2019年5月の5件の記事
2019.05.29
2019.05.28
『百人一首』ビギナーズクラシック 日本の古典
短歌を勉強したいのならまず百人一首だろうと、世に数多ある百人一首解説本のなかで、Kindleで読みやすそうなのを選択。
百人一首には恋の歌も多数あり、後朝の歌などもあることから子供向けの解説書ではどうしても内容が不足するため、大人向けの解説書が望ましい。だいたい通い婚の風習がない令和の時代にあって後朝を詠まれても、解説が不足していると何を書かれているかわからないわけだし。
百人一首って古い和歌だよねという感触しかなかったのですが、収載されている和歌は天智天皇から順徳天皇まで、詠まれている時代は非常に長い。大化の改新(飛鳥時代)のあたりから、承久の乱(鎌倉時代)あたりまでだから、日本史の半分くらいはカバーしているんじゃないかな?
和歌の歴史を幅広く押さえている点、ジャンルも恋愛、政争、季節の風景など幅広く取り扱っている点で、きっと短歌の練習素材として相当優秀なんだろうと思う。しかも、短歌を詠む人の認知度も格段に高いことから、話題の共通認識としても本歌取り素材としても有能であることが想像できる。
2019.05.27
2019.05.26
『経済学の名著50冊が1冊でざっと学べる』
社会科の予備校講師が経済学古典・定番書を多読してみたという企画である。
ちなみに50冊とは、
『国富論』スミス、『人口論』マルサス、『経済学および課税の理論』リカード、『経済表』ケネー、『雇用・利子および貨幣の一般理論』ケインズ、『経済学の国民的体系』リスト、『純粋経済学要論』ワルラス、『経済学』サミュエルソン、『統治二論』ロック、『経営行動』サイモン、『財政理論』ブキャナン、『セイラー教授の行動経済学入門』セイラー、『マクロ経済学入門編』マンキュー、『隷従への道』ハイエク、『経済発展の理論』シュンペーター、『資本主義と自由』フリードマン、『クリーグマン教授の経済学入門』クルーグマン、『入門経済学』スティグリッツ、『企業とは何か』ドラッカー、『ナッシュは何を見たか-純粋数学とゲーム理論-』ナッシュ、『波乱の時代』グリーンスパン、『リスク・不確実性および利潤』ナイト、『社会的選択と個人的評価』アロー、『人的資本』ベッカー、『正義論』ロールズ、『自動車の社会的費用』宇沢弘文、『プレテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』ウェーバー、『資本論』マルクス、『狂気とバブル』マッケイ、『アニマススピリット』アカロフ/シラー、『21世紀の資本』ピケティ、『経済学原論』マーシャル、『コンドラチェフ経済道学の世界』岡田光正、『大転換』ポランニー、『有閑階級の理論』ヴェブレン、『帝国主義論』レーニン、『経済学の本質と意義』ロビンズ、『動態経済学序説』ハロッド、『近代世界システム』ウォーラーステイン、『ゆたかな社会』ガルブレイス、『消費社会の神話と構造』ボードリヤール、『ムハマド・ユヌス自伝』ユヌス、『貧困の克服』セン、『大脱出』ディートン、『経済学原論』ミル、『ゼロ・サム社会』サロー、『ソロスの錬金術』ソロス、『厚生経済学』ビグー、『貧乏物語』河上肇、『隷属なき道』ブレグマン
の50冊。
こうやって一気にパンチしても、もう本文での紹介内容を覚えていないものが結構あったり^^;
本書の楽しみ方としては、多読の感想を楽しむというのがいい。著者「多読ほんとうにキツイ、たいへん」僕(そりゃそうだろ!)というノリで。それでも、この本って名著って言われているけどぶっちゃけこうだよ的な感想もあり、経済学の大家に親近感を感じるものいいですね。
2019.05.23
「僕たちは希望という名の列車に乗った」
戦後の東ドイツを描いた映画。1956年の東ドイツの進学校の高校3年生。昭和31年にしては裕福な生活をしているように映像は作られている。労働者階級の子弟もいるが、高校生活を楽しんでいる。ビールもタバコも堂々と描かれているのは、欧米と日本の違いなのか、時代の違いなのか。
ソ連軍の駐留に息苦しさを感じ、共産主義の社会に堅苦しさを感じている。そんななか、彼らがやったことは3つ。
・西ベルリンで映画を観る
・米軍のラジオを聴く
・ハンガリー動乱犠牲者に黙祷を捧げる
どれも、現代からしたら取るに足らないこと。でも、これらがクラスメイトとその家族の人生を大きく変えてしまうことになる。
共産主義の抑圧とはどういったものだったのか。先日観た「芳華」も、この「僕たちは〜」も、共産主義に抑圧される青春という構図は同じ。しかも、反革命を徹底して叩き、革命同志の繋がりが非常に重要視される。大人たちは革命の仕組みの中でキチンと従って生きていくことを是としている。変じゃね?って思う若者は考えるための情報から遮断されている。
この共産主義の抑圧は遥か遠い昔で起こっていることに感じるが、東ドイツは1990年(映画の主人公たちが52歳)まで存在したし、中国や北朝鮮は現在も共産党独裁だ。(程度の差はあるだろうが。)でも冷戦終了から20年経つことは大きいのだろう。冷戦下の東側を、どんな人たちがどう描くのか。
木曜午前の上映で観たが、観客のほとんどはシニアだった。団塊、全共闘世代なのだろうか。アナーキーだった若い頃を思い出しに観に来たか?とか思ってしまった。