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2019年1月の6件の記事

2019.01.29

『ボヘミアン・ラプソディー』


クイーンのフレディー・マーキュリーの物語。実在のバンドだし(フレディー以外は存命だし)熱烈なファンだった人も多いので、作品化はかなり難しかったと推測する。なにせ現実のクイーンという制約のもとで映画作品を作らなきゃいけない。

この中でフレディーの社会からのはみ出し具合を描いてストーリーを紡いでいくのだが、主題であった同性愛だって描き方が中途半端に終わっている印象。

音楽映画としての完成度は高い。もう、ストーリーなんか追っかけずに音楽を楽しみたい。そして、単にライブエイドで涙したい。



ミュンヘンのスタジオ兼自宅で金閣寺の入場券が壁に貼ってあったのが気になって。あれ、わざわざ演出なの?金閣寺がクイーン(またはフレディー)にとって重要な場所なの?

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2019.01.28

『経営戦略原論』


なんだかカッコいいタイトルの本。Kindleに入っているだけでインテリ感が高まりますね。でジャケ買いした経済書ですが、内容は
・経営戦略って何?
・経営戦略の歴史
・ビジネススクールの教科書の比較
・管理会計から経営戦略への紐付け
・管理的経営からヒューリスティックな経営への移行
・新興企業のための経営戦略
・国際展開における経営戦略
・技術進化による将来の経営戦略の行方
といった感じで進んでいきます。なお上記は僕が感じた本書の流れで、目次は著作紹介のサイトでご確認ください。

今までたまに思いついてかじってきた経営戦略本だったりしますが、これが経営学のどういう位置付けで、どう実務に活かすのかを全くわからないまま放置してしまっている自分がいます。多くのサラリーマンがそうかもしれません。そんな漠然とバラバラになっている経営戦略を整理してくれる本でした。なかなかよかった。この本の整理から、ときどき雑誌などに登場する経営学名著や学者名の位置付けを理解できるかな。

以下、僕の整理

経営戦略の定義はまちまち。組織、目標、道筋が大事。ミンツバーグの5P(Plan Pattern Position Perspective Play)。
実行される前に計画立案されるものから実行の中から次第に形作られるものに移行。(これはシステム開発でいうウォーターフォールからアジャイルへの移行によく似たもの?)

古代:ストラテーゲートマトン、孫子→クラウゼウィッツ『戦争論』(1832)、ジョミニ『戦争概論』(1838)
↓20世紀に経営に展開
テイラー『科学的管理法』(1911)、バーナード『経営者の役割』(1938)→ドラッカー『企業とは何か』(1946)などへ展開

チャンドラー『組織は戦略に従う』(1962)、アンゾフ『企業戦略論』(1965)で組織の意思決定について言及{戦略的意思決定(→経営戦略史の始まり),管理的意思決定,業務的意思決定}
↓マッキンゼー、BCG、ビジネススクールの台頭
“BCGマトリックス”
↓産業組織論SCPモデルも加味
ポーター“ファイブフォース”(1979)→外部市場の構造分析
↓内部は?→資源ベース理論
バーニー“企業の資源と持続的な競争優位”(1991)

このあたりまで経営戦略の歴史の概略。

ビジネススクールの教科書6選
・マイケル・ヒッツ『戦略経営論』
・ロバート・グラント『グラント現代戦略分析』
 この2冊は外部分析と内部分析→競争優位
・ジェイ・バーニー『企業戦略論』
 SWAT→VRIO
・相葉宏二『MBA経営戦略』
 フレームワークの紹介
・網倉久永『経営戦略入門』
 ポーターと事例解説
・浅羽茂『経営戦略をつかむ』
 内部分析と外部分析、ポーター、イノベーション
これら、意外と高価だったり手に入りにくかったりの本ですが、ビジネススクールでは必読書なんでしょうか。

管理会計(アンソニー1965)→ABC・BSCをへて経営戦略へ。新興企業の実務的にはKPI。

人間は限定合理的:モニタリング、インセンティブを用いたマネジメント

人間は非合理性、組織はヒューリスティック:認知、誘導、センスメイキングによるリーダーシップ発揮

新興企業は予測困難性、可鍛性、生存困難性(ミンツバーグ)のシュンペーター型競争があるとことに発生
現在は第二次グローバルの最中にあるが国境はまだ高い
現在発展中の技術(特に情報技術)が経営戦略に影響を与える


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2019.01.27

『短歌タイムカプセル』


短歌のアンソロジー。いろんな歌人の短歌を一冊にまとめた本です。

編者の主観を排し、並びは五十音順、歌人ごとの歌数も統一、採用歌の選定も編者ではなく歌人による選定。徹底して機械的に徹しているアンソロジー。

115人の歌人を20首ずつ。2300首の短歌が小さな本に収められているので、かなり密度が高い。一首一首を味わうには情報過多だ。ページごと、すなわち歌人ごとの雰囲気を感じ取り、この名の歌人はこういう作風なんだなと感じる読み方がちょうどよいかな。

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2019.01.22

『マスカレード・ホテル』


木村拓哉、長澤まさみの主演という、いわゆる豪華俳優陣によるミステリーエンタテインメント映画である。ホテルという豪華セットもあり、ああ贅沢な映画を観たなという感想になる。

ストーリーに、ホテルマンの信念をこれでもかと練り込んでくるところがポイント。荒くれ刑事の新田(木村拓哉)がホテルマンという堅苦しい役に押し込められる面白みを際立たせる演出である。これがただ単に木村拓哉のキャラ立ちを狙っただけの演出かと思っていたら、結末の伏線だったとは…

ホテル映画といえばグランドホテル形式かと思いきや、本作はそういう進行ではない。その代わり犯罪トリックが込み入って「何だよ、まだ解決しないのかよ!」というハラハラ感を持ち続けて観ることになる。単品映画にしては凝りすぎで付いていけないままストーリー展開しちゃうかもしてないので要注意である。長澤まさみ好き(あるいは木村拓哉好き)なら、1度目は流して観て、複数回観てもよいのではないか。

単なるエンタメ映画をわざわざスクリーンで観るほどでもないけどなと思いつつ映画館に行ったが、結果としてはスクリーンでの視聴に満足。大掛かりなセットでのホテルのロビーの喧騒感を全身に感じることができた。

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2019.01.16

『アリー スター誕生』



レディーガガ主演の成功物語。上司に遅刻を咎められてウエイトレスを辞めて数時間後(スクリーンでは数分後)にスターに登り詰めるスピード感は爽快。

でも、この物語はアリー(ガガ)の成功物語が主軸でなく、ジャック(ブラッドリークーパー)の転落模様が主軸だと受け止めた。どんどん階段を登って行くアリーを横目に、難聴に悩まされながら坂道を転げ落ちて行くジャック。そしてアリーの距離感の掴み方の苦悩。そして、ラスト…

タイトルを見てスカッとする成功を期待して観たら、とても残念な結果になる。そんな苦いドラマだった。

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2019.01.03

『きまぐれオレンジ☆ロード』(全10巻)


Kindle Unlimitedに気まぐれオレンジロードが出ているのを見つけ、1冊ずつ購読。

超能力を持ってる主人公が超能力を隠しながら暮らしていくという話だが、なぜか女の子にモテまくるという展開。ここで、主人公春日恭介が2人の女の子の間で揺れ動く(恭介はまどかを好きだが、恭介のことを好きなひかるにも満更ではない)を延々と描く。

中学生〜高校生ながら飲酒するなど、現在では連載が難しいだろう内容も含んでいる。てか、当時でもどうだったんだろう?80年代には不良への憧れみたいなのが現在と違った感覚であったのかもしれない。

やはり恭介の全能感が醍醐味なんだろう。こういう全能感で読者に夢見させるの、最近でもあったよな…斉木楠雄と同じ構図なのかね。

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