なんだかカッコいいタイトルの本。Kindleに入っているだけでインテリ感が高まりますね。でジャケ買いした経済書ですが、内容は
・経営戦略って何?
・経営戦略の歴史
・ビジネススクールの教科書の比較
・管理会計から経営戦略への紐付け
・管理的経営からヒューリスティックな経営への移行
・新興企業のための経営戦略
・国際展開における経営戦略
・技術進化による将来の経営戦略の行方
といった感じで進んでいきます。なお上記は僕が感じた本書の流れで、目次は著作紹介のサイトでご確認ください。
今までたまに思いついてかじってきた経営戦略本だったりしますが、これが経営学のどういう位置付けで、どう実務に活かすのかを全くわからないまま放置してしまっている自分がいます。多くのサラリーマンがそうかもしれません。そんな漠然とバラバラになっている経営戦略を整理してくれる本でした。なかなかよかった。この本の整理から、ときどき雑誌などに登場する経営学名著や学者名の位置付けを理解できるかな。
以下、僕の整理
経営戦略の定義はまちまち。組織、目標、道筋が大事。ミンツバーグの5P(Plan Pattern Position Perspective Play)。
実行される前に計画立案されるものから実行の中から次第に形作られるものに移行。(これはシステム開発でいうウォーターフォールからアジャイルへの移行によく似たもの?)
古代:ストラテーゲートマトン、孫子→クラウゼウィッツ『戦争論』(1832)、ジョミニ『戦争概論』(1838)
↓20世紀に経営に展開
テイラー『科学的管理法』(1911)、バーナード『経営者の役割』(1938)→ドラッカー『企業とは何か』(1946)などへ展開
↓
チャンドラー『組織は戦略に従う』(1962)、アンゾフ『企業戦略論』(1965)で組織の意思決定について言及{戦略的意思決定(→経営戦略史の始まり),管理的意思決定,業務的意思決定}
↓マッキンゼー、BCG、ビジネススクールの台頭
“BCGマトリックス”
↓産業組織論SCPモデルも加味
ポーター“ファイブフォース”(1979)→外部市場の構造分析
↓内部は?→資源ベース理論
バーニー“企業の資源と持続的な競争優位”(1991)
このあたりまで経営戦略の歴史の概略。
ビジネススクールの教科書6選
・マイケル・ヒッツ『戦略経営論』
・ロバート・グラント『グラント現代戦略分析』
この2冊は外部分析と内部分析→競争優位
・ジェイ・バーニー『企業戦略論』
SWAT→VRIO
・相葉宏二『MBA経営戦略』
フレームワークの紹介
・網倉久永『経営戦略入門』
ポーターと事例解説
・浅羽茂『経営戦略をつかむ』
内部分析と外部分析、ポーター、イノベーション
これら、意外と高価だったり手に入りにくかったりの本ですが、ビジネススクールでは必読書なんでしょうか。
管理会計(アンソニー1965)→ABC・BSCをへて経営戦略へ。新興企業の実務的にはKPI。
人間は限定合理的:モニタリング、インセンティブを用いたマネジメント
↓
人間は非合理性、組織はヒューリスティック:認知、誘導、センスメイキングによるリーダーシップ発揮
新興企業は予測困難性、可鍛性、生存困難性(ミンツバーグ)のシュンペーター型競争があるとことに発生
現在は第二次グローバルの最中にあるが国境はまだ高い
現在発展中の技術(特に情報技術)が経営戦略に影響を与える