『宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃』
宇宙際タイヒミューラー理論という、何だかよくわからない理論の解説本。ABC予想という素数演算に絡む数学の未解決問題の証明として有力視されている、しかも数学の考え方に革命をもたらす理論とのこと。これだけだと怪しいことこの上ないwww。
ただ、「宇宙際」の宇宙とは、銀河系とかがある宇宙のことではなく、数学の理屈が通じる世界みたいなものか。そう見ると、怪しさは軽減。
最近の数学の書籍で出てくる「群論」がここにも登場。この本での群論解説は直感的に理解しやすいようにかなり噛み砕いて説明しているが、それでも「また群論か…いつかちゃんと勉強しないとなあ」と思わされてしまいます。群論の初歩を勉強したところでIUT理論にまでは全く到達できないけどね。
本書は、IUT理論の説明はほとんどない。前半は数学界を取り巻く状況と、論文が認められる手順、それとIUT理論を考案した望月新一教授の素晴らしさが本書の前半。後半は群論などIUT理論の前段の話。結局、IUT理論ってどんなのなの?で終わっちゃった気がしなくもない…。