思います。

この本の中で「すごい」と思ったのが、セブンイレブンの出店戦略ですね。ふつう店を出す時は「空き物件」を探すのでしょうが、セブンの場合は空いていようが使ってようが、出店したいところにピンポイントで用地確保に動くのですね。ここまでやってこその他の追随を許さない店舗日販なのでしょう。妥協を許さないことで取れる数字なのです。

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神田川の桜はとっくに終わってた(2018/4/3)

桜のシーズン恒例の神田川(淀橋〜東中野)の散策に、4月3日(火)に出かけました。

週末にはあちこちで満開だった桜、火曜日にはもう散り終わってました




それでも、遠景で撮ったら少しは花が残ってるっぽいか?



3.5kmの昼休み散歩でした。

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