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2019年8月の3件の記事

2019.08.25

『宇宙と宇宙をつなぐ数学 IUT理論の衝撃』


宇宙際タイヒミューラー理論という、何だかよくわからない理論の解説本。ABC予想という素数演算に絡む数学の未解決問題の証明として有力視されている、しかも数学の考え方に革命をもたらす理論とのこと。これだけだと怪しいことこの上ないwww。

ただ、「宇宙際」の宇宙とは、銀河系とかがある宇宙のことではなく、数学の理屈が通じる世界みたいなものか。そう見ると、怪しさは軽減。

最近の数学の書籍で出てくる「群論」がここにも登場。この本での群論解説は直感的に理解しやすいようにかなり噛み砕いて説明しているが、それでも「また群論か…いつかちゃんと勉強しないとなあ」と思わされてしまいます。群論の初歩を勉強したところでIUT理論にまでは全く到達できないけどね。

本書は、IUT理論の説明はほとんどない。前半は数学界を取り巻く状況と、論文が認められる手順、それとIUT理論を考案した望月新一教授の素晴らしさが本書の前半。後半は群論などIUT理論の前段の話。結局、IUT理論ってどんなのなの?で終わっちゃった気がしなくもない…。

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2019.08.06

『民事裁判入門 裁判官は何を見ているのか』

民事裁判をするにあたっての心構えや考え方を書いた本。前半は本人や代理人が準備書面を整えるのにどういったことに配慮すべきかを書いている。こうすれば有利ですよというより、どうすれば裁判官に理解してもらいやすいですよと言った解説。本人訴訟なんかきっとやらないだろうとタカをくくってる僕からすると、裁判官の立場で「こんな準備書面を出してくれたらいいのになあ」と書いているようにしか見えないんですけど。

後半は、日本の裁判制度の改善提案。一般人がここの解釈に行き着くには、まず裁判ってどういう仕組みなの?って理解しなきゃいけないわけだけど、この本の読者がどれだけ裁判所に足を運んだことがあるだろうか?と疑問。こういう「入門」を謳う本でも、なかなか入門は難しいよね。

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2019.08.04

『天気の子』

新海誠の最新作。大規模プロモーションもあり中高生の夏休み映画のマスト感が高い。子どもらを連れてイオンシネマに向かった。

家出という青春アドベンチャー。言の葉や秒速などの系譜か。ただ、今回はやたらと周りを巻き込みすぎな設定だ。青春の謳歌というにはあまりに犯罪行為を盛り込みすぎで、世界を犠牲にしている。新海誠ワールドもここまできたら、サイア人を登場させたドラゴンボールのような過剰なエスカレーションに感じる。

都市を切り取り、印象的に表現する新海ワールドは前回。今回は代々木駅前の古びたビルを誇張して描いた。新宿歌舞伎町の猥雑性もこれでもかと見せつける。だいたい「バーニラ、バニラ♪」のトラックがオープニングなんて東京を知る大人には強烈なインパクトだ。JR病院、代々木ドコモ、新宿大ガード、田端の崖、神楽坂の坂。東京に根付く物語である。これらが「聖地」として四谷須賀神社のように扱われるのだろうか。

エンタメとしては、ここまで派手な演出がよいのだろう。秒速の頃の新海アニメは遠くなったか。

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